三重県総合文化センター ブログ

取材ボランティアレポート「女性のための防災講座」

防災講座

2016年7月9日(土曜日)、10日(日曜日)、18日(月曜日)の三日間にわたって開催された、三重県男女共同参画センターフレンテみえ主催「女性のための防災講座 入門編」に参加しました。

 のべ10時間の長丁場、しかも、全員参加型のワークショップ形式だったので、終わった時、まるで夏期講習を修了した受験生のような心地よい達成感に包まれました。「入門編」と書いてあるけど、全然、入門編じゃない、実践編といっていいくらい、レベルの高い講座でした。

講師の丹羽麻子さんは、東日本大震災後すぐに福島に引っ越し、相談室で多くの女性の生の声を聴いてこられた経験から、男性目線の運営がされている避難所で、多くの女性が苦労しているのは、声をあげることができないからだ。だったら、勇気をもって伝えられる私になる訓練をしよう!という信念で、講義を引き受けられたそうです。

講師写真

例えば、避難所についたてを立てようとしたら、「避難所は家族のようなものなのだから、ついたてで仕切るなんて必要はない」と言って許可してくれないリーダーがいたとしたらどうする?

何も反論しなければ、ついたては永遠に立てられることはないよね?
だけど、角の立つ言い方をしたら、人間関係が壊れてしまうし、相手も態度を硬化させるかもしれない。自分だって後味が悪い。
そんな時に役立つ自己主張のコツとは・・・???

このような、実際にありそうな課題に全員が取り組み、声に出して練習してみることによって、最初はぎこちなかった私たちが、だんだん自信をもって意見を伝えられるようになり、ああ、これだったらできるかも?そんなパワーをもらって終了。

講座の様子

  

第2回目ではフレンテみえ 事業課 課長 長谷川峰子さんがファシリテーターをつとめ、避難所運営ワークショップを行いました。

災害現場で捜索やがれき撤去などの力仕事に従事するのは男性なので、避難所での炊き出し当番などは、当然のように女性に任されてしまうことが多いけれども、それでいいのだろうか?避難所では、プライバシーがないので、女性には男性以上にストレスがかかってしまう、せめて女性専用スペースを作ってもらえないだろうか?受付に男性しかいないと、女性用品を下さいと言いたくても言えない女性も多いのでは?そんな、女性なら誰でも抱く疑問を、深くつっこんでみんなで議論しあう場なんて、今までなかったけれど、やってみたら、すごく必要だということがよくわかりました。うん、これは絶対、地元でやろう!

避難所運営は、ひとつひとつの避難所によって状況が違うので、地域住民が日頃から話し合いを重ね、訓練を積んでおくことが必要だけど、男性任せにするのではなく、女性が積極的に声をあげていかなければいけない。でも、防災の知識が全然なかったら話合いに参加できないし、自分の意見を主張するテクニックがなかったら、声をあげることすらできないかもしれない。

そんな不安を感じていらっしゃる女性は、次の機会を見つけたらぜひ参加してみてください。いざという時に、地域のリーダーとして、防災にかかわることのできる自信がきっと身につきます。

 今回は「入門編」でしたが、「応用編」とか「実践編」があれば、ぜひ受講してみたいです。

(取材ボランティア:海住さつき)

レポートした講座

女性のための防災講座

日時 2016年7月9日(土曜日)、10日(日曜日)、18日(月曜日)
会場 三重県生涯学習センター 中研修室
講師 丹羽 麻子さん(NPO法人日本フェミニストカウンセリング学会認定フェミニストカウンセラー)ほか

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