取材ボランティアレポート「久居藩の城下をたずねて〜久居350年の歴史を歩く〜」
久居藩初代藩主であった藤堂高通公がこの地を「久居」と名付けたのに始まり、入府してから昨年で350年となりました。この節目に私たちは、久居城下案内人の会の皆さんと、全国初の外国人神主である久居八幡宮禰宜の山中フローリアンさんの解説を聞きながら、実際に久居の町を歩いてみました。
近鉄久居駅東口すぐの「上野英三郎博士とハチ公像」よりスタートし、玉せん寺、妙華寺、大手門跡、子午の鐘、久居八幡宮等を見学し、この地に今まで受け継がれてきた文化を肌で感じることができました。

玉せん寺の本堂には久居藩初代藩主高通公の像と二代藩主高堅公の木像が納められており、境内には藤堂家の墓所もある為、この地を統べた藤堂家の歴史に思いを馳せることができました。妙華寺は屋根が錣(しころ:兜の首の後ろ側にさげて首筋を覆う部分のことを言い、後ろから斬られないようにするもの)のような形になっている等、特色のある外観をもち、国の有形文化財として登録されています。どちらも見れば見るほど、新しい発見がある場所でした。
現在の久居郵便局があるあたりに、明治時代まで大手門という大きな門があったそうです。殿様が参勤交代等で出るときには家臣らがこの大手門まで見送り、戻るときにも大手門で迎えたようです。この大きな門は、当時の武家と町人とを区別するしるしにもなっていたのだろうと思いました。
「日本は文化が途絶えておらず、ひとつひとつに意味があることがすごい」と、山中フローリアンさんが仰っていました。今回実際に久居の町を歩いてみて、本当にその言葉の通りだと思いました。
「久居」は、高通公がこの風土を愛し、「永久に鎮座する(永久に居る)」という意味で名付けたと言われています。今を生きる私たちも、この地に永く住み続けることができるよう、更にこの町について知っていきたいと、そんなふうに思った一日でした。
(取材ボランティア:小此内寧々)
取材したイベント
講座ボランティア企画 郷土を歩こう!
久居藩の城下をたずねて〜久居350年の歴史を歩く〜
2022年5月18日(水曜日)