三重県総合文化センター ブログ

取材ボランティアレポート「思春期の『性』と『性暴力』〜子どもが自分を守るために、大人が子どもを守るためにできること〜」

そうぶんの主催イベントを取材ボランティアがお伝えします。

講師写真

思春期の子どもたちが性犯罪に巻き込まれる事件などを多く耳にする昨今、私たち大人が子どもにどのように関わればよいのかを知りたく、このセミナーを受講しました。

講師はウイメンズカウンセリング名古屋YWCAフェミニストカウンセラーの具ゆりさんです。パワーポイントを使っての説明で、大変わかりやすく受講できました。また、三重県警からも子どもを取り巻く性犯罪について具体的に現状の説明があり、この問題の深刻さを改めて知り大変参考になりました。

第二の反抗期とも言える思春期の子どもたち。体の変化に伴って心の変化が起き、親との葛藤や大人への不信感や異性・同性への性的な関心などが現れてきます。

そのような時期に子どもを取り巻く「性」と「性暴力」の問題について説明があり、子どもたちが性被害にあった加害者との関係で、実に4人に3人が顔見知りからの犯行(76.8%)で、その内「よく知っている人」からの被害は(61.9%)となっています。内訳は、実父・叔父から、また施設での性的虐待、教師のわいせつ犯罪などです。抵抗できない子どもたちが誰にも相談できなくて苦しみ、自分を責めつづけています。また、世間の偏見として被害者にも落ち度があるという「強かん神話」があり、加害者は開き直り、弁解、言い逃れ、うそなどで責任を相手(子ども)のせいにして地位を守ろうとします。

実際に性被害にあった10代から20代の5人の証言のビデオが映し出され、性犯罪は「魂の殺人」だといわれる実態を知り、衝撃を受けました。

デートDV(交際相手への暴力)の現状の報告もあり、三重県内の全県立高校を対象とした調査では被害経験が女性で3人に1人、男性で6人に1人あり相談先は友人が95%という現状でした。身近で起きている数字に驚きました。また、性交経験は低年齢化(中学生:男子4%、女子:5%、高校生:男子15%、女子24%、大学生:男子、54%、女子47%)しており、19歳までに妊娠中絶する割合は高い状況です。これらの現状を知り、大人が子どもを守るためにできることとして体と心の性教育、望まない妊娠をしない知識としての避妊方法などを教えることの大切さを実感しました。

講座風景

三重県警の担当者からは「子どもをとりまく性犯罪」についての講演がありました。

性犯罪被害の特徴として、世間一般の偏見があり、被害の届け出がなされにくいが、26年度の警察での認知件数は強姦:1250件、わいせつ:7400件(それぞれ全国)です。その内、面識ある者からの被害が約5割で被害者の約4割が未成年。神奈川県児童相談所が報告した件数によると、平成18年から20年度までに受理した性的虐待件数の内、7割が父親からの被害となっています。また、現状では強姦罪で服役した加害者は、出所後5年間に17%が再犯しています。

もしも被害に遭ったときは#9110(警察安全相談電話)へ電話をしてください。警察への被害の届け出が遅れると犯罪を実証する証拠が少なくなってしまうので、なるべく早くにご相談ください。また、犯罪被害者支援の施策として、女性の警察官へ相談することもできます。

(レポート:葛山 則子)

レポートした講座情報

思春期の「性」と「暴力」〜子どもが自分を守るために、大人が子どもを守るためにできること〜

日時 11月21日(土曜日)10時から12時まで
会場 三重県生涯学習センター 2階 視聴覚室
講師 具ゆりさん(ウイメンズカウンセリング名古屋YWCA フェミニストカウンセラー)

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