三重県総合文化センター ブログ

取材ボランティアレポート「自然と再エネが共生するまち 度会町」その2

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伊勢志摩地域である度会町。

人口は8000人程で、宅地面積はわずか1%、森林面積は85%と、まさしく自然と共存しているまちである。

清流 宮川では、ボードの上に立って漕ぐSUP(スタンドアップパドル)というアクティビティがある。また、子どもたちの教育の一環として田植え体験、度会ウインドファームでは30,000世帯の電力を発電する事業など、豊かな自然を活かした取り組みを行っている。デジタル社会の今、リアル体験ができることはとても貴重だと感じた。

また、度会町は伊勢茶も有名である。様々な種類の茶葉や品種があり、それらをPRするために、カフェだけでなく創作料理やBAR、イタリアンレストランなど30店舗ほどとコラボレーションを果たした。さらには首都圏でコラボメニューの販売も行った。お茶の妖精のキャラクター「ティーナ」も度会町のお茶を盛り上げている。度会町の自然で育ったお茶がもっと有名になれば、今よりも度会町のお茶を様々な場所で味わえるようになるだろう。

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そして、伊勢茶を盛り上げているのはティーナだけではない。

皇學館大学の学生とコラボした「度会カフェリョクプロジェクト」である。2016年から発足し、今年で7年目となる皇學館大学の学生による活動である。

伊勢茶や日本茶の普及、地域活性化を目的とし、料理が主ではなく、お茶をメインに考えた料理についてのアイディアシェアリング、伊勢茶PRポスターの制作や動画撮影、伊勢茶を使ったパン作り、「宇治山田の和紅茶」の開発・販売など様々な活動を行っている。ゼロから何かを生み出すという普段なかなか出来ない活動ができるというのは、度会町を盛り上げるだけでなく、自分自身の成長にも繋がるため、鍛えられた経験を他のことにも活かせる。そうすれば、様々な取り組みをもっとしたいと思うようになり、どんどんその輪は広がっていくと感じた。

取材メモダウンロードファイルリンク(PDF形式、558キロバイト)

(取材ボランティア:m.)

取材したイベント

三重県生涯学習センター×皇學館大学×度会町 連携協定事業講座「自然と再エネが共生するまち度会町」
2022年6月4日(土曜日)

取材ボランティアレポート「自然と再エネが共生するまち度会町」

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度会町役場職員、みらい安心課の倉田晃旗(こうき)さんと、皇學館大学現代日本社会学部現代日本社会学科准教授の藤井恭子さんを講師としてお迎えし、度会町の自然や文化、特に、日本茶・伊勢茶の魅力について、お話を伺いました。

度会町は人口約8000人の小さな町で、森林が土地の85%を占め、清流宮川が町の中心を流れる自然豊かな土地です。度会町には、この豊かな自然を活かしたアクティビティが多くあります。町を囲む標高約200700mの比較的小さな山々は「わたらいセブンマウンテン」と名付けられ、初心者から本格派まで、多くの人が山登りを楽しむことができます。

ハイキングの他にも、清流宮川を安定性の高いボードに立ったまま進む「SUP(スタンドアップパドル)」というスポーツも体験することができます。SUPは、まるで水の上を歩いているような感覚になることから、「水上散歩」とも言われています。

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そのような自然豊かな度会町の特産品の一つがお茶です。三重県のお茶の生産量は全国3位を誇り、度会町でも多く栽培されています。

度会町や伊勢茶の魅力を発信すべく、皇學館大学の現代日本社会学部では、学生主体の「度会カフェリョクプロジェクト」という活動を2016年より開始しました。

このプロジェクトでは、学生たちが積極的に学外に出ていき、実際に伊勢茶の生産工程を見学することから始め、伊勢茶に合う料理のアイデアを出し合ったり、伊勢茶を使用したパン作りをしたりと様々なことに挑戦しました。そして、学生たちがすでに企画販売している「宇治山田の和紅茶」のパッケージの刷新や新たな種類の茶葉の追加をし、現在もそのPR活動、販売を積極的に行っています。このような活動を通して、より良いまちづくりや、地域の産業の担い手不足解消を目指しています。今後も、近年関心が高まっている「SDGs(持続可能な開発目標)」を踏まえながら、自然を活かし地域に根差す活動を続けていく予定です。

皆様もこの夏は、度会町でハイキングをしたり、清流宮川でSUPを体験したり、皇學館大学の学生がプロデュースした「宇治山田の和紅茶」を味わったりして、三重の魅力を満喫してみてはいかがでしょうか。

(取材ボランティア:小此内寧々

取材したイベント

三重県生涯学習センター×皇學館大学×度会町 連携協定事業講座「自然と再エネが共生するまち度会町」
2022年6月4日(土曜日)

取材ボランティアレポート「久居藩の城下をたずねて〜久居350年の歴史を歩く〜」

上野英三郎博士とハチ公像
上野英三郎博士とハチ公像

久居藩初代藩主であった藤堂高通公がこの地を「久居」と名付けたのに始まり、入府してから昨年で350年となりました。この節目に私たちは、久居城下案内人の会の皆さんと、全国初の外国人神主である久居八幡宮禰宜の山中フローリアンさんの解説を聞きながら、実際に久居の町を歩いてみました。

近鉄久居駅東口すぐの「上野英三郎博士とハチ公像」よりスタートし、玉せん寺、妙華寺、大手門跡、子午の鐘、久居八幡宮等を見学し、この地に今まで受け継がれてきた文化を肌で感じることができました。

しころ屋根
妙華寺本堂のしころ屋根(国登録有形文化財)

玉せん寺の本堂には久居藩初代藩主高通公の像と二代藩主高堅公の木像が納められており、境内には藤堂家の墓所もある為、この地を統べた藤堂家の歴史に思いを馳せることができました。妙華寺は屋根が錣(しころ:兜の首の後ろ側にさげて首筋を覆う部分のことを言い、後ろから斬られないようにするもの)のような形になっている等、特色のある外観をもち、国の有形文化財として登録されています。どちらも見れば見るほど、新しい発見がある場所でした。

大手門跡
大手門跡 久居郵便局

現在の久居郵便局があるあたりに、明治時代まで大手門という大きな門があったそうです。殿様が参勤交代等で出るときには家臣らがこの大手門まで見送り、戻るときにも大手門で迎えたようです。この大きな門は、当時の武家と町人とを区別するしるしにもなっていたのだろうと思いました。

講演の様子
久居八幡宮禰宜 山中フローリアンさん

「日本は文化が途絶えておらず、ひとつひとつに意味があることがすごい」と、山中フローリアンさんが仰っていました。今回実際に久居の町を歩いてみて、本当にその言葉の通りだと思いました。

「久居」は、高通公がこの風土を愛し、「永久に鎮座する(永久に居る)」という意味で名付けたと言われています。今を生きる私たちも、この地に永く住み続けることができるよう、更にこの町について知っていきたいと、そんなふうに思った一日でした。

(取材ボランティア:小此内寧々)

取材したイベント

講座ボランティア企画 郷土を歩こう!
久居藩の城下をたずねて〜久居350年の歴史を歩く〜
2022年5月18日(水曜日)

取材ボランティアレポート「そうぶんの竹あかり」

撮影:新井良規

立冬が過ぎて日の入りが急に早まった11月11日。
今年5年目となる「そうぶんの竹あかり」が祝祭広場で開催となりました。
今年の竹あかりのテーマは『世界はただ輝いて』。


そして今回は、11月12日から始まる「女性に対する暴力をなくす運動」のイベントであるパープル・ライトアップとコラボレーションした紫にペイントされたリボン型の竹(竹ひご)と紫のライトも点灯されて、いつもと違った雰囲気の竹あかりも見ることができます。

パープルライトアップ 撮影:新井良規
撮影:新井良規

この日のオープニングセレモニーでは、一昨年前から竹あかり会場で流れていた倍音楽演奏家の「倍音人(バイオンビト)Road」さんの生演奏が行われました。

音は音程を決める基音と音色を決める倍音で構成されています。倍音は単一ではなく整数倍の周波数が幾重にも重なった音で、倍音がどう共鳴するかによって音色は決定されます。

演奏に使われる楽器はガンクドラムとハンドパン。ガンクドラムは日本の楽器で四日市で製作されており、ハンドパンはスイス発祥の楽器です。両種はよく似た円盤型の金属製打楽器でスピリチュアル音楽として耳馴染みのある癒やしの音色を発します。

倍音人Roadさんの演奏

落日とともに明るさを増す竹あかりを前に入念なリハーサルを終えたRoadさんが、一畳分もない小さな低いステージに胡坐を組み、楽器を抱え込みました。

イメージを確認するかのように竹あかりを仰ぎ見てから、弾くように軽く指先で楽器を叩くと、ボワンと膨らんだ空気のような高音が波打つような感覚で流れ出します。

撮影:新井良規

その音を辿って耳を傾け、叩く・押さえる・擦る独特の奏法。それは次第に早くなり素早く動く両手からは長く美しい響きと響きのない短い音が幾重にも重なって波紋のように遠くへ拡がっていきます。
音の綾は無邪気な子どもたちの笑い声と出会うと現実を包み込み、すべての音が遠くから聞こえてくるような幻想的な空間へと変わりました。広場の聴衆をすべて包み込んだ音の綾は夕闇の片隅で秘やかに耳をかたむけていたそうぶんの警備員を包み込んで、最後に暗闇に解けて20分間の短い演奏は終わりました。

わずかな静寂中「今日はよう寝られそうや」と誰がが呟いた声にハッと引き潮のように現実が戻った目の前には、始まりと同じように竹あかりがただ輝いているだけでした。

(取材ボランティア:鈴木ゆかり)

取材したイベント

そうぶんの竹あかり「世界はただ輝いて」
2021年11月11日(木曜日)から11月28日(日曜日)まで

取材ボランティアレポート「ワンコインコンサート ミュージカル菜那くらら&花陽みく」

ワンコインコンサート

待ち望んでいた宝塚OGによるワンコインコンサート『ミュージカル菜那くらら&花陽みく』が一年越しでやっと開催されます。花組と月組でエトワールを務めた2人の歌声を大ホールで聴くことができるなんてなんと嬉しいことでしょう。

こちらは毎年恒例の国際共同組合デー記念コンサートです。開演前に梶館長から県内4つの共同組合の紹介と公演の見所としてエレクトーン奏者の宮崎誠さんの伴奏も愉しみにとの話しがありました。ワンコインコンサートのソロ出演歴もある宮崎誠さんは伴奏も併せると県文化会館への出演が4回もあるそうで、意外な縁に開幕前から客席と舞台の距離が縮んだような気がします。

気持ちも和み暗転した客席に突如として宝塚の代名詞とも言える『ベルサイユのばら』のプロローグが重々しく流れます。耳に入る多彩な楽器の音色はオーケストラの伴奏かと錯覚するほどで、事前に話しを聞いていなければとてもエレクトーン1台の演奏とは思えません。

そして舞台中央に2人の姿が。
退団してから3年以上経っているのにまったく変わらない姿に胸が熱くなります。

『ベルサイユのばら』と言えば男装の麗人オスカルが有名ですが主役はマリーアントワネット。マリーアントワネットの幼少期から斬首刑までを書いた同作の歌い出しは故郷を思う切ない歌詞の『青きドナウの岸辺』から。高く澄んだ歌声が客席を瞬時に魅了していきます。
続いて宝塚では珍しく1年間のロングラン公演となった伝説の海外ミュージカル『ME&MYGIRL』をメドレーで。ロンドンの下町ランベスで生まれた女の子が両親に「世の中に出て悔しいことが起きたら顎で受け流しなさい」と言われた言葉を健気に守り、笑って明るく歌う『顎で受けとめなさい』など、短い歌のひとつひとつに気持ちを込めて歌う姿は観ている者を物語の世界へと導いてくれます。そして同公演一幕の最後に歌われる軽快な『ランベスウォーク』では自然と手拍子が入り徐々に会場の空気が温まっていきます。
宝塚の代表曲を歌い終わった後は2人が選曲したソロを順番ずつ歌い継ぎます。宝塚公演パパラギより『心はいつも』、ミュージカルモーツアルト!より『ダンスはやめられない』、ミュージカルロミオ&ジュリエットより『あの子はあなたを愛している』、現在再演中のミュージカルレ・ミゼラブルより『夢やぶれて』…。

ソロが終了し中盤が過ぎると緊張が溶けたのか2人とも少しホッとした様子で、こんな大きなホールでソロを歌うことができて幸せだと嬉しそうに話していました。歌劇団にいたのに不思議な話しだと思いますが、宝塚ではメロディラインは男役が歌うもので、娘役はハーモニーがほとんど。ソロを歌うことは少なくてそのような感慨が口に出たのかもしれません。一昨年行われた宝塚OGのワンコインコンサートでは男役と娘役のコンビでしたから娘役の美しい歌声を堪能できる今回のコンサートは貴重なのです。

そんな2人が最後に選んだ曲はNHK朝ドラの主題歌『おひさま〜大切なあなたへ〜』。MCでは無観客公演のことにも触れられ観客の前でパフォーマンスをすることの意義を噛みしめて話され客席に観客がいることの重要さを語っていました。そんなコロナ禍での公演の困難さが歌詞と繋がります。

あなたは私の奇跡
あなたは私の希望

この暮らしが続くのなら
なにもいりはしない
(『おひさま〜大切なあなたへ〜』作詞:岡田恵和)

2人の心地よい透明な歌声は自粛生活に疲れた心に涼やかに染み入ります。お別れはプログラムには載っていないけれどもOG公演でお馴染みの『すみれの花咲く頃』を。宝塚を知らない人でも口ずさめる有名な歌は実は娘役のソロから始まります。

春 すみれ咲き春を告げる
春 なにゆえ人は汝を待つ
『すみれの花咲く頃』作詞:Fritz Rotter・白井鐵造)

優しい歌詞とソプラノの歌い出は聞く人を常に感動させます。引き続いて『この愛よ永遠に〜Forever TAKARAZUKA〜』が。大地真央の公演主題歌だったこの歌は歌詞を変えて宝塚を代表する歌となりました。コロナ禍で公演が中止となる度にどれだけこの歌詞に励まされてきたでしょう。そしてそれを周知の宝塚ファンが応援するように湧き上がる手拍子。まるで大劇場公演を観ているようです。

終演後のロビーには「宝塚を観るのは本当に久しぶり」、「また大劇場に観に行きたいね」など喜びの囁き声が響きます。

清楚で愛らしい容貌の菜那さん、多彩な表情で魅せる花陽さん。退団してもなお宝塚を感じさせることのできる2人の娘役力はなんと素晴らしいことでしょう。今となっては何ごともなく日常生活をおくるれることが本当に奇跡。大きな声で笑い、話し、エンターテイメントを堪能できる日が戻って欲しいと心より願いました。

(取材ボランティア:鈴木ゆかり)

取材したイベント

ワンコインコンサート ミュージカル菜那くらら&花陽みく
2021年7月16日(金曜日)11時30分開演

取材ボランティアレポート「こいのぼりがいっぱい!!」

こいのぼり2021

その準備は気温が一桁に落ちた少し寒い朝のこと。

2年振りに『こいのぼりがいっぱい!!』のイベントが決定し、久し振りに顔を合わせたスタッフとボランティアは開始時間を待ちきれずに準備を始めます。

ギュウギュウと箱詰めされていたこいのぼりたちが外へ出られる日がやっときました。感動が目に沁みる…じゃない!マスク越しでも咳き込むほどの強烈な防虫剤臭!驚いてスタッフを見ると「心配だったので途中で防虫剤の量を増やしました」テへッと笑う。さすがに抜かりがない。

しわしわのこいのぼり

しかし…出てきたこいのぼりたちはシワッシワで元気がなさそう。一方のスタッフとボランティアは生き生きとこいのぼりをワイヤーに繋げていきます。

作業風景

「ここは色が同じだから、変えた方がいいよね。違う色あるかな」
「端の方は壁に引っ掛かるから小さいのがいいんだよね」
勝手知ったる作業を着々とこなし、祝祭広場にこいのぼりの花畑が広がります。軍手代わりの花柄のガーデニング用の手袋がお花畑によく似合う。

こいのぼりはワイヤーの片側に一列に並べないと揚げる途中で絡まり大きな手間となるのですが、今年は風がないので作業は本当に楽。順調に準備が整い、スタッフ考案の『ワイヤー2本連続揚げ作戦』で大量のこいのぼりたちはあっという間に空の上へ!

けれど…。風がなく、だらりとぶら下がるこいのぼりはまるで洗濯物のよう。ずらりと垂れ下ったこいのぼりたちを見て「まぁメザシのようだわ〜」と笑う朗らかな声が合図となったのか、微風に吹かれ一匹また一匹とこいのぼりが泳ぎ出します。一斉でなく気ままに、あっちこっち揃わずに。その緩さが妙で心地よい。

そうだね、この1年はこいのぼりだけじゃなく私たちも外に出てゆっくり空を見ることもなかったよね。自由になったこいのぼりと一緒に気持ちも軽くそうぶんの空に漂っていきます。

こいのぼり2021

ふと気がつくと子どもがこいのぼりの下を両手を広げ飛行機を真似てブーンブーンと走り回っています。強い日差しにこいのぼりの影が地面に映り、それはこいのぼりと一緒に水底を泳ぎ回っている小魚のようにも見えます。見上げると透きとおった青空に気ままに泳ぐ鯉たちの群れ。ふと自分も川底にいるような、そんな錯覚に陥ります。

さて、そうぶんコソコソ話。
150匹のこいのぼりの中に頭に「祝」と書かれたこいのぼりがいます。「祝」こいのぼりを見た人はいいことがあるとかないとか。そうぶんを訪れた際には「こそっと」探してみてください。

(取材ボランティア 鈴木ゆかり)

取材したイベント

春のそうぶんに行こうよ!こいのぼりがいっぱい!!
開催期間:2021年4月23日から5月9日まで

こいのぼりがいっぱい詳細ページへのリンク

取材ボランティアレポート「そうぶんの竹あかり」

竹あかり

年末も近くなり、振り返ると「そうぶん」ではたくさんのイベントが中止となった寂しい年でした。しかし、恒例のイベント「竹あかり」は行われると聞いたので早速作業場を訪れてみました。

今年は密を避けて祝祭広場での開催となります。裏庭の紅葉とのコラボが観られないのは残念ですが、こちらなら場所も広く安心して観ていただけます。なので、恒例のトンネル型ではなくワイヤーを使い立地を効果的に演出した高さを強調するダイナミックなデザインとなっています。

作業風景

目を惹くのがフレンテ2階に林立する4メートルの竹。設置はとても大変だったけれど、実は1本1本にワイヤーを取り付けて張り渡らせるのがもっと大変だったとか。

竹あかり作家・演出家川渕皓平さんが描いたデザインを紙上から起こし立体化させるためにワイヤーの角度と長さを予め計算し作業に入ったそうです。その丁寧な下準備がアイデアを正確に表現できているのです。さらにワイヤーにぶら下がっている円形の枠にも美しい揺れを生むために計算がしてあります。8本の竹で作られている輪は、外側だけを止め、やはり計算された長さと間隔でワイヤーから吊り下げています。どちらも川渕さんとスタッフが現場で調整しながら完成させた労作です。輪の二番目の竹に取り付けたLEDライトが絶妙な配置で竹の外面を反射させ、風が吹くと瞬きながら回転する様は銀河系の集まりのようです。

竹あかり

作業ボランティアの方が「竹をおんなじ長さとおんなじ太さに割ることは本当に大変な作業なんですよ。特にデザインの中心となる大きな球体は生竹だから早く形を作って止めてしまわないとどんどん乾いて割れてしまうんです。

作業風景

しかも川渕さんのこだわりで重なる部分は15センチまでと決めているから、さらに大変なんですよ」と、教えてくれました。

美の細部にこだわる川渕さんの思いと、スタッフの美を実現させたい思いとが重なり造られた竹あかりの美しい景色。川渕さんは最後の最後までひとつひとつの竹の中のライトを調節していました。祝祭広場に拡がる竹あかりを眺め、右から左へと流れていく美しい景色にはそんな汗も流れているのです。

今年の竹あかりは昨年より多くの竹が使われており、幽玄の世界が祝祭広場いっぱいに拡がっています。川渕さんが初めて挑戦された空中を照らし回る竹あかりは、そうぶんでしかみられません。

今年のテーマは『三千世界』。

4メートルの竹先から祝祭広場の裾野に向けてユラユラと揺れ光りながら拡がる竹あかりの須弥山。コロナ禍で狭められた私たちの心の前に現れた竹あかりの三千世界。みつめる人たちのその心を少しだけ広げて温めてくれることでしょう。

(取材ボランティア:鈴木ゆかり)

取材したイベント

そうぶんの竹あかり

開催期間 2020年11月19日(木曜日)から12月6日(日曜日)まで

「そうぶんの竹あかり」詳細ページへのリンク

取材ボランティアレポート「不思議な確率の世界」(みえアカデミックセミナー2020)

講座の様子

毎年、夏になると、書類でパンパンに膨らんだファイルを小脇にかかえた大人たちでごったがえす受付の風景が、今年はすっかり様変わり。ソーシャルディスタンスを保つため、定員を減らして始まった「みえアカデミックセミナー2020」も、残すところ二日となった8月25日。颯爽と登壇した先生は、数学の先生。

えーっ?数学?もう何十年もやってないような・・・大丈夫かな・・・?

「確率論が専門です」と自己紹介して始まった講義は、まず、簡単な計算から。
「みなさん、さいころを振って1の目が出る確率を計算してみましょう」

うん、それは簡単だ。さいころの目は1〜6まで6個だから、1/6でしょ?
あれ?でも割り切れないよね?小数点で表すと、0.1666666666・・・・・?

「では、次の問題です。コインを投げて、表が出たら100円手に入れることができ、裏が出たら100円失うというゲームで、手に入るお金の平均値は?」

むむむ・・・ちょっと難しいぞ。先生が何やら計算式をホワイトボードに書き始めた。

 

講座の様子

表が出る確率は0.5。裏が出る確率も0.5。
だから、平均値は、
100円×0.5+(-100円)×0.5=50円-50円=0円

なるほど!つまり、当たるも八卦当たらぬも八卦。五分五分ってことね!

だけど、実際、この賭けをやっている時の人間の心理を考えてみると、

ずーーーーっと負けが続くと、「もう、そろそろ運が向いてくるんじゃないか?そろそろ、敗けを脱出して勝ちに転じるんじゃないか?」などという期待がわいてきて、ゲームをやめる踏ん切りがつかない。

そういう現象も、「ランダムウォーク」という、自然科学、ギャンブル、投資などさまざまな確率現象をシンプルに分析する手法で説明がつくそうだ。

わたしたちの身の回りで、ゲームや賭けだけでなく、保険料をどうやって決める?という時にも、確率論が使われている。

 コインの表か裏か?みたいな決断を迫られた時、私たちは直感に頼るわけだけど、直感と確率は案外ずれていることが多い。コインを投げる回数が少なければ、確率からずれた結果になることもあるけれど、「大数の法則」といって、コインを投げる回数をどんどん増やしていくと、結果がかぎりなく確率に近づくんだそうだ。だから、大量に契約を結ぶ保険で、保険会社が損をしないという。

 「21世紀は確率の時代です。これから勉強をしようという若い人たちには、ぜひ、確率論を勉強するようにすすめてください!」
先生はそう力強く言って講義を終わった。

これからはAI=人工知能の時代。そこでものを言うのが、「確率論」。

あなたも、21世紀の未来にむかって、確率論を勉強してみませんか?

(取材ボランティア:海住さつき)

取材した催し

みえアカデミックセミナー2020「不思議な確率の世界」

日時:2020年8月25日(火曜日)13時30分
講師:鳥羽商船高等専門学校 一般教育課 准教授 田中秀幸

取材ボランティアレポート「源氏物語に埋め込まれた真意を読む」

講師

会場に入ると、ステージの上には大きなグランドピアノが暗めの照明の下でぴかぴか輝いていた。通路には紫式部という名前の花が飾られ、源氏物語好きの人たちの気分を盛り上げてくれている。受付が始まるとあっという間に席が埋まり、開演を今か今かと待ちわびた。

この日の会場の雰囲気は、「朗読会」というより「演奏会」。
もちろん、私たちが待っていたのは、河原徳子さんというスーパースター。
そう、あの日、会場にいた私たちの目の前に現れたのは、紫式部その人。
河原徳子さんは、見事に紫式部に成り代わって私たちに源氏物語の世界を再現してくれた。

演奏

今回は、「朗読とピアノ」のコラボレーションで、ピアニストの西野愛さんが河原徳子さんの朗読に合わせて演奏。あまりにも朗読にぴったりで感動したのだけど、全曲、この日のために作られたオリジナル曲だということだった。

ああ、そんな貴重な演奏が、たった一日で終わってしまうなんて!これはぜひ、CDにしてほしいし、テレビ番組で「源氏物語特集」として再現してほしいと心から思う。

瀬戸内寂聴訳の源氏物語は、実は全巻買ってある。瀬戸内寂聴さん渾身の力作だから、まよわず全巻注文して買ったのだった。しかし、まだ全然読んでない。ひとたび、ページを開き、源氏の世界に没入してしまうと、俗世に戻ってこれない気がして怖いのだ。だから、ゆっくりお茶でも飲みながら、読書を楽しむ生活ができるようになった時のために、本棚の一番奥にしまってあるのだけれど、河原徳子さんの朗読を聞いたら、我慢できなくなってきた。源氏物語を持って喫茶店に行き、モーニングをいただくっていうのはどうかな。できれば、クラシック音楽がBGMにかかっているお店がよい。和服を着ながら読むとさらに雰囲気が出るかもしれない。

会場の様子

ピアノの伴奏で朗読を聞くという優雅な設定はとてもロマンチックなのだが、紫式部が源氏物語で訴えたかったことはそんなロマンチックなことではなかった。光源氏という一人のモテ男を中心に繰り広げられる恋の物語には違いないが、そこには、主体的に人生を選ぶことのできない女の悲哀がつまっていた。

源氏物語の前半は昼ドラの世界だけど、後半はまさに現代社会に生きる私たち女性が抱える問題そのもの。女性の自立がかなわず、自分の意思で人生を選ぶことのできなかった時代ではなく、がんばれば自分で人生設計ができるようになった今だからこその苦悩があの時代にここまで具体的に書かれていたとは驚きである。紫式部の生きていた時代にできた女性の唯一の自立は「出家」。出家することでしか、女性は男から自由になることができず、心の平安を保つことができなかった。だからこそ、紫の上は死ぬ直前に「出家させてくれ」と光源氏に必死に頼んだ。

そんな世界をステージ上で繰り広げてくれた河原徳子さんに感謝です。

(取材ボランティア:海住さつき)

取材したイベント

源氏物語に埋め込まれた真意を読む

開催日:2019年9月22日
会場:三重県男女共同参画センター「フレンテみえ」多目的ホール
講師:河原徳子さん(朗読文学サークルパティオ主宰、日本文学研究家)

取材ボランティアレポート「M祭!2019」

エムコレ

台風の心配もありましたが予定どおり『M祭!』を開催すると言うことで行って来ました。
『M祭!』はご存じのとおり三重県立総合博物館、図書館、文化会館、生涯学習センター、男女共同参画センターが一体となって行う子どもたちの好奇心を刺激し、楽しく学んで体験できる県内最大級のイベント、子どものためのお祭りです。

開始30分前、スタッフは準備に大忙し。
「おはようございます。台風、逸れてよかったですね」
「でも暑さが心配なんですよ」
連日の猛暑に運営スタッフは気が抜けません。何が起こるかわからないのが子どもの世界。さて、どんな一日が始まるのでしょうか。
開始時間10時、大人たちの心配をよそに我先にと子ども達は駆けてお目当てのイベントに滑り込みます。

「やったー、一番!」
「元気いいね、このイベントが最初なの?」
「お茶を飲んで2つめ」
「お茶?」
後ろからゆっくりと歩いてくるお母さんたちが恥ずかしそうに、
「抹茶を飲んでました・・」

「冷たいお抹茶を飲んでみよう」は、大人も子どもも参加できるイベント。なるほど、親の愉しみも入っていて両得です。そうしている間にも、幼児から小学生、外国に由来のある子どもたちまで、どんどんと子どもの列は伸びていきます。朝一番からこんなにもたくさんの子どもたちが集まって来るなんてM祭の浸透率に驚かされます。
そんな子どもたちの興味をひこうとイベントスタッフは一生懸命。

「これ作って行かない、楽しいよ!」

2つの絵をくるくる回すとパラパラマンガになる「ぶんぶんゴマ」に子どもたちは興味津々。
うれしそうに大きく頷いて駆け出す子、恥ずかしそうに小さく頷いて親と一緒に歩いて行く子、子どもたちの表情は多様で本当にほほえましいものです。

お昼前、午後に向かって子どもたちがどんどんと増えていく中、祝祭広場では暑さ対策にスタッフがビニールプールで水風船をせっせと膨らましていました。子どもたちが絶対的に大好きな風船で誘って涼をとろうなんて素晴らしいアイデアです。

ゴミラー
ゴミで作ったゴミラー
ゴミラー
OHPを使って天井に映し出します
ゴミラー

祝祭広場をぐるっと回って、フレンテみえの生活工房へ。
ゴミを使ってアート作品を作るイベントでは子どもの意外な才能に触れることができます。

「これはとても素敵ですね、見本ですか?」
「いいえ、全部子どもたちが作ったものなんです」

昔は手先の器用な子どもが図画工作の優等生でしたが、今の子どもたちはいろんな情報があふれている環境から好きなものを取り出すことができるので、ゲームクリエーターかキャラクターデザイナーかのような完成された未知なる創造物が作られているのです。ただただ、子どもたる才能の爆発した世界に大人は感服するのみです。

風車
八重のかざぐるま作り体験
ぶんぶんゴマ
ぶんぶんゴマ作り体験

とは言え、単純明快な遊びも子どもは本来的に好きなもの。
塗り絵や、竹とんぼならぬ「ストロートンボ」、草笛、昔懐かしい缶バッチ、走って走って風とひとつになれる風車・・・宝物を抱えて親子で笑う帰り道。

そんな中、いつの間にかシルバーカーを押した女性が同じように親子の背を目で追っていることに気がつきました。たくさんの子どもたちをいとおしそうに眺めるその姿は温かさと優しさに溢れています。

ここに文化施設があることが、M祭の開催が、今日と明日の元気が生まれるひとときになるのだと、その背中が伝えてくれます。子どもたちのためにすることはすべての大人たちに還ってくるものなんだよと、目にはみえない素敵なコミュニケーションをもM祭は作っているようでした。

(取材ボランティア:鈴木ゆかり)

取材したイベント

M祭!2019 キッズ・アート・フェスティバル

開催日:2019年8月4日
場所:三重県総合文化センター、三重県総合博物館

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