三重県総合文化センター ブログ

取材ボランティアレポートみえアカデミックセミナー2017「おもてなし経営とは」

講座の様子

四日市大学経済学部の岡 良浩(おか・よしひろ)准教授を講師に迎えた「みえアカデミックセミナー2017・おもてなし経営とは何か〜科学と実践の最前線〜」を受講したので、その内容や感想についてレポートします。

 【おもてなし経営】とはまだまだ一般には耳慣れない言葉であり、私も、『観光客や企業・学術イベントなどを現場誘致して、継続的な事業を通じて地域の発展や活性化を進める』というようなイメージを抱いていました。
同じような感覚で受講された方もいるかもしれません。

セミナーは国内のGDPや各業種の生産性(労働生産性)など、構造的な話からはじまったのですが、私が一番印象に残った、おもてなし経営とは、という点をレポートしたいと思います。

ここでの「おもてなし」とはサービス産業に関わる事であり、飲食店や小売店、娯楽・観光施設などはもとより、電気・ガス・水道の供給などを含めた「大変広い意味でのサービス供給事業」とします。

もともとは経済産業省が推奨しているスタイルで、少子高齢化や国際化、情報や価値観の急速なグローバル化に伴い必然的に発生する価格競争に陥ることなく

1 サービス事業者の社員の意欲と能力を最大限に引き出し
2 地域や社会との関りを大切にしながら
3 顧客に対して高い付加価値と差別化したサービスを提供する

経営をおもてなし経営としています。

経産省では平成24年度からそのような経営を目指し、実績を上げている全国の企業を100社程度選定しています。三重県内では 伊賀市の自動車販売・サービス業者と鳥羽市の海女小屋体験事業者、多気町の製薬会社の3社が選定されています。

講師の四日市大学経済学部・岡 良浩准教授は、もともと四日市地域で中小企業の研究をされていたそうで、セミナーでは

  • 日本のGDPのうち、4分の3がサービス産業(広義)で占められる。
    「製造業、建設業、農林水産業、鉱業を除く」すべての業種が広義のサービス産業である。1980年以降をとっても、国内GDPに占める製造業の割合が15年間で15%も下がっている一方で、広義のサービス産業は10%近く伸びている。
  • 労働生産性は従業員1人の就労時間あたりの、事業者がつくりだす付加価値
  • 運輸、卸小売、宿泊、飲食、医療、介護・保育などのサービス産業は、製造業に比べ労働生産性が低い。 とくに宿泊業・飲食業の労働生産性が低くなっている。
  • 政府は2020年をめどに国内GDPを現在の500兆円から600兆円に増やすという目標を設定し、増加分100兆円のうち90兆円の伸びしろをサービス産業で占めたいと考えている。

などの説明がありました。

講師

【おもてなし経営】を実践するために、サービス事業者が教育訓練の一環で、大学などと連携する例が増えています。四日市大学経済学部では「産学連携による伊勢志摩『おもてなし経営』のための人材育成事業」というプロジェクト(要するに大学のカリキュラム)を立ち上げ、【観光業における経営をになう中核人材の育成】を目的とし、接客技術やインバウンド、経営力の向上などの実践教育を行っているという事です。

「現地演習は伊勢志摩鳥羽地域をフィールドとした12日 を想定し、学生が企業または観光者に対する取材を行い、取材結果を一定のシナリオに基づいて、広告媒体(映像)として制作することを目標とする。」という四日市大学の取り組みについてご説明がありました。

今回のセミナーでは、サービス産業の労働生産性の実態や、国の取り組み、企業の収益を上げるためのモデリングなどを中心に1時間強の話が進められました。

おもてなしといえば、私も父方の故郷に近い熊野が好きで、よく熊野古道に出かけますが、道中で会う人はヨーロッパや英語圏の人が日本人よりも多くなっています。古道沿いの英語などで書かれた道路標示や洋式トイレ(シャワー付きもある!)が急速に普及している他、個人経営の宿でも改築に余念がありません。訪れる彼らは当然ながら外国語(英語)がホテルや駅、観光地で通じるかどうかを再来の重要ポイントに挙げています。大抵の人は畳に布団敷きでも問題はなく、和食にも慣れているようです。そしてゲストルームが狭いというような苦情もあまりないようです。そして、彼らは日本人よりかなり長いバケーションを楽しんでいます。

今回は【おもてなし経営】についてのセミナーでしたが、「需要を掘り起こす」ための努力が一番大切な事だと感じました。労働生産性が低いからと言って、客単価を上げるわけには行きませんし、サービス産業にとってそれは永遠のテーマかもしれません。

(取材ボランティア:中村充)

取材したイベント

みえアカデミックセミナー2017「おもてなし経営とは何か〜科学と実践の最前線〜」

日時 2017年7月15日(土曜日)
会場 三重県文化会館1階 レセプションルーム

取材ボランティアレポート「M祭!2017 アーティストになってみよう!」

ながおさんを囲んで

夏です!
M祭です!
三重県総合文化センターに子どもたちが集まって、広場が子どもたちの作品で埋め尽くされると、
「ああ、夏が来たなあ、夏休みが始まったなあ」と実感します。

今年も、24種類ものイベントが同時に行われ、集まった子どもたちは大忙し。
子どもたちに楽しんでもらおうという大人たちの熱意と、イマジネーションを炸裂させた子どもたちの熱気で、三重県総合文化センター全体が、夢の国に変身!

わくわくするなあ。

絵を描く子ども

三重県総合博物館では、「アーティストになってみよう」と題して、絵本作家ながおたくまさんといっしょに夢ののりものを描こうというイベントが行われました。

三重県総合文化センターでは、ふだんから、「絵かきのコばっぐ」の貸し出しを行っています。
これは、画用紙やクーピーを貸し出し、センター内で自由に絵を描いてくださいというシステムで、お絵描きセットを忘れても、いつでもお絵描きができるという夢のような制度。

それだけでもありがたいのに、
何と!2017年は、アーティストの方といっしょに「アーティストになってみよう」というイベントが5回もあって、M祭はその1回目でした。

1978年生まれのながおたくまさんは、名古屋を拠点に活動している絵本作家。
今年から絵本読み聞かせの活動もされているそうで、子どもたちの世界にスーッと入っていって、おしゃべりしながら自然に子どものイマジネーションを呼び覚ます天才。

この日のために準備した夢ののりものパレードの4メートルある大作を披露すると、子どもたちから、「あ!恐竜だ!」などと喚声が。さすが、こどもたちが好きなものをご存知です。

ながおたくまさんが描いたパレードの中に、子どもたちが描いた絵を切り抜いて並べていき、ひとつの大きな作品にするそうで、これは、ぜひ見に行かなければ!

8月いっぱい三重県総合博物館で展示されるそうです。

子どもたち、夏休みのいい思い出になっただろうなあ。

この中から、きっと、将来のながおたくまさんが生まれるんだろうなと思うと、
今からとても楽しみ。

お絵描き好きの子どもたち、三重県総合文化センターへ行って、ぜひ、お絵描きしよう!

今から、来年のM祭が待ち遠しくてたまらない!

展示

取材したイベント

M祭!2017 キッズ・アート・フェスティバル
いろいろアーティストとアーティストになってみよう in MieMu
絵本作家 ながおたくま
夢ののりものパレード! 自分だけののりものを描いて、パレードをしよう!

日時 2017年8月6日(日曜日)
会場 三重県総合博物館

『M祭!2017』アフタープログラム

2017年8月6日(日曜日)、M祭!2017を開催しました。

M祭!は、子どもたちの好奇心を刺激し、楽しく学んで体験できる、県内最大級の子ども向けのイベントで、毎年開催しています。
今年もアーティストと直接触れ合い、三重県総合文化センターでしか体験できない多彩なプログラムを多くの方に楽しんでいただきました。M祭!で制作された作品の一部は、現在三重県総合文化センター、三重県総合博物館(MieMu)、三重県立美術館にて夏休み期間展示しております。


現代美術作家 藤原康博 with 子どもたち
「ナナといっしょに大空へ翔びたとう!」アフタープログラム
「みんなのイメージが舞う 空想の森から飛び立て!」

三重県伊賀市在住の現代美術作家 藤原康博さんと子どもたちが、インスタレーションアート作品を創りました。最初は枝だけの木に、子どもたちが「翔ぶイメージ」を描いた雲が吊るされていきました。また、午前午後に1回ずつ、藤原さんと子どもたちが一緒に大きな雲に絵を描きました。

みんなの「翔ぶ」が増えていきます
藤原さんと一緒に絵を描く子どもたち

 

フレンテ

現在、三重県立美術館(美術情報室)、三重県総合博物館(ミエゾウ骨格標本前スペース)、三重県総合文化センター(フレンテみえ1階エントランス、生涯学習センター3階「みるシル」、文化会館大ホール前共通ロビー)の3施設5か所に分けて展示しています。

展示期間は9月3日(日曜日)まで。各施設に置かれた雲たちを、藤原さんお手製の「3つの森の地図」を手に取って巡っていただき、三重県の文化交流ゾーンにおけるアートツアーをお楽しみください。


いろいろアーティストとアーティストになってみよう in MieMu 
絵本作家 ながおたくま
夢ののりものパレード! 自分だけののりものを描いて、パレードをしよう!

アーティストになろう1

絵本作家ながお たくまさんと、三重県総合博物館(MieMu)で開催中の「みんなののりもの大集合」を見て、自由にのりものを描くプログラムです。

子どもたちは自由な発想で仮想ののりものを考えたり、逆に窓やボルトの数まで正確に模写したりと思い思いに絵を描いてくれました。

子どもたちの様子は、後日「取材ボランティアレポート」で掲載予定です。お楽しみに!

子どもたちの描いた絵は、ながおさんとの合作で「夢ののりものパレード」としてMieMuに展示されています。
縦135cm、横400cmの大作です。ぜひ見に来てくださいね!

展示期間:8月11日(金曜・祝日)から8月31日(木曜日)まで
展示場所:三重県総合博物館(MieMu)3階 企画展示室横

アーティストになろう2

【お問合せ】
三重県総合文化センター 総務部 企画広報係 

電話:059-233-1105 E-mail:soumu@center-mie.or.jp




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