取材ボランティアレポート(まなびぃすとセミナー)
そうぶんの主催イベントを取材ボランティアがお伝えします。
副題が「しんかい6500による海底潜航調査」とあります。
「深海」ってどうなっているんだろう、という素朴な疑問からこの講座を申し込みました。
講師の川口慎介さんは現在32歳。日焼けした顔に頭は丸刈りでポロシャツ姿。「しんかい6500」から今、降りてきましたというような印象を受けました。
まず自己紹介から始まり、宝塚市に生まれ地元の公立学校を卒業した後、北海道大学へ進み大学院を出た後、東京大学大学院に進学。その後、海洋研究開発機構へ入所したそうです。
1年の大半を世界の海底プレートの調査に費やす年もあるとの事でした。
日本の領土の大きさは世界で61番目ですが、5000メートル級の深さの海を持つのは世界一とのことです。また、日本の「しんかい6500」と並んでアメリカ(船名:アルビン)、フランス(船名:ノーティール)、中国(船名:鮫竜)、それとロシア(船名:ミール)の各国には6000メートル以上潜航可能の潜水調査船があります。
「しんかい6500」は、全長100メートルの母船「よこすか」に積んで目的地まで行き、現場海域で母船より降ろして海底潜航調査を行うそうです。
- 7時
- 「しんかい6500」チェック始め (潜航しなくても毎日する)
- 8時20分
- 研究者含め3名乗船
- 9時
- 潜航開始 40m/分 (5000mで2時間)
- 11時
- 海底到着、作業開始 (作業時間は2、3時間)
- 14時30分
- 作業終了
- 17時
- 母船「よこすか」揚収。試料処理開始
- 21時
- 翌日潜航の器具セッティング
この作業記録の説明に続いて海底で作業をしているビデオを見せていただきました。
海底は光が届かないため暗黒で低温の世界。しかし火山活動の活発な所では380度近い温度の熱水が吹き出しています。鉄や銅を溶かした黒い煙のような熱水に小エビが無数に群れをなす様をスクリーンに映し出してもらい、初めて見る海底の様子に唖然としました。 また、イソギンチャクや蟹の姿もあり、太陽光の届く美しい海の光景からは想像もできない海底の映像に目からウロコが落ちる感じです。
地震による海底プレートや溶岩が流れ出した痕跡がはっきりと分かるものもあり、これから起きるであろう地震や、海が根源だという生命の歴史の研究にも、また海底資源の調査にも「しんかい6500」は必要なのだとつくづく思いました。
地球表面の70%は海なのだと改めて認識しました。
葛山則子記す
レポートした講座情報
まなびぃすとセミナー
「ちょっとソコまで しんかい6500による海底潜航調査」
日時 平成26年6月7日(土曜日)
時間 13時30分から15時30分まで
会場 三重県生涯学習センター 視聴覚室
講師 川口 慎介さん(独立行政法人 海洋研究開発機構)