竹あかり作家・演出家 川渕皓平インタビュー完全版

2020年設営のようす

フジコの知らない世界「そうぶんの竹あかり」

そうぶんの竹あかり今年はどうなる?

そうぶんの秋を彩る幻想的な竹あかり。毎年多くの方を楽しませている。Mニュース読者のためにフライングで何か情報を入手できないかと、フジコは竹あかり作家・演出家川渕皓平さんの工房を突撃した。(2021年7月取材)

※このインタビューは、三重県総合文化センター情報誌「Mnews vol.135」(2021年9月発行)に掲載した内容に、未収録部分を追加して再編集しました。

竹あかりはどのような工程でつくられますか?

川渕皓平さん

伊賀市内の竹林で、竹を切り出すところから始まります。タケノコから4年から5年育った竹を主に選んでいます。最初は何年物かを見分けるのが難しかったけれど、今では見ただけでわかります。若い竹は水分が多いので傷みやすく、また10年以上の竹は枯れてきてしまっているため使用できません。若い竹は、来年・再来年に使えるようにとっておき、枯れた竹は伐採して、タケノコが生えやすい環境を整えます。資源が限られているので、とりすぎないように気をつけています。

電動工具

主に工房がある伊賀市内の竹を使っていますが、演出によっては現地の竹を使うこともあります。切り出した竹は汚れを洗い落とし、使用する竹あかりのサイズに切り分けます。その後バーナーで焼く「油抜き」をして、1か月以上、竹を寝かせます。水分のある状態で竹に穴をあけた場合、水分が抜けると割れてしまうことがあるので、しっかりと寝かせる必要があります。その後、竹にデザインをして穴をあけ、配線をして「竹あかり」はできあがります。

全国各地で演出されていますが、特に印象的だった場所はありますか?

一つに絞るのはとても難しいですね・・・
2020年で言うと、宮城県東松島市で開催された「第1回竹あかり審美会」が印象に残っています。東日本大震災で被災した小学校の跡地が会場となっていましたが、この場所で多くの人が命を失いました。今を生きる地元の皆さんが生きていることが喜びになるような祈りをこめてタイトルを「祈り そして喜びへ」としました。神社の参道をイメージした道を進むとその先に大きな竹あかりを配置して、人の動線が右回りになるようにレイアウトしました。右回りには集約、左回りには拡散という意味があるんですよ。人の動線を右回りにすることで、人々の祈りが集約して天に昇るというイメージです。この作品は、最優秀賞にも選ばれました。

竹あかり審美会作品
第1回竹あかり審美会最優秀賞「祈り そして喜びへ」

演出する時に大事にしていることはありますか?

依頼人の思い、見に来てくれるお客さんが喜びそうなもの、作家としての自分の世界観をちょうど良いバランスで織り交ぜることを大事にしています。また、各地のその場所でしかできない演出や、作家だからこそできる新しい表現方法は四六時中考えています。どこでひらめくかは本当にわからないので、ひらめいた時にすぐに作るようにしています。演出をするために下見に行った段階で色々とイメージは浮かぶのですが、帰ってきてから出てくるアイデアとどっちがいいか試行錯誤を繰り返しています。いいものと技術的に実現できるかはまた別問題なので、そこの調整も必要です。

今年はどんな演出になりそうですか?教えられる範囲で・・・

テストの様子
うまくできるかテストしています。

実は…祝祭広場は2年前まで演出をしていた日本庭園に比べると難しいんですよね。会場が広いし、竹あかりオブジェを置ける場所も限られています。そんな中、今年は一つ大きな作品を作ろうと考えています。昨年も大きな核となる球体のオブジェを作りましたが、今年はそれよりも大きなものになる予定です。

また、今年は竹の循環をイメージした演出も考えています。作品にするためには、育ちのよいキレイな竹を選別していますが、実際に山に入ると若い竹もあれば、枯れた竹もある。そんな山の一部を切り取ってきたかのような風景を再現したいと考えています。レイアウトは決まっていますが、制作はまだ始めていません。これから3か月ほどかけて作業にとりかかる予定です。

2020年の様子
2020年の様子

最後にメッセージを!

今年は、新しい竹あかりの表現に挑戦しようと思っています。竹だけでこんな表現ができるのだと感じてもらえると思います。見に来られた方の気持ちが明るくなったり、癒されたりしてもらえるようにがんばります!

「そうぶんの竹あかり2021」詳細ページへのリンク

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