ミュージアム便り2014/本居宣長記念館より
朝、鈴屋の雨戸を開ける際の空気が、日ごとに涼しくなっていくのを感じます。
本居宣長記念館 学芸員の西山です。
すっかり行楽シーズンを迎えた本居宣長記念館では、現在、秋の企画展「こえの国、神の国 ―明和の宣長―」を開催中です。
明和町の宣長、ではございません!
明和年間(1764-1772)、35歳から43歳の宣長9年間のお話です!
宝暦13年(1763)5月25日、「松阪の一夜」で生涯の師・賀茂真淵と出会った宣長は、『古事記』研究を決意します。その翌年から本格的に始まる、真淵との『万葉集』の通信教育。両立して行われる『古事記伝』執筆の作業。松阪では宣長の講釈も継続され、「おかげ参り」も巻き起こる…。まさに、目の回るほどの忙しい日々が幕を開けます。
見学に来ていただくお客様には、よく見る宣長肖像画が、実は自画像であるということにビックリ!されます。


「字だけじゃなく、絵までお上手だったのねぇ〜」…なんて。
この両方で着用しているのが、宣長愛用の「鈴屋(すずのや)衣(ごろも)」。
35歳のころにはすでにあったようで、歌会や講釈などに着ていた正装のようです。
宣長のオーダーメイドで、こだわりの逸品。

袖も裾も、とっても長―い!(身長153センチの私が着ると、この有様)
現在、記念館展示室で「鈴屋衣」も展示中です。
また、11月13日のセミナーでは、館長が「本居宣長四十四歳自画自賛像」についてもお話しいたします。
ぜひ聞いて、見て、「発見!」してみて下さいませ。

本居宣長記念館
秋の企画展「こえの国、神の国 ―明和の宣長―」
12月7日まで開催中!
詳しくは本居宣長記念館のページをご覧ください。

「絵解き 本居宣長四十四歳自画自賛像
日時 2014年11月13日(木曜日)13時15分から15時まで
講師 本居宣長記念館 館長 吉田 悦之 さん
会場 三重県生涯学習センター 視聴覚室

「見る!本居宣長記念館」
三重県生涯学習センター1階エントランスにて
2014年11月12日から11月21日まで15時まで