三重県総合文化センター ブログ

社会見学:わくわく劇場体験ツアー「四日市市立中央小学校」

《開催日時》2021年12月3日(金曜日) 13時から14時30分まで
《会場》三重県総合文化センター 大ホール
《団体》四日市市立中央小学校 5年生
《内容》

四日市市立中央小学校のみなさんを社会見学プログラム「わくわく劇場体験ツアー」へご案内しました。はじめに客席に座って、舞台機構を使ったショーを観てもらいました。先生が舞台に登場するサプライズ演出も大好評!舞台上では、大ホールにしかないオペラカーテンの裏側に立ち、出演者の気分を感じてもらいました。
 他にも音響、照明、バトンなどを操作する部屋に行き、実際に操作を体験するなど90分間盛りだくさんの内容でしたが、みなさんどの場所でも真剣に話を聞いて積極的に体験をしていただきました。

オペラカーテンが開く様子を見学!こうやって引っ張っていたのか・・!

ピンスポットライトの操作を体験!重たい機械を上手に操って、舞台上を動く人を光で追いかけてみよう!

舞台の下へ続く穴が出来ている!なるほど!さっき先生はここに乗っていたんだね!

参加者の声

(児童)
・ステージのしくみを知ることができてよかったです。イベントがあればまた行きたいなと思いました。
・舞台のうらがわはとってもたいへんってことが分かった。
・ダンスでしょうめいや音きょうさんを見たことがあるけど、細かいことを知れて良かった。今度からはこれだけの人がやってくれてるんだと思いながら、がんばりたいです。
・色いろな人が協力して、いい劇や発表になることがよく分かりました。

(先生)
・どの児童も生き生きと楽しそうに見学させていただきました。”体験”させていただけたこともとてもうれしかったようです。

社会見学について

三重県総合文化センターでは、小学校中学年を対象とした社会見学を実施しております。
未来の利用者である子どもたちに、公共の施設でのマナーやルールの他、普段は入ることのできない施設の裏側や、そこで働く人々のさまざまな「仕事」について楽しく学んでいただけるコースをご用意しています。
詳細は、「社会見学・施設見学」ページをご覧ください。

社会見学:わくわく劇場体験ツアー「津市立八ツ山小学校」

《開催日時》2021年12月2日(木曜日) 13時から14時30分まで
《会場》三重県総合文化センター 中ホール
《団体》津市立八ツ山小学校 3年生
《内容》

津市立八ツ山小学校のみなさんを「わくわく劇場体験ツアー」にご案内しました。
音響や調光を操作する部屋、奈落や楽屋・楽器庫など普段は入ることができない場所を見学してもらいました。回ったり上下したりする舞台の床に載って、その裏側はどんな仕組みになっているのか見に行ったり、他にもホールの仕掛けをたくさん見たりして、たくさん体験していただきました。みなさん驚きながらも、メモを取りつつ、最後までとても熱心にお話を聞いていただきました。

ドラムロールが響く中、ピンスポットライトの光が左右に動いています!選ばれるのは誰かな?

この2つのマイクの違い、分かるかな?

ボタンをグッと押しながらレバーを前に倒すと・・・?
あ!バトンが上に上がっていく!

参加者の声

(児童)
・調光室や音きょう室、シーリング室やオペ室や奈落のきかいをさわったり見たりできて楽しかったしびっくりしました。
・応援団鳥の「かるみー」がいることを初めて知りました。楽器は温度をちゃんと見ないとへんな音が出ることを初めて知りました。
・奈落のきかいが動いているのを見て「こういう仕組みをしてるんだぁ」と思いました。
(先生)
・日常的には見られないところの見学ができ、一部体験させていただけるのは、子ども達にとってとても興味深い内容である。

社会見学について

三重県総合文化センターでは、小学校中学年を対象とした社会見学を実施しております。
未来の利用者である子どもたちに、公共の施設でのマナーやルールの他、普段は入ることのできない施設の裏側や、そこで働く人々のさまざまな「仕事」について楽しく学んでいただけるコースをご用意しています。
詳細は、「社会見学・施設見学」ページをご覧ください。

取材ボランティアレポート「そうぶんの竹あかり」

撮影:新井良規

立冬が過ぎて日の入りが急に早まった11月11日。
今年5年目となる「そうぶんの竹あかり」が祝祭広場で開催となりました。
今年の竹あかりのテーマは『世界はただ輝いて』。


そして今回は、11月12日から始まる「女性に対する暴力をなくす運動」のイベントであるパープル・ライトアップとコラボレーションした紫にペイントされたリボン型の竹(竹ひご)と紫のライトも点灯されて、いつもと違った雰囲気の竹あかりも見ることができます。

パープルライトアップ 撮影:新井良規
撮影:新井良規

この日のオープニングセレモニーでは、一昨年前から竹あかり会場で流れていた倍音楽演奏家の「倍音人(バイオンビト)Road」さんの生演奏が行われました。

音は音程を決める基音と音色を決める倍音で構成されています。倍音は単一ではなく整数倍の周波数が幾重にも重なった音で、倍音がどう共鳴するかによって音色は決定されます。

演奏に使われる楽器はガンクドラムとハンドパン。ガンクドラムは日本の楽器で四日市で製作されており、ハンドパンはスイス発祥の楽器です。両種はよく似た円盤型の金属製打楽器でスピリチュアル音楽として耳馴染みのある癒やしの音色を発します。

倍音人Roadさんの演奏

落日とともに明るさを増す竹あかりを前に入念なリハーサルを終えたRoadさんが、一畳分もない小さな低いステージに胡坐を組み、楽器を抱え込みました。

イメージを確認するかのように竹あかりを仰ぎ見てから、弾くように軽く指先で楽器を叩くと、ボワンと膨らんだ空気のような高音が波打つような感覚で流れ出します。

撮影:新井良規

その音を辿って耳を傾け、叩く・押さえる・擦る独特の奏法。それは次第に早くなり素早く動く両手からは長く美しい響きと響きのない短い音が幾重にも重なって波紋のように遠くへ拡がっていきます。
音の綾は無邪気な子どもたちの笑い声と出会うと現実を包み込み、すべての音が遠くから聞こえてくるような幻想的な空間へと変わりました。広場の聴衆をすべて包み込んだ音の綾は夕闇の片隅で秘やかに耳をかたむけていたそうぶんの警備員を包み込んで、最後に暗闇に解けて20分間の短い演奏は終わりました。

わずかな静寂中「今日はよう寝られそうや」と誰がが呟いた声にハッと引き潮のように現実が戻った目の前には、始まりと同じように竹あかりがただ輝いているだけでした。

(取材ボランティア:鈴木ゆかり)

取材したイベント

そうぶんの竹あかり「世界はただ輝いて」
2021年11月11日(木曜日)から11月28日(日曜日)まで

社会見学:わくわく劇場体験ツアー「津市立栗葉小学校」

《開催日時》2021年11月11日(木曜日) 11時から12時まで
《会場》三重県総合文化センター 中ホール
《団体》津市立栗葉小学校 3年生
《内容》(1)客席でお話、舞台機構ショー鑑賞 (2)舞台上で、照明・舞台機構の体験 (3)バックヤードツアー(調光室、音響室、楽屋、楽器庫)

津市立栗葉小学校3年生のみなさんへ、社会見学プログラム「わくわく劇場体験ツアー」をお届けしました。
2クラス62名ということで、今回は1クラスごとに1時間のプログラムを実施しました。
まずは三重県総合文化センターとそこで働く人々についてのお話を聞いてもらった後、中ホールにある様々な仕掛けを使ったショーを鑑賞。ショーで活躍していた音響、照明、舞台機構についての説明を受けて、いよいよ舞台上に上がって実際に体験です!

栗葉小学校1
とっても熱い照明!やけどしないように気をつけてね。

照明体験では、照明に手をかざして熱さを感じてみたり、アーティストを照らしている「ピンスポットライト」に当たってみたりしながら、舞台を明るく照らすことについて体感してもらいました。

舞台機構体験では、回る床「回り舞台」にみんなで乗ったり、迫(せり)を使って地下へ降りて「奈落」を探検したりと、大迫力の体験にたくさんの驚きの声が聞こえてきました。

栗葉小学校2
迫(せり)に乗って、みんなで奈落へゴー!
栗葉小学校3
奈落体験にドキドキわくわく!?

最後はバックヤードツアー。照明を操作する調光室、音を操作する音響室、楽屋、楽器庫をめぐりました。

三重県総合文化センターの中ホールのこと、詳しくなったかな?
またぜひコンサートやお芝居を観に、そうぶんへ遊びに来てくださいね!

参加者の声

(生徒)
・楽屋に初めて入ってわくわくしました。
・舞台が下がったり、回った所が凄かった。また行きたいです。
・発表会にいつも行っているので、知らないことを知れて、また見学したいと思いました。

(先生)
・普段は見ることのできないバックヤードを見せていただくことができとても嬉しそうであった。

社会見学について

三重県総合文化センターでは、小学校中学年を対象とした社会見学を実施しております。
未来の利用者である子どもたちに、公共の施設でのマナーやルールの他、普段は入ることのできない施設の裏側や、そこで働く人々のさまざまな「仕事」について楽しく学んでいただけるコースをご用意しています。
詳細は、「社会見学・施設見学」ページをご覧ください。

社会見学:わくわく劇場体験ツアー「伊賀市立三訪(みわ)小学校」

《開催日時》2021年11月4日(木曜日) 13時30分から15時まで
《会場》三重県総合文化センター 中ホール
《団体》伊賀市立三訪小学校 5年生

伊賀市立三訪小学校5年生の皆さんを、劇場の普段は入れない部分に入って、劇場でのお仕事や裏側を体験してもらう「わくわく劇場体験ツアー」へご案内しました。
客席でホールのことや音響・照明などについての説明を聞いて、いざ舞台の上へ!

劇場体験ツアー 写真1
照明の熱を間近で体験。熱い!まぶしい!とみんな興味津々。

舞台上では照明器具の熱を感じてもらったり、光に色をどうやってつけるのかなどを見てもらいました。

劇場体験ツアー 写真2
調光室で「フェーダー」を操作し色染め体験!2つの色を組み合わせるとどうなる…?

その次は2階にある音響・照明を操作する部屋に移動し、機械の操作を実際に体験。

劇場体験ツアー 写真3
大迫(おおぜり)に乗って、奈落から舞台上へ登場してみる体験。客席が見えてきた!

楽器庫や楽屋などを見学し、機構を使って舞台に登場する特別体験も!
最後にちょっとした舞台機構ショーを見てもらってツアーは終了です。
どの子も興味津々に舞台スタッフのお仕事を体験してくれていました。 

参加者の声
  • ふだん、体験できないことを体験できて楽しかった。
  • そうぶんのことを知ることが出来て良かった。
  • 舞台の上だけじゃなくて、ホール全体に仕かけがあってびっくりしました。

社会見学について

三重県総合文化センターでは、小学校中学年を対象とした社会見学を実施しております。
未来の利用者である子どもたちに、公共の施設でのマナーやルールの他、普段は入ることのできない施設の裏側や、そこで働く人々のさまざまな「仕事」について楽しく学んでいただけるコースをご用意しています。
詳細は、「社会見学・施設見学」ページをご覧ください。

取材ボランティアレポート「ワンコインコンサート ミュージカル菜那くらら&花陽みく」

ワンコインコンサート

待ち望んでいた宝塚OGによるワンコインコンサート『ミュージカル菜那くらら&花陽みく』が一年越しでやっと開催されます。花組と月組でエトワールを務めた2人の歌声を大ホールで聴くことができるなんてなんと嬉しいことでしょう。

こちらは毎年恒例の国際共同組合デー記念コンサートです。開演前に梶館長から県内4つの共同組合の紹介と公演の見所としてエレクトーン奏者の宮崎誠さんの伴奏も愉しみにとの話しがありました。ワンコインコンサートのソロ出演歴もある宮崎誠さんは伴奏も併せると県文化会館への出演が4回もあるそうで、意外な縁に開幕前から客席と舞台の距離が縮んだような気がします。

気持ちも和み暗転した客席に突如として宝塚の代名詞とも言える『ベルサイユのばら』のプロローグが重々しく流れます。耳に入る多彩な楽器の音色はオーケストラの伴奏かと錯覚するほどで、事前に話しを聞いていなければとてもエレクトーン1台の演奏とは思えません。

そして舞台中央に2人の姿が。
退団してから3年以上経っているのにまったく変わらない姿に胸が熱くなります。

『ベルサイユのばら』と言えば男装の麗人オスカルが有名ですが主役はマリーアントワネット。マリーアントワネットの幼少期から斬首刑までを書いた同作の歌い出しは故郷を思う切ない歌詞の『青きドナウの岸辺』から。高く澄んだ歌声が客席を瞬時に魅了していきます。
続いて宝塚では珍しく1年間のロングラン公演となった伝説の海外ミュージカル『ME&MYGIRL』をメドレーで。ロンドンの下町ランベスで生まれた女の子が両親に「世の中に出て悔しいことが起きたら顎で受け流しなさい」と言われた言葉を健気に守り、笑って明るく歌う『顎で受けとめなさい』など、短い歌のひとつひとつに気持ちを込めて歌う姿は観ている者を物語の世界へと導いてくれます。そして同公演一幕の最後に歌われる軽快な『ランベスウォーク』では自然と手拍子が入り徐々に会場の空気が温まっていきます。
宝塚の代表曲を歌い終わった後は2人が選曲したソロを順番ずつ歌い継ぎます。宝塚公演パパラギより『心はいつも』、ミュージカルモーツアルト!より『ダンスはやめられない』、ミュージカルロミオ&ジュリエットより『あの子はあなたを愛している』、現在再演中のミュージカルレ・ミゼラブルより『夢やぶれて』…。

ソロが終了し中盤が過ぎると緊張が溶けたのか2人とも少しホッとした様子で、こんな大きなホールでソロを歌うことができて幸せだと嬉しそうに話していました。歌劇団にいたのに不思議な話しだと思いますが、宝塚ではメロディラインは男役が歌うもので、娘役はハーモニーがほとんど。ソロを歌うことは少なくてそのような感慨が口に出たのかもしれません。一昨年行われた宝塚OGのワンコインコンサートでは男役と娘役のコンビでしたから娘役の美しい歌声を堪能できる今回のコンサートは貴重なのです。

そんな2人が最後に選んだ曲はNHK朝ドラの主題歌『おひさま〜大切なあなたへ〜』。MCでは無観客公演のことにも触れられ観客の前でパフォーマンスをすることの意義を噛みしめて話され客席に観客がいることの重要さを語っていました。そんなコロナ禍での公演の困難さが歌詞と繋がります。

あなたは私の奇跡
あなたは私の希望

この暮らしが続くのなら
なにもいりはしない
(『おひさま〜大切なあなたへ〜』作詞:岡田恵和)

2人の心地よい透明な歌声は自粛生活に疲れた心に涼やかに染み入ります。お別れはプログラムには載っていないけれどもOG公演でお馴染みの『すみれの花咲く頃』を。宝塚を知らない人でも口ずさめる有名な歌は実は娘役のソロから始まります。

春 すみれ咲き春を告げる
春 なにゆえ人は汝を待つ
『すみれの花咲く頃』作詞:Fritz Rotter・白井鐵造)

優しい歌詞とソプラノの歌い出は聞く人を常に感動させます。引き続いて『この愛よ永遠に〜Forever TAKARAZUKA〜』が。大地真央の公演主題歌だったこの歌は歌詞を変えて宝塚を代表する歌となりました。コロナ禍で公演が中止となる度にどれだけこの歌詞に励まされてきたでしょう。そしてそれを周知の宝塚ファンが応援するように湧き上がる手拍子。まるで大劇場公演を観ているようです。

終演後のロビーには「宝塚を観るのは本当に久しぶり」、「また大劇場に観に行きたいね」など喜びの囁き声が響きます。

清楚で愛らしい容貌の菜那さん、多彩な表情で魅せる花陽さん。退団してもなお宝塚を感じさせることのできる2人の娘役力はなんと素晴らしいことでしょう。今となっては何ごともなく日常生活をおくるれることが本当に奇跡。大きな声で笑い、話し、エンターテイメントを堪能できる日が戻って欲しいと心より願いました。

(取材ボランティア:鈴木ゆかり)

取材したイベント

ワンコインコンサート ミュージカル菜那くらら&花陽みく
2021年7月16日(金曜日)11時30分開演

早わかりコラム「歌舞伎十八番と勧進帳」


歌舞伎十八番

得意なことをよく「十八番(おはこ)」と言いますよね。この言葉の由来とされるのが歌舞伎十八番。本来は「じゅうはちばん」と読みます。江戸歌舞伎の代表的な家系「成田屋」の初代〜 4代目市川團十郎が得意としたお家芸18作品をまとめたもので、7代目市川團十郎によって1832年(天保3年)に定められました。代々の團十郎が荒事を得意としていたことから、歌舞伎十八番も豪快でおおらかな演技が魅力の役が登場します。今回のレクチャーで解説していただく『勧進帳』では、武蔵坊弁慶がそれにあたります。

歌舞伎十八番の演目

@暫(しばらく)     A矢の根(やのね) B鎌髭(かまひげ)    
C勧進帳(かんじんちょう)D不動(ふどう)  E七つ面(ななつめん)  
F鳴神(なるかみ)    G助六(すけろく)   H蛇柳(じゃやなぎ) 
I象引(ぞうひき)    J押戻(おしもどし)K解脱(げだつ)
L毛抜(けぬき)     M景清(かげきよ) N嫐(うわなり) 
O関羽(かんう)     P不破(ふわ)   Q外郎売(ういろううり)

勧進帳

歴史上の悲劇のヒーロー源義経と彼の忠臣・武蔵坊弁慶の関所越えの逃亡劇を題材にした忠義のドラマ。能の『安宅』を原作とした松羽目物(下手に五色の揚幕、上手に能舞台に見られる臆病口、後ろに大きな松の絵が描 かれた舞台セットを使用した作品)です。弁慶による勧進帳の「読み上げ」、 富樫と弁慶、義経3人による「天地人の見得」、富樫と弁慶との緊張感溢れる「山伏問答」、足を踏みならしながら花道を引っ込む弁慶の「飛び六法」など、長唄の名曲に合わせて運命のドラマが展開します。解説は古典芸能のスペシャリスト・三重大学の田中綾乃先生と、歌舞伎の補綴も手掛ける木ノ下歌舞伎の木ノ下裕一さん。『勧進帳』は木ノ下歌舞伎でも上演歴があり、「関所を越える」=「あらゆる境界を超える」という視点で、弁慶を外国人俳優が、義経を女性が演じるなど大胆な演出と解釈で観客の度肝を抜きました。そんな思い入れたっぷりの作品をお二人で語り尽くしていただきます。

 

おしゃべり古典サロンvol.7

テーマ 「勧進帳(かんじんちょう)」
講師 木ノ下裕一さん(木ノ下歌舞伎主宰)
   田中綾乃さん(三重大学人文学部准教授)
日程 2020年8月14日(土)14時00分〜16時00分
会場 三重県文化会館 小ホール
料金 1,000円

イベント詳細はコチラ

取材ボランティアレポート「こいのぼりがいっぱい!!」

こいのぼり2021

その準備は気温が一桁に落ちた少し寒い朝のこと。

2年振りに『こいのぼりがいっぱい!!』のイベントが決定し、久し振りに顔を合わせたスタッフとボランティアは開始時間を待ちきれずに準備を始めます。

ギュウギュウと箱詰めされていたこいのぼりたちが外へ出られる日がやっときました。感動が目に沁みる…じゃない!マスク越しでも咳き込むほどの強烈な防虫剤臭!驚いてスタッフを見ると「心配だったので途中で防虫剤の量を増やしました」テへッと笑う。さすがに抜かりがない。

しわしわのこいのぼり

しかし…出てきたこいのぼりたちはシワッシワで元気がなさそう。一方のスタッフとボランティアは生き生きとこいのぼりをワイヤーに繋げていきます。

作業風景

「ここは色が同じだから、変えた方がいいよね。違う色あるかな」
「端の方は壁に引っ掛かるから小さいのがいいんだよね」
勝手知ったる作業を着々とこなし、祝祭広場にこいのぼりの花畑が広がります。軍手代わりの花柄のガーデニング用の手袋がお花畑によく似合う。

こいのぼりはワイヤーの片側に一列に並べないと揚げる途中で絡まり大きな手間となるのですが、今年は風がないので作業は本当に楽。順調に準備が整い、スタッフ考案の『ワイヤー2本連続揚げ作戦』で大量のこいのぼりたちはあっという間に空の上へ!

けれど…。風がなく、だらりとぶら下がるこいのぼりはまるで洗濯物のよう。ずらりと垂れ下ったこいのぼりたちを見て「まぁメザシのようだわ〜」と笑う朗らかな声が合図となったのか、微風に吹かれ一匹また一匹とこいのぼりが泳ぎ出します。一斉でなく気ままに、あっちこっち揃わずに。その緩さが妙で心地よい。

そうだね、この1年はこいのぼりだけじゃなく私たちも外に出てゆっくり空を見ることもなかったよね。自由になったこいのぼりと一緒に気持ちも軽くそうぶんの空に漂っていきます。

こいのぼり2021

ふと気がつくと子どもがこいのぼりの下を両手を広げ飛行機を真似てブーンブーンと走り回っています。強い日差しにこいのぼりの影が地面に映り、それはこいのぼりと一緒に水底を泳ぎ回っている小魚のようにも見えます。見上げると透きとおった青空に気ままに泳ぐ鯉たちの群れ。ふと自分も川底にいるような、そんな錯覚に陥ります。

さて、そうぶんコソコソ話。
150匹のこいのぼりの中に頭に「祝」と書かれたこいのぼりがいます。「祝」こいのぼりを見た人はいいことがあるとかないとか。そうぶんを訪れた際には「こそっと」探してみてください。

(取材ボランティア 鈴木ゆかり)

取材したイベント

春のそうぶんに行こうよ!こいのぼりがいっぱい!!
開催期間:2021年4月23日から5月9日まで

こいのぼりがいっぱい詳細ページへのリンク

取材ボランティアレポート「そうぶんの竹あかり」

竹あかり

年末も近くなり、振り返ると「そうぶん」ではたくさんのイベントが中止となった寂しい年でした。しかし、恒例のイベント「竹あかり」は行われると聞いたので早速作業場を訪れてみました。

今年は密を避けて祝祭広場での開催となります。裏庭の紅葉とのコラボが観られないのは残念ですが、こちらなら場所も広く安心して観ていただけます。なので、恒例のトンネル型ではなくワイヤーを使い立地を効果的に演出した高さを強調するダイナミックなデザインとなっています。

作業風景

目を惹くのがフレンテ2階に林立する4メートルの竹。設置はとても大変だったけれど、実は1本1本にワイヤーを取り付けて張り渡らせるのがもっと大変だったとか。

竹あかり作家・演出家川渕皓平さんが描いたデザインを紙上から起こし立体化させるためにワイヤーの角度と長さを予め計算し作業に入ったそうです。その丁寧な下準備がアイデアを正確に表現できているのです。さらにワイヤーにぶら下がっている円形の枠にも美しい揺れを生むために計算がしてあります。8本の竹で作られている輪は、外側だけを止め、やはり計算された長さと間隔でワイヤーから吊り下げています。どちらも川渕さんとスタッフが現場で調整しながら完成させた労作です。輪の二番目の竹に取り付けたLEDライトが絶妙な配置で竹の外面を反射させ、風が吹くと瞬きながら回転する様は銀河系の集まりのようです。

竹あかり

作業ボランティアの方が「竹をおんなじ長さとおんなじ太さに割ることは本当に大変な作業なんですよ。特にデザインの中心となる大きな球体は生竹だから早く形を作って止めてしまわないとどんどん乾いて割れてしまうんです。

作業風景

しかも川渕さんのこだわりで重なる部分は15センチまでと決めているから、さらに大変なんですよ」と、教えてくれました。

美の細部にこだわる川渕さんの思いと、スタッフの美を実現させたい思いとが重なり造られた竹あかりの美しい景色。川渕さんは最後の最後までひとつひとつの竹の中のライトを調節していました。祝祭広場に拡がる竹あかりを眺め、右から左へと流れていく美しい景色にはそんな汗も流れているのです。

今年の竹あかりは昨年より多くの竹が使われており、幽玄の世界が祝祭広場いっぱいに拡がっています。川渕さんが初めて挑戦された空中を照らし回る竹あかりは、そうぶんでしかみられません。

今年のテーマは『三千世界』。

4メートルの竹先から祝祭広場の裾野に向けてユラユラと揺れ光りながら拡がる竹あかりの須弥山。コロナ禍で狭められた私たちの心の前に現れた竹あかりの三千世界。みつめる人たちのその心を少しだけ広げて温めてくれることでしょう。

(取材ボランティア:鈴木ゆかり)

取材したイベント

そうぶんの竹あかり

開催期間 2020年11月19日(木曜日)から12月6日(日曜日)まで

「そうぶんの竹あかり」詳細ページへのリンク

取材ボランティアレポート「不思議な確率の世界」(みえアカデミックセミナー2020)

講座の様子

毎年、夏になると、書類でパンパンに膨らんだファイルを小脇にかかえた大人たちでごったがえす受付の風景が、今年はすっかり様変わり。ソーシャルディスタンスを保つため、定員を減らして始まった「みえアカデミックセミナー2020」も、残すところ二日となった8月25日。颯爽と登壇した先生は、数学の先生。

えーっ?数学?もう何十年もやってないような・・・大丈夫かな・・・?

「確率論が専門です」と自己紹介して始まった講義は、まず、簡単な計算から。
「みなさん、さいころを振って1の目が出る確率を計算してみましょう」

うん、それは簡単だ。さいころの目は1〜6まで6個だから、1/6でしょ?
あれ?でも割り切れないよね?小数点で表すと、0.1666666666・・・・・?

「では、次の問題です。コインを投げて、表が出たら100円手に入れることができ、裏が出たら100円失うというゲームで、手に入るお金の平均値は?」

むむむ・・・ちょっと難しいぞ。先生が何やら計算式をホワイトボードに書き始めた。

 

講座の様子

表が出る確率は0.5。裏が出る確率も0.5。
だから、平均値は、
100円×0.5+(-100円)×0.5=50円-50円=0円

なるほど!つまり、当たるも八卦当たらぬも八卦。五分五分ってことね!

だけど、実際、この賭けをやっている時の人間の心理を考えてみると、

ずーーーーっと負けが続くと、「もう、そろそろ運が向いてくるんじゃないか?そろそろ、敗けを脱出して勝ちに転じるんじゃないか?」などという期待がわいてきて、ゲームをやめる踏ん切りがつかない。

そういう現象も、「ランダムウォーク」という、自然科学、ギャンブル、投資などさまざまな確率現象をシンプルに分析する手法で説明がつくそうだ。

わたしたちの身の回りで、ゲームや賭けだけでなく、保険料をどうやって決める?という時にも、確率論が使われている。

 コインの表か裏か?みたいな決断を迫られた時、私たちは直感に頼るわけだけど、直感と確率は案外ずれていることが多い。コインを投げる回数が少なければ、確率からずれた結果になることもあるけれど、「大数の法則」といって、コインを投げる回数をどんどん増やしていくと、結果がかぎりなく確率に近づくんだそうだ。だから、大量に契約を結ぶ保険で、保険会社が損をしないという。

 「21世紀は確率の時代です。これから勉強をしようという若い人たちには、ぜひ、確率論を勉強するようにすすめてください!」
先生はそう力強く言って講義を終わった。

これからはAI=人工知能の時代。そこでものを言うのが、「確率論」。

あなたも、21世紀の未来にむかって、確率論を勉強してみませんか?

(取材ボランティア:海住さつき)

取材した催し

みえアカデミックセミナー2020「不思議な確率の世界」

日時:2020年8月25日(火曜日)13時30分
講師:鳥羽商船高等専門学校 一般教育課 准教授 田中秀幸

最近のブログ

カレンダー

<<2025年05月>>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 

カテゴリ

アーカイブ

このページの先頭へ

メニュー