三重県総合文化センター ブログ

取材ボランティアレポート「IVANTITY[アイバンティティ]〜これが私の生きるRUNWAY(みち)〜」

平成28年5月1日、総合文化センターに於いて開かれた、「IVANTITY」という講演会に参加しました。国連の場で、潘基文国連事務総長やヒラリー・クリントン氏がLGBT(性的少数者)の人権保護について演説をして以来、特にここ2、3年、LGBTについての報道番組をよくテレビで見かけるようになりました。一部の自治体などではカップルとしての権利を認める証明書を出すようになり、カミングアウト(自ら性的少数者であることを表明)する人たちも増えてきました。

そんな中、私もLGBTについて正しい認識を得たいと思い参加することにしました。私は、テレビで活躍するLGBTの方たちの存在は、各人の個性として平気で受け入れることができていたのに、実際に自分の身近にそういう人が現われたとき、違和感を感じる自分を発見したのです。古い慣習のように男女をきちんと区別しようとする自分がいました。LGBTの方たちを自然なかたちで受け入れていけるようになるためには、彼らの心情について、また彼らの味わってきた悲しみや苦しみについて学ぶことしかありません。学びが理解を深めて、いつか何の隔てもなく交わり合えるようになれるのだと信じます。

講師

IVANさんも、やはり苦しい体験をしてきてみえました。心は女性であるのに男性として生きなければならない苦痛は、本人にしかわからないことでしょう。特に、パリコレまで行くほどの一流のメンズファッションモデルの地位をかなぐり捨てて、一時ホームレスになっていたというのには驚きです。外見の男性であることよりも内面の女性であることの方がずっと大切であり、地位やお金では贖えないものなのだと私は知らされました。こうした体験を経て、IVANさんは心身ともに女性として生きることを選んで行くのです。

トランスジェンダーであることを公表し、今また芸能界に戻り、ファッションモデル、ミュージシャン、タレントと、幅広く活躍してみえます。自分が今こうして女性として本当に幸せだと言えるのは、理解ある家族がいてくれたお陰だとIVANさんは語っていました。特に、人生のどんなときにもIVANさんを肯定的に受け入れてくれた母親の存在が大きいということで、いくつか耳に残った言葉として、「あなたは特別な女の子なの」、「私は13人に1人しか生まれない天使を授かった」(※とある調査によると13人に1人がLGBT当事者という結果がある)というものがありました。

講演会風景

どんなときにも存在そのものをありのままに受け入れ愛してくれる大きな母の愛に包まれて、IVANさんはここまでやり抜いてこられました。さらにまたこれからも大きく活躍の場を広げていかれることを祈念いたします。この講演で、私もさらに一歩LGBTの方々に近づくことができた気がします。良き学びの機会を与えてくださり、ありがとうございました。

(興味津津子書く)

レポートした講演会

IVANTITY[アイバンティティ]
〜これが私の生きるRUNWAY(みち)〜

日時 2016年5月1日(日曜日)13時30分開演
会場 三重県文化会館 中ホール
講師 IVAN(アイバン)さん

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