三重県総合文化センター ブログ

取材ボランティアレポートみえアカデミックセミナー2017「くだもの秘話」

講座の様子

果物は大好きで、毎朝、必ずいただくのが日課。
夏は、ナシとかスイカとか、みずみずしい果物がたくさん店頭に並んでいて嬉しい。
今回、お話してくださった平塚伸教授は、二ホンナシの自家不和合性に関する研究がご専門とのこと。セミナーを聞いたら、私もナシ博士になれるかな?

「日本原産の果物はどれくらいあるかご存知ですか?」
平塚伸教授のセミナーは、そんな問いから始まった。
日本原産?
カキとか、日本っぽいよね?日本原産じゃないの?

答えはノー。
意外にも、果物はほぼ、すべてが外国から日本に来たもので、カキは奈良時代、ダイダイは1世紀ごろ、中国から来たのだそう。
日本原産といえるのは、二ホンナシとクリの二つで、その他の果樹はほとんど明治以降、日本に来たそうだ。

つまり、江戸時代まで、日本人は、ほとんど果物を食べてなかったということになる。

かんきつ類に関する記述は、かなり古く、平安時代の書物にも出てくるけど、すっぱくてとても食べられたものじゃなかったらしい。冬、こたつに入ってテレビを見ながら皮をむいて食べるミカンが、甘くおいしくなったのは、比較的新しく、人工交雑や突然変異を繰り返しながら今もなお進化し続けているとのこと。特にかんきつ類に関しては、まだまだ研究途上で、知られていないことも多い。毎日、当たり前のように食べているくだものは、まだまだ謎に満ちた作物なのだ。そういえば、毎年のように、甘くて、皮がむきやすく、種のない新しい品種の果物が店頭に並んでいるのを思い出した。今年も、どんな新しい品種のくだものが売られるのか、今から楽しみになってきた。

講師

さて、平塚伸教授がご専門の「自家不和合性」。これは、リンゴやナシなどかなり多くの果物にみられる性質で、簡単に言うと、自家受粉では受精しない現象のことを言う。植物は動物と違って、住む場所を選べないので、生き残るためには、違う遺伝子を取り込んで強い種になる必要がある。だから、他から飛んできた、あるいは、運ばれてきた花粉では受粉するが、自分自身の花粉では受粉しないようにプログラミングされているのだ。そういえば、梨農家の人は、受粉の時期が一番忙しいという話を聞いたことがある。それは、人工的に他家受粉しているからなのだ。

その他にも、三重の「幸水」と千葉の「幸水」は同一個体であるとか、「幸水」の種をまいても「幸水」の実はならないとか、いろいろおもしろいくだもの独特の性質を知って、ますますくだものに興味がわいた。三重県には、たくさん梨園があって、梨狩りができるので、一度、梨農家の人に、直接お話を聞いてみよう。

(取材ボランティア:海住さつき)

取材したイベント

みえアカデミックセミナー2017「くだもの秘話」

日程 2017年8月17日(木曜日)
会場 三重県文化会館1階 レセプションルーム

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