三重県総合文化センター ブログ

社会見学:わくわく劇場体験ツアー「鈴鹿市立栄小学校」

《開催日時》2022年5月11日(水曜日) 10時30分から12時まで
《会場》三重県総合文化センター 中ホール
《団体》鈴鹿市立栄小学校 4年生
《内容》

鈴鹿市立栄小学校のみなさんを社会見学プログラム「わくわく劇場体験ツアー」へご案内しました。はじめに客席で、舞台機構を使ったショーを観てもらった後、ショーの中でどんな仕掛けが使われているのか種明かしをしながら説明しました。その後、子どもたちは舞台上で、動く床に乗ったり、ピンスポットに当たったりしました。後半は2班に分かれ、音響、照明、舞台機構を操作する部屋をそれぞれ見て回り、舞台スタッフから機構の動かし方を教わり、実際に操作体験もしました。みなさん熱心に話を聞き質問をしたりメモを取ったりと積極的に劇場体験に参加していただきました。

客席からショーを鑑賞する様子

白い幕がいろんな色に変化していたのは、幕の裏にこんな仕掛けがあったんだ!

レバーを前に倒すと・・ あ、バトンが上がってく!

参加者の声

(児童)
・オペ室でバトンをレバーで動かしたり、調光室で赤と青を合わせて、紫をつくるのも楽しかったです。
・楽しかったし、どうやっているのとか分かって、皆に話したくなりました。
・音きょうさんや照明さんや舞台さんが、協力しているところがとても楽しそうで、かっこよかったです。

(先生)

・知りたい、見たい、さわってみたいと、好奇心がくすぐられることの連続でした。とても中身の濃い時間が過ごせました。

社会見学について

三重県総合文化センターでは、小学校中学年を対象とした社会見学を実施しております。
未来の利用者である子どもたちに、公共の施設でのマナーやルールの他、普段は入ることのできない施設の裏側や、そこで働く人々のさまざまな「仕事」について楽しく学んでいただけるコースをご用意しています。
詳細は、「社会見学・施設見学」ページをご覧ください。

社会見学:わくわく劇場体験ツアー「四日市市立中央小学校」

《開催日時》2021年12月3日(金曜日) 13時から14時30分まで
《会場》三重県総合文化センター 大ホール
《団体》四日市市立中央小学校 5年生
《内容》

四日市市立中央小学校のみなさんを社会見学プログラム「わくわく劇場体験ツアー」へご案内しました。はじめに客席に座って、舞台機構を使ったショーを観てもらいました。先生が舞台に登場するサプライズ演出も大好評!舞台上では、大ホールにしかないオペラカーテンの裏側に立ち、出演者の気分を感じてもらいました。
 他にも音響、照明、バトンなどを操作する部屋に行き、実際に操作を体験するなど90分間盛りだくさんの内容でしたが、みなさんどの場所でも真剣に話を聞いて積極的に体験をしていただきました。

オペラカーテンが開く様子を見学!こうやって引っ張っていたのか・・!

ピンスポットライトの操作を体験!重たい機械を上手に操って、舞台上を動く人を光で追いかけてみよう!

舞台の下へ続く穴が出来ている!なるほど!さっき先生はここに乗っていたんだね!

参加者の声

(児童)
・ステージのしくみを知ることができてよかったです。イベントがあればまた行きたいなと思いました。
・舞台のうらがわはとってもたいへんってことが分かった。
・ダンスでしょうめいや音きょうさんを見たことがあるけど、細かいことを知れて良かった。今度からはこれだけの人がやってくれてるんだと思いながら、がんばりたいです。
・色いろな人が協力して、いい劇や発表になることがよく分かりました。

(先生)
・どの児童も生き生きと楽しそうに見学させていただきました。”体験”させていただけたこともとてもうれしかったようです。

社会見学について

三重県総合文化センターでは、小学校中学年を対象とした社会見学を実施しております。
未来の利用者である子どもたちに、公共の施設でのマナーやルールの他、普段は入ることのできない施設の裏側や、そこで働く人々のさまざまな「仕事」について楽しく学んでいただけるコースをご用意しています。
詳細は、「社会見学・施設見学」ページをご覧ください。

社会見学:わくわく劇場体験ツアー「津市立八ツ山小学校」

《開催日時》2021年12月2日(木曜日) 13時から14時30分まで
《会場》三重県総合文化センター 中ホール
《団体》津市立八ツ山小学校 3年生
《内容》

津市立八ツ山小学校のみなさんを「わくわく劇場体験ツアー」にご案内しました。
音響や調光を操作する部屋、奈落や楽屋・楽器庫など普段は入ることができない場所を見学してもらいました。回ったり上下したりする舞台の床に載って、その裏側はどんな仕組みになっているのか見に行ったり、他にもホールの仕掛けをたくさん見たりして、たくさん体験していただきました。みなさん驚きながらも、メモを取りつつ、最後までとても熱心にお話を聞いていただきました。

ドラムロールが響く中、ピンスポットライトの光が左右に動いています!選ばれるのは誰かな?

この2つのマイクの違い、分かるかな?

ボタンをグッと押しながらレバーを前に倒すと・・・?
あ!バトンが上に上がっていく!

参加者の声

(児童)
・調光室や音きょう室、シーリング室やオペ室や奈落のきかいをさわったり見たりできて楽しかったしびっくりしました。
・応援団鳥の「かるみー」がいることを初めて知りました。楽器は温度をちゃんと見ないとへんな音が出ることを初めて知りました。
・奈落のきかいが動いているのを見て「こういう仕組みをしてるんだぁ」と思いました。
(先生)
・日常的には見られないところの見学ができ、一部体験させていただけるのは、子ども達にとってとても興味深い内容である。

社会見学について

三重県総合文化センターでは、小学校中学年を対象とした社会見学を実施しております。
未来の利用者である子どもたちに、公共の施設でのマナーやルールの他、普段は入ることのできない施設の裏側や、そこで働く人々のさまざまな「仕事」について楽しく学んでいただけるコースをご用意しています。
詳細は、「社会見学・施設見学」ページをご覧ください。

社会見学:わくわく劇場体験ツアー「津市立栗葉小学校」

《開催日時》2021年11月11日(木曜日) 11時から12時まで
《会場》三重県総合文化センター 中ホール
《団体》津市立栗葉小学校 3年生
《内容》(1)客席でお話、舞台機構ショー鑑賞 (2)舞台上で、照明・舞台機構の体験 (3)バックヤードツアー(調光室、音響室、楽屋、楽器庫)

津市立栗葉小学校3年生のみなさんへ、社会見学プログラム「わくわく劇場体験ツアー」をお届けしました。
2クラス62名ということで、今回は1クラスごとに1時間のプログラムを実施しました。
まずは三重県総合文化センターとそこで働く人々についてのお話を聞いてもらった後、中ホールにある様々な仕掛けを使ったショーを鑑賞。ショーで活躍していた音響、照明、舞台機構についての説明を受けて、いよいよ舞台上に上がって実際に体験です!

栗葉小学校1
とっても熱い照明!やけどしないように気をつけてね。

照明体験では、照明に手をかざして熱さを感じてみたり、アーティストを照らしている「ピンスポットライト」に当たってみたりしながら、舞台を明るく照らすことについて体感してもらいました。

舞台機構体験では、回る床「回り舞台」にみんなで乗ったり、迫(せり)を使って地下へ降りて「奈落」を探検したりと、大迫力の体験にたくさんの驚きの声が聞こえてきました。

栗葉小学校2
迫(せり)に乗って、みんなで奈落へゴー!
栗葉小学校3
奈落体験にドキドキわくわく!?

最後はバックヤードツアー。照明を操作する調光室、音を操作する音響室、楽屋、楽器庫をめぐりました。

三重県総合文化センターの中ホールのこと、詳しくなったかな?
またぜひコンサートやお芝居を観に、そうぶんへ遊びに来てくださいね!

参加者の声

(生徒)
・楽屋に初めて入ってわくわくしました。
・舞台が下がったり、回った所が凄かった。また行きたいです。
・発表会にいつも行っているので、知らないことを知れて、また見学したいと思いました。

(先生)
・普段は見ることのできないバックヤードを見せていただくことができとても嬉しそうであった。

社会見学について

三重県総合文化センターでは、小学校中学年を対象とした社会見学を実施しております。
未来の利用者である子どもたちに、公共の施設でのマナーやルールの他、普段は入ることのできない施設の裏側や、そこで働く人々のさまざまな「仕事」について楽しく学んでいただけるコースをご用意しています。
詳細は、「社会見学・施設見学」ページをご覧ください。

社会見学:わくわく劇場体験ツアー「伊賀市立三訪(みわ)小学校」

《開催日時》2021年11月4日(木曜日) 13時30分から15時まで
《会場》三重県総合文化センター 中ホール
《団体》伊賀市立三訪小学校 5年生

伊賀市立三訪小学校5年生の皆さんを、劇場の普段は入れない部分に入って、劇場でのお仕事や裏側を体験してもらう「わくわく劇場体験ツアー」へご案内しました。
客席でホールのことや音響・照明などについての説明を聞いて、いざ舞台の上へ!

劇場体験ツアー 写真1
照明の熱を間近で体験。熱い!まぶしい!とみんな興味津々。

舞台上では照明器具の熱を感じてもらったり、光に色をどうやってつけるのかなどを見てもらいました。

劇場体験ツアー 写真2
調光室で「フェーダー」を操作し色染め体験!2つの色を組み合わせるとどうなる…?

その次は2階にある音響・照明を操作する部屋に移動し、機械の操作を実際に体験。

劇場体験ツアー 写真3
大迫(おおぜり)に乗って、奈落から舞台上へ登場してみる体験。客席が見えてきた!

楽器庫や楽屋などを見学し、機構を使って舞台に登場する特別体験も!
最後にちょっとした舞台機構ショーを見てもらってツアーは終了です。
どの子も興味津々に舞台スタッフのお仕事を体験してくれていました。 

参加者の声
  • ふだん、体験できないことを体験できて楽しかった。
  • そうぶんのことを知ることが出来て良かった。
  • 舞台の上だけじゃなくて、ホール全体に仕かけがあってびっくりしました。

社会見学について

三重県総合文化センターでは、小学校中学年を対象とした社会見学を実施しております。
未来の利用者である子どもたちに、公共の施設でのマナーやルールの他、普段は入ることのできない施設の裏側や、そこで働く人々のさまざまな「仕事」について楽しく学んでいただけるコースをご用意しています。
詳細は、「社会見学・施設見学」ページをご覧ください。

取材ボランティアレポート「こいのぼりがいっぱい!!」

こいのぼり2021

その準備は気温が一桁に落ちた少し寒い朝のこと。

2年振りに『こいのぼりがいっぱい!!』のイベントが決定し、久し振りに顔を合わせたスタッフとボランティアは開始時間を待ちきれずに準備を始めます。

ギュウギュウと箱詰めされていたこいのぼりたちが外へ出られる日がやっときました。感動が目に沁みる…じゃない!マスク越しでも咳き込むほどの強烈な防虫剤臭!驚いてスタッフを見ると「心配だったので途中で防虫剤の量を増やしました」テへッと笑う。さすがに抜かりがない。

しわしわのこいのぼり

しかし…出てきたこいのぼりたちはシワッシワで元気がなさそう。一方のスタッフとボランティアは生き生きとこいのぼりをワイヤーに繋げていきます。

作業風景

「ここは色が同じだから、変えた方がいいよね。違う色あるかな」
「端の方は壁に引っ掛かるから小さいのがいいんだよね」
勝手知ったる作業を着々とこなし、祝祭広場にこいのぼりの花畑が広がります。軍手代わりの花柄のガーデニング用の手袋がお花畑によく似合う。

こいのぼりはワイヤーの片側に一列に並べないと揚げる途中で絡まり大きな手間となるのですが、今年は風がないので作業は本当に楽。順調に準備が整い、スタッフ考案の『ワイヤー2本連続揚げ作戦』で大量のこいのぼりたちはあっという間に空の上へ!

けれど…。風がなく、だらりとぶら下がるこいのぼりはまるで洗濯物のよう。ずらりと垂れ下ったこいのぼりたちを見て「まぁメザシのようだわ〜」と笑う朗らかな声が合図となったのか、微風に吹かれ一匹また一匹とこいのぼりが泳ぎ出します。一斉でなく気ままに、あっちこっち揃わずに。その緩さが妙で心地よい。

そうだね、この1年はこいのぼりだけじゃなく私たちも外に出てゆっくり空を見ることもなかったよね。自由になったこいのぼりと一緒に気持ちも軽くそうぶんの空に漂っていきます。

こいのぼり2021

ふと気がつくと子どもがこいのぼりの下を両手を広げ飛行機を真似てブーンブーンと走り回っています。強い日差しにこいのぼりの影が地面に映り、それはこいのぼりと一緒に水底を泳ぎ回っている小魚のようにも見えます。見上げると透きとおった青空に気ままに泳ぐ鯉たちの群れ。ふと自分も川底にいるような、そんな錯覚に陥ります。

さて、そうぶんコソコソ話。
150匹のこいのぼりの中に頭に「祝」と書かれたこいのぼりがいます。「祝」こいのぼりを見た人はいいことがあるとかないとか。そうぶんを訪れた際には「こそっと」探してみてください。

(取材ボランティア 鈴木ゆかり)

取材したイベント

春のそうぶんに行こうよ!こいのぼりがいっぱい!!
開催期間:2021年4月23日から5月9日まで

こいのぼりがいっぱい詳細ページへのリンク

取材ボランティアレポート「そうぶんの竹あかり」

竹あかり

年末も近くなり、振り返ると「そうぶん」ではたくさんのイベントが中止となった寂しい年でした。しかし、恒例のイベント「竹あかり」は行われると聞いたので早速作業場を訪れてみました。

今年は密を避けて祝祭広場での開催となります。裏庭の紅葉とのコラボが観られないのは残念ですが、こちらなら場所も広く安心して観ていただけます。なので、恒例のトンネル型ではなくワイヤーを使い立地を効果的に演出した高さを強調するダイナミックなデザインとなっています。

作業風景

目を惹くのがフレンテ2階に林立する4メートルの竹。設置はとても大変だったけれど、実は1本1本にワイヤーを取り付けて張り渡らせるのがもっと大変だったとか。

竹あかり作家・演出家川渕皓平さんが描いたデザインを紙上から起こし立体化させるためにワイヤーの角度と長さを予め計算し作業に入ったそうです。その丁寧な下準備がアイデアを正確に表現できているのです。さらにワイヤーにぶら下がっている円形の枠にも美しい揺れを生むために計算がしてあります。8本の竹で作られている輪は、外側だけを止め、やはり計算された長さと間隔でワイヤーから吊り下げています。どちらも川渕さんとスタッフが現場で調整しながら完成させた労作です。輪の二番目の竹に取り付けたLEDライトが絶妙な配置で竹の外面を反射させ、風が吹くと瞬きながら回転する様は銀河系の集まりのようです。

竹あかり

作業ボランティアの方が「竹をおんなじ長さとおんなじ太さに割ることは本当に大変な作業なんですよ。特にデザインの中心となる大きな球体は生竹だから早く形を作って止めてしまわないとどんどん乾いて割れてしまうんです。

作業風景

しかも川渕さんのこだわりで重なる部分は15センチまでと決めているから、さらに大変なんですよ」と、教えてくれました。

美の細部にこだわる川渕さんの思いと、スタッフの美を実現させたい思いとが重なり造られた竹あかりの美しい景色。川渕さんは最後の最後までひとつひとつの竹の中のライトを調節していました。祝祭広場に拡がる竹あかりを眺め、右から左へと流れていく美しい景色にはそんな汗も流れているのです。

今年の竹あかりは昨年より多くの竹が使われており、幽玄の世界が祝祭広場いっぱいに拡がっています。川渕さんが初めて挑戦された空中を照らし回る竹あかりは、そうぶんでしかみられません。

今年のテーマは『三千世界』。

4メートルの竹先から祝祭広場の裾野に向けてユラユラと揺れ光りながら拡がる竹あかりの須弥山。コロナ禍で狭められた私たちの心の前に現れた竹あかりの三千世界。みつめる人たちのその心を少しだけ広げて温めてくれることでしょう。

(取材ボランティア:鈴木ゆかり)

取材したイベント

そうぶんの竹あかり

開催期間 2020年11月19日(木曜日)から12月6日(日曜日)まで

「そうぶんの竹あかり」詳細ページへのリンク

取材ボランティアレポート「源氏物語に埋め込まれた真意を読む」

講師

会場に入ると、ステージの上には大きなグランドピアノが暗めの照明の下でぴかぴか輝いていた。通路には紫式部という名前の花が飾られ、源氏物語好きの人たちの気分を盛り上げてくれている。受付が始まるとあっという間に席が埋まり、開演を今か今かと待ちわびた。

この日の会場の雰囲気は、「朗読会」というより「演奏会」。
もちろん、私たちが待っていたのは、河原徳子さんというスーパースター。
そう、あの日、会場にいた私たちの目の前に現れたのは、紫式部その人。
河原徳子さんは、見事に紫式部に成り代わって私たちに源氏物語の世界を再現してくれた。

演奏

今回は、「朗読とピアノ」のコラボレーションで、ピアニストの西野愛さんが河原徳子さんの朗読に合わせて演奏。あまりにも朗読にぴったりで感動したのだけど、全曲、この日のために作られたオリジナル曲だということだった。

ああ、そんな貴重な演奏が、たった一日で終わってしまうなんて!これはぜひ、CDにしてほしいし、テレビ番組で「源氏物語特集」として再現してほしいと心から思う。

瀬戸内寂聴訳の源氏物語は、実は全巻買ってある。瀬戸内寂聴さん渾身の力作だから、まよわず全巻注文して買ったのだった。しかし、まだ全然読んでない。ひとたび、ページを開き、源氏の世界に没入してしまうと、俗世に戻ってこれない気がして怖いのだ。だから、ゆっくりお茶でも飲みながら、読書を楽しむ生活ができるようになった時のために、本棚の一番奥にしまってあるのだけれど、河原徳子さんの朗読を聞いたら、我慢できなくなってきた。源氏物語を持って喫茶店に行き、モーニングをいただくっていうのはどうかな。できれば、クラシック音楽がBGMにかかっているお店がよい。和服を着ながら読むとさらに雰囲気が出るかもしれない。

会場の様子

ピアノの伴奏で朗読を聞くという優雅な設定はとてもロマンチックなのだが、紫式部が源氏物語で訴えたかったことはそんなロマンチックなことではなかった。光源氏という一人のモテ男を中心に繰り広げられる恋の物語には違いないが、そこには、主体的に人生を選ぶことのできない女の悲哀がつまっていた。

源氏物語の前半は昼ドラの世界だけど、後半はまさに現代社会に生きる私たち女性が抱える問題そのもの。女性の自立がかなわず、自分の意思で人生を選ぶことのできなかった時代ではなく、がんばれば自分で人生設計ができるようになった今だからこその苦悩があの時代にここまで具体的に書かれていたとは驚きである。紫式部の生きていた時代にできた女性の唯一の自立は「出家」。出家することでしか、女性は男から自由になることができず、心の平安を保つことができなかった。だからこそ、紫の上は死ぬ直前に「出家させてくれ」と光源氏に必死に頼んだ。

そんな世界をステージ上で繰り広げてくれた河原徳子さんに感謝です。

(取材ボランティア:海住さつき)

取材したイベント

源氏物語に埋め込まれた真意を読む

開催日:2019年9月22日
会場:三重県男女共同参画センター「フレンテみえ」多目的ホール
講師:河原徳子さん(朗読文学サークルパティオ主宰、日本文学研究家)

取材ボランティアレポート「漂流民 大黒屋光太夫の地を歩くー光太夫の白子・若松を訪ねてー」

伊勢若松駅

本日の講座は伊勢若松駅から始まります。
大黒屋光太夫―
鈴鹿市白子から出航した船頭が巡り巡ってロシア皇帝エカテリーナ二世と謁見し10年の歳月を経て日本に帰港した、この歴史上の人物のことを三重県民はどのくらいの人が知っているのでしょうか。
名前は知っていても簡易な概要しか知らなかったところ、鈴鹿市学芸員の方の説明は非常にわかりやすく、すんなりと頭に入り、帰国までの長い行程も映画のようにリアルに浮かび上がります。

心海寺
書物『極珍書』の実物

地元の大黒屋光太夫顕彰会のみなさんには、1798年に心海寺の住職が生存者の1人である磯吉から話を聴き留めた書物『極珍書』の実物を見せていただきました。参加者全員がどよめき、「政府の役人がまとめたものなら重要文化財の価値がある代物なのですが、一介の住職がまとめたものなのでこれは何ものでもないんですよー」なんて自虐ネタで笑わせていましたが、年代を感じさせない装丁は代々大切に保管してきた証。郷里の人々の大黒屋光太夫たちへの愛情が窺えます。
 河原徳子先生の講義は井上靖『おろしや国酔夢譚』と吉村昭『大黒屋光太夫』を朗読により比較するもので、巧みな語りがBGMの太鼓の生演奏と相まって、遠州灘の暴風雨、極寒ロシアでの凍傷による脚の切断シーンは息詰まる緊張場面の物語性をより高めて臨場感あふれるすばらしいものでした。
歩く距離もほどよく、頭も使い、郷土の歴史を深く学べ、良いこと尽くしなのですが、さらに歴史講座だからか1人で参加されている方もおり、こちらも気が楽になる講座となりました。

快晴で波穏やかな港

さらに、一足伸ばして町中をぶらり。
せっかく講座を聴いたのだからより大黒屋光太夫たちを知りたく、港までふらりと歩いてみました。快晴の波穏やかな浜。光太夫たちは何の不安もなく江戸まで5日程度の旅をここから出航したのでしょう。
それから日本の地を踏んだのは10年後、さらに郷里の地を踏んだのは20年後。1986年に発見された『大黒屋光太夫らの帰郷の文書』には存命であった母親と逢い、伊勢へお礼参りに行ったことが記述されているそうです。これは幕府から軟禁され罪人のように扱われ寂しい晩年であったとする説を覆す新しい発見であるとともに明るい歴史を光太夫に与えたものでした。
しかし、若松東墓地には消息を絶って2年後の三回忌に荷主が建立した光太夫たち「神昌丸」乗組員の供養塔があります。帰省した光太夫は自分の法名と亡くなった乗組員の名前を見て何を思ったのでしょうか。出航時17歳だった1番若い磯吉はさておいても、船頭の自分だけが生き延びて帰国した現実。さらに英雄であるかのように扱われ請われるままにロシア語を書いてみせる日々。光太夫の真の心境は明確にはされていないのですが、影は確かに光太夫の中に存在したのだろうと想像を巡らせてしまいます。
記念館のロシア語の展示物は影なのか、光なのか。

大黒屋光太夫は単なる歴史上だけの人物ではなく、現代の社会人と同じく管理者としての責務や困難を生き抜く力を教えてくれる良き先人であるのだと強く実感し、伊勢若松駅へと向かいました。

 (取材ボランティア 鈴木ゆかり)

取材したイベント

漂流民 大黒屋光太夫の地を歩くー光太夫の白子・若松を訪ねてー

開催日 2019年5月8日(水曜日)
場所  大黒屋光太夫記念館、若松公民館(鈴鹿市若松)とその周辺

取材ボランティアレポート「ワンコインコンサートvol.97 ピアノ ジャン・チャクムル」

ジャン・チャクムル

新年度初のワンコインコンサート。
本日のコンサートは第10回浜松国際ピアノコンクールの優勝者ジャン・チャクムルさんです。昨年の同コンクールは直木賞『蜂蜜と遠雷』の影響もあってか1次予選から大変賑わったとか。

と、言うことで本日も大盛況。開場30分前なのに長蛇の列。振り返っても最後尾が見えません!

本日のプログラムは本人の強い希望により決まったそう。当コンサートは浜松国際ピアノコンクール優勝者の凱旋ツアー。そして光栄にも本日はツアーの初日!

 

そんなジャン・チャクムルさんの様子はと言うと・・ふわふわとした長髪を掻き上げ、1曲1曲を丁寧に、愛着を持って弾いてる姿はとても好感が持てます。それはまるで放課後に男子学生が音楽室で弾いているような。女子人気がUPしそうな予感。

そして観客のみなさんは・・気持ちよさそうに寝ておられます。
前説で「クラシックあるあるなので寝てもいいですよ〜」と言われていたのですが、おそらくは不可抗力でしょう。それも仕方ありません。ピアノは本人持ち込みの「Kawai SK-EX」。チャクムルさんが自分の演奏に最も適しているとコンクールで選んだピアノなのです。低音は柔らかく、でも重厚に、高音は優しくそして軽やかに。音楽が優しく優しく耳から入り込み穏やかで温かい音色となって身体中を満たしていきます・・。

軽やかな指さばきで、まるで連弾しているかのような重音がホールに響いていきます。
反面、チャクムルさんは休憩も取らずに引き続け、その集中力と表現力には感嘆させられました。

 

注目は、最後に演奏した自国トルコのピアニスト作曲の曲。トルコの伝統楽器『サズ』を弾いているようだと聞いていたのですが、演奏姿を観るのは初めてです。
不意に演奏中に立ち上がり、左手をピアノの中に突っ込んでワイヤー(と思われる)をはじき出したチャクムルさん。同時に右手で鍵盤を叩きます。その奇妙な姿に観客は度肝を抜かれ息をのみ、声にならない驚きがホールを走り抜けます。それまでの心地よい音色とは一転し、演奏姿は音色に身を任せトランスしながら弾いている弦楽器奏者のよう。確かに自分を魅せる曲目を上手く選んだものだと感心させられました。


アンコールは、シューベルト(リスト編曲)「美しき水車小屋の娘」。静かで暗く悲しい歌曲をなぜアンコール曲に選んだのでしょうか。
なるほど、内向的な片恋の旋律もリストの複雑な運指によって華やかに立体化され、若い男の恋慕の苦しい内情がリアルに響いてきます。そういえば若い恋とはこういった一途で激しいものであったものであったな・・と、突如として感慨深く思い起こされ。ピアノを一心に弾いている若いチャクムルさんと水車小屋の若い男とが重なって見えて短い物語の中に引きずり込まれたかのような錯覚が起こってきます。またいい曲を選んだなーーと、感心しきり。


演奏後、満場の拍手に身体をちょっと傾けて「テヘッ」とはにかんで笑った青年は、昨日とは大きく違う世界へ一歩を踏み出しました。この凱旋ツアーが終わる頃にはもうはにかんだ「テヘッ」は観られないんだな・・と、少し寂しくもあり。でも、名のある交響楽団を後ろに堂々とそして深々とお辞儀をするチャクムルさんの姿がふと目に浮かんできて「またどこかで観てみたいな」なんて、訪れた観客も夢をみることができた、幸せなワンコインコンサートでした。

 (取材ボランティア 鈴木ゆかり)

取材したイベント

ワンコインコンサートvol.97 ピアノ ジャン・チャクムル

開催日 2019年4月16日(火曜日)
場所  三重県文化会館大ホール

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