三重県総合文化センター ブログ

取材ボランティアレポート「平成29年度ファンファーレ事業 海野つなみ×ドラマ「逃げ恥」プロデューサー トークセッション」

舞台イメージ

2017年5月6日土曜日、三重県文化会館中ホールにて、大ヒットした「逃げ恥」の原作者海野つなみさんと、TVドラマのプロデューサーのお二人のトークセッションが開催されました。日本中の悩める女性や男性をくぎ付けにした、あの「逃げ恥」を産んだお二人の生の声が聴ける!ということで、かなり早い段階に受付は終了したとか。ロビーでは原作本の販売に長蛇の列。

TVドラマ化されたきっかけは、プロデューサーご自身が、原作を読んで「ムズムズ、キュンキュン」したからで、かなり早い段階で、ストーリーがどう展開するかまだわからない時にすでにドラマ化しようと決めていたとのこと。原作は読者の心をわしづかみにするキーワード満載で、マンガの読者はそれらの言葉から様々な妄想をふくらませ、まるで自分のことのようにリアリティーをもって読むことができたが、TVドラマは、マンガでは読者の妄想に任せていた部分を、時間の流れとともに物語がどんどん展開していく映像という形式で見せていくので、ある意味、マンガよりもていねいに描いた部分があった、などという裏話が次から次へと繰り出され、満員の聴衆はお二人の言葉を一言も聞き漏らすまいと、身を乗り出して聞き入った。

講演風景

主役の二人をどうやって決めたのか、というお話では、プロデューサーさんが、実はガッキー(新垣結衣さん)が18歳の頃からずっと継続して一緒にお仕事されているそうで、人間として、そして、俳優として成長を続けるガッキーに、その年代その時代にぴったりくる役柄を考えていたらこうなった。相手役には、大好きなガッキーを安心して任せられるイメージをもった俳優を、とちょっと父親目線で考えたところ、星野源さんがぴったりだったと言われ、聴衆が深くうなずき、会場全体が「近所のおばさん」目線で一体となった瞬間でありました。

「契約結婚」という、伝統的な結婚制度に問題提起がされているドラマなので、視聴者から反発を受ける可能性もあったはずなのに、ここまで人気が出たのは、喜劇役者としてのガッキーの才能や、コミカルな脚本など、作り手側の数々の仕掛けが成功したということももちろんあるけれども、多様な生き方が浸透しつつあるという社会背景も大きい。結婚は、する、しないを含めて、当事者同士が納得して、幸せだと思えればいろんなカタチがあっていいんじゃない?そんなメッセージが、視聴者にストレートに届いたということだ。このドラマを見て、家事の分担をどうする?どうしたい?という話合いを、初めて夫婦で真剣にすることができたという声が多数あるそうで、プロデューサーさん自身も「ボクが結婚した当初、このドラマがあれば妻ともっとうまくやれただろうなあ」とおっしゃっていたのがとても印象的。「逃げ恥」は、現代版結婚のバイブルなのかも?

会場の風景

トークは「恋ダンス」の話題で興奮が最高潮に。「逃げ恥」といえば「恋ダンス」。番組放映中、ドラマを見ていない人達ですら、「恋ダンス」は踊っていたものね。原作者の海野さんも、ドラマのヒットの要因として、「恋ダンス」の幸福感が大きいとおっしゃっていた。ドラマの最後にいっしょに恋ダンスを歌って踊っていたら、なんだか、私も幸せになれそうな気がする、そんな風に思わせる力が、あのテンポのいいダンスにはみなぎっていた。誰でも真似できそうな簡単なダンスに見えるけど、実際踊ってみると難しいというのも大事なポイントなのだそうで、だから、みんながわれもわれもと競って踊ったのですね。ヒット作というのは、偶然生まれるわけではなく、様々な仕掛けがかみ合って初めて売れるのだなあと勉強になった。海野さんは恋ダンスが相当お気に入りのようで、最後に退場される時に恋ダンスを自ら踊りながら立ち去るパフォーマンスを見せてくれ、「かわいい〜」という歓声が会場から飛んでいました。

トークセッションの最後に、司会の方がお二人に「続編はありますか?」という、みんなが聞きたかったことをズバリ!聞いてくださった。

お二人の回答?

「私たちも、続編があればいいなと妄想しています」

 ぜひ、妄想を現実にしてください!続編、待っています!

【取材ボランティア 海住さつき】

取材したイベント

平成29年度ファンファーレ事業
海野つなみ×ドラマ「逃げ恥」プロデューサー トークセッション
逃げるは恥だが役に立つ―さまざまな幸せのカタチ

日時 2017年5月6日(土曜日)
会場 三重県文化会館 中ホール

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