三重県総合文化センター ブログ

取材ボランティアレポート「なりかわり標本会議」

なりかわり標本会議のお知らせを見た時は、会議…?演技…?標本…?と不思議に思ったのと同時に興味をそそられた。普段なかなか味わうことのない経験をしてみたく行くことにした。自分の感じたことや考えたこと、今回の公演についてまとめてみた。

写真:松原豊

まず受付をする際に、ランダムでカードや封筒を引くように指示を受けた。カードは今回の公演で使う「役割カード」というお仕事が書かれたもの、そして封筒は指示があるまで開けてはならないということだった。ちなみに、私が引いた役割カードは「インテリアコーディネーター」であり、これがどう関係するのかを楽しみに席につく。

公演ときくと、予め台本や設定などがありそれに応じて演技をするものだというイメージがある。だが、この公演はテーマや役割など出演者もどのような設定なのか知らない。我々と同じ感覚で進んでいくのだった。

出演者も我々と同じように役割カードを引き、それに応じて自身の中に落とし込み「なりかわって」いた。

役割が決まったあと、ファシリテーターにより標本会議のテーマが発表され、各々の考えや役割に応じて会議は進む。自分の考えだけでなく、「なりかわって」いる役割のことも考えるというかなり難しい即興演技のようなものが始まった。

写真:松原豊

標本会議のテーマは、「家族制度解体」について。もし家族制度解体が日本に適用されるとしたら賛成か反対かというようなもの。各々の立場や個人の考えを共有していった。

そのあとは、出演者が過去の行動が書かれたカードを引き、それをまた自身の中に落とし込み関連させながら会議は進んでいった。それにより、考えを変えたり自身の過去や今を話したりしていく。我々がはじめに渡された封筒にも実は過去の行動カードが入っていた。それを同じようなタイミングで見て、役割と過去の行動を絡めながら我々も自分なら賛成か反対かを考えた。私は「被災地のボランティアをしていた」という設定で、お隣の方は「投資詐欺をしていた」という設定だった。

写真:松原豊

全ての公演が終わり、役を落とし出演者の演じていた時の感想や考えなども聞くことができた。この職業ならどのように考えるか、過去の行動はこれだったからこれを生かそう、など様々なお話を聞きとても充実した時間を過ごせた。

自分自身が、インテリアコーディネーターで被災地のボランティアをしたという設定ならどのように考えるだろうか。お部屋のコーディネーターをするということは家族制度がなくなってもなにか影響があるのか。被災地のボランティアをしたのならその時に家族の尊さを学んだのではないか。など思考をめぐらせた。

役を全て落とした時の自分としては、家族は大事だしパートナーや友達も大切。家族制度解体があったとしたら、家族が家族のような存在になるというのは今の現状からすると考えにくい。だが、縛りから解き放たれると思うのか寂しさや孤独を感じるのかは人それぞれだと思い刺激を受け帰路についた。

(取材ボランティア:m.)

取材したイベント

なりかわり標本会議
2025年3月1日(土曜日)14時から
構成:松井周 

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