三重県総合文化センター ブログ

取材ボランティアレポート あなたならどうする?−防災ゲーム「クロスロード」で体験する災害対応−

日本は自然災害が多い国です。今年は1月に能登半島地震があり、多くの方が被災されました。また、今後起こると言われている南海トラフ地震でも、大きな被害が懸念されています。今回の講座では、防災ゲーム「クロスロード」を通じて、災害対応を学びました。

講師は、三重県 防災対策部 地域防災推進課 防災技術指導員の岩本久美さんです。岩本さんは、もともと消防士をされていたそうです。

「防災」と聞いて難しいイメージを持っていましたが、ゲームを使って考えていくことで、他の参加者の人たちと楽しみながら災害対応について考えることができました。

エントランス関連展示

今回の防災ゲーム「クロスロード」は、1グループ7人で行われました。まず課題が出され、自分ならこの場合にどうするかを約3分間グループで話し合います。そのあと、「YES」か「NO」のカードを同時にオープンし、多数派が青い座布団のカードをゲットできます。また、少数派の意見も大切ということから、1人だけ違うカードだったときは、金の座布団をゲットすることができます。今回は金の座布団の代わりに、三重県防災キャラクター「なまず博士」のカードが配られました。

ゲームの初めの方はグループで意見がそろうことが多かったのですが、だんだんと迷う内容が増えてきました。特に私のグループでは、「自分が被災地の受験生だったら、受験勉強と避難所の手伝いのどちらを優先するか」のような課題で意見が分かれました。災害対応には正解がないと岩本さんもおっしゃっていましたが、その難しさを実感しました。

自分と違う意見の人の話を聞いて、そういう考え方もあるのかと知ることができたのでとても勉強になりました。私のグループには小学生から80代まで幅広い年代の方がいらっしゃったので、大きな災害を体験した人とそうでない人や、年代の差による意見の違いなども感じました。

ゲームを始める前のアイスブレイクや休憩の時間に、グループで昭和東南海地震や阪神淡路大震災を体験された方のお話を聞きました。昭和東南海地震などは今年で80年がたちますが、今でも忘れることはないとおっしゃっていました。被災したときにどのように行動するかを考えるだけでなく、被災した方の経験などについてもお聞きすることができて、とても貴重な機会になりました。

岩本さんは最後に、情報収集や事前に災害に備えることの重要性についてお話しされていました。
いざというときに焦らず行動できるよう、日頃から考え、準備をしておくことが大切だと感じました。

(取材ボランティア:高山)

取材したイベント

人・まち・セミナー
あなたならどうする?−防災ゲーム「クロスロード」で体験する災害対応−

2024年9月29日(日曜日)13時30分から15時30分まで
講師:岩本久美三重県 防災対策部 地域防災推進課 防災技術指導員) 

取材ボランティアレポート みえミュージアムセミナー2024芭蕉翁記念館「芭蕉のあこがれ×あこがれの芭蕉」

2024年は、三重県伊賀市出身の俳諧師である松尾芭蕉の生誕380周年です。今回は、三重県生涯学習センターで行われた、「芭蕉のあこがれ×あこがれの芭蕉」の講演会に参加してきました。講師は、伊賀市文化振興課 芭蕉翁記念博物館学芸員の井悠子さんです。芭蕉や彼を取り巻く人物などについて、日本文学作品を取り上げつつお話していただきました。

講演前の私は、芭蕉に対して各地を旅している人という印象を強く持っていました。ですが井さんによると、芭蕉は生まれてからおよそ30年は伊賀で暮らしていたそうです。彼が約50年の生涯のうち、かなり長い時間を伊賀で過ごしていたと知り、驚きました。

ところで、芭蕉の作品は「古池や 蛙飛び込む 水の音」
などに見られるように、比較的分かりやすく、親近感のある印象です。彼の作風は、「かるみ」「蕉風」といった言葉で表されるそうです。しかし、芭蕉は古典の素養を軽視していたのではなく、むしろ古典文学作品を大切に考えていたと井さんはおっしゃっていました。

芭蕉が憧れた文学作品として、『源氏物語』を紹介していただきました。芭蕉の作品である『笈の小文(おいのこぶみ)』や『奥の細道』において、『源氏物語』の「須磨」や「夕顔」の表現が引用されている箇所を教えていただきました。

また、芭蕉は「西行」に憧れていたと考えられています。例えば、『幻住庵記(げんじゅうあんのき)』に「とくとくの雫」という表現があり、ここで芭蕉が「西行」をなぞった行動をとっていると考えられるそうです。

他にも、『源氏物語』や「西行」の聖地巡礼のようなことをしていたようです。西行に関しては、『笈の小文』と『野ざらし紀行』の両方で、西行ゆかりの地である三重の伊勢、奈良の吉野に立ち寄っています。こちらは、芭蕉が西行を慕っていたことがよく分かるエピソードでした。

続いて、与謝蕪村や正岡子規など、芭蕉に憧れた人々のお話をしていただきました。

蕪村の句に「みの虫の ぶらと世にふる 時雨哉」
というものがあります。井さんによると、これは芭蕉を連想させる句のようです。まず「みの虫」という表現ですが、芭蕉の門弟である「土芳」の草庵が「蓑虫庵」と呼ばれています。芭蕉は庵開きの際に、この蓑虫庵に泊まったそうです。さらに、「世にふるも さらに宗祇の やどり哉」
は芭蕉の時雨の句として有名です。また、子規は『はて知らずの記』において、芭蕉の『奥の細道』を辿っています。

エントランス関連展示

今回の講演では、何かに憧れ、その後をなぞる方法として様々なものがあると教えていただきました。中でも芭蕉たちが行っていたような、憧れを自分の作品に落とし込んでいくという方法は、創作活動をする人ならではだと感じました。

(取材ボランティア:高山)

取材したイベント

みえミュージアムセミナー2024 芭蕉翁記念館「芭蕉のあこがれ×あこがれの芭蕉」

2024年9月21日(土曜日)13時30分から15時30分まで
講師:井悠子伊賀市文化振興課・芭蕉翁記念館 学芸員) 

取材ボランティアレポート「気候変動と未来の食卓」

全国各地で、異常な暑さが続き、時おり発生する線状降水帯による豪雨に、気候変動を身近に感じている人が多いのではと思う。

また、地震、台風による災害状況から、日常生活には欠かせない食料について、問題意識を持つことは当然である。

本テーマは、そのような時勢にあった講座なのか、会場は満席状態であった。

はじめに、三重県沿岸の海水温が、温室効果ガスを出し続けた場合、21世紀末に、おおよそ1世紀で2℃から3℃上昇が予測され、三重県の主な養殖水産物である、黒ノリ、真珠(アコヤガイ)、マダイにどのような影響が出るのか、調査された内容の話があった。

調査の結果として、養殖期間が短くなる、生命力が弱まる等の先行きが不安なものであった。
海水温の上昇に加え、海洋酸性化(大気中に排出された二酸化炭素を海が吸収し酸性化)により、海の生態系が大きく変化し、魚種別の漁獲量に影響を及ぼすそうだ。

次に、平均気温の上昇について、津地方気象台の観測では、100年経過で1.8℃上昇している。世界では過去100年あたりで0.76℃上昇しているそうだ。
こうした気候変動対策として、緩和と適応があり、緩和は、温室効果ガス発生を抑制すること、適応は、折り合いがつくところは折り合いをつけていくことだそうだ。

例として、米、ミカン、牛乳、牛肉は牛の飼育により、温室効果ガスであるメタンガスを発生することから、大豆ミート等の代替え肉等が考えられ注目されているようだ。

一方、気候変動以外に、戦争、人口増加が要因となり世界では食料供給不足の現状にある。そうした現状からか、食料を輸入に頼る日本は、令和6年6月に食料供給困難事態対策法が成立した。
未来の食卓として紹介されたレシピの、カロリー摂取を目安に推奨された食材は、さつまいもであった。

私自身、気候変動に適応するには、健康管理を踏まえ好き嫌いをなくすこと、また、品種改良された米「結びの神」等、今後を見据えた食品に目を向けることが必要と思われる。

(取材ボランティア:渡邉

取材したイベント

気候変動と未来の食卓―私たちは何を食べて生きていくのかー
2024年9月8日(日曜日)13時30分から
講師:樋口 俊実(三重県気候変動適応センター) 

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