1. 県民・利用者の満足度をさらに向上させる高品質なサービス提供

 年間50万人を超えるお客様が訪れる集客施設として、高品質なサービスを提供するために、総合文化センターの運営に、ISO9001マネジメントシステムを導入しています。施設の維持修繕、貸出施設の利便性の向上、遠隔地からのバスツアー、託児サービス付き公演、貸館におけるおまかせサービスなどは、お客様からの貴重なご意見や職員の気づきによる提案を生かしたPDCAサイクルによる継続的な改善から生み出されたものです。引き続き、お客様目線の運営に努めるとともに、総合文化センターにおけるこれまでの実績をもとに、三重県立図書館、三重県総合博物館、三重県立美術館においても、積極的に高品質なサービスを展開していくことで来館者満足度のさらなる向上を図っていきます。

2. 安全・安心を実感できる施設運営

 南海トラフ地震発生の危険性が年々高まりを増し、近年は大地震をはじめ、台風、河川氾濫、土砂災害な ど異常気象による自然災害によるリスクはもちろんのこと、テロの脅威、サイバーセキュリティへの備えなど、文化施設においてもより高度な防災・危機管理意識が求められています。私たちは伊勢志摩サミットにおけるテロ対策や皇太子殿下(当時)来館時の厳重対応、「テロ対策三重パートナーシップ推進会議」への参画、台風等による避難者の受け入れ対応など、過去の実績から対応力の向上に努めているところです。ハード面では開館31年目を迎える総合文化センター、開館43年目を迎える県立美術館の老朽化が進んでおり、適切な維持管理なしでは来館者の安全・安心を確保できません。そのために計画的かつ積極的予防修繕を行うとともに、危機管理マニュアルの徹底、実態に即した想定訓練等による対応力強化に一層努めることで、お客さまが安全・安心を実感できる施設運営を目指していきます。

3. 文化振興を担う専門人材の育成と三重の文化を担う次世代の育成

 私たちはこれまで30年間にわたる総合文化センターの指定管理者として、文化芸術、生涯学習及び男女 共同参画社会づくりに関わる各事業の経験を通じて、専門的知識やノウハウを蓄積し続けてきています。ここ近年、その高い運営実績から、全国の劇場や業界関係者からの講師依頼や視察も多く、県内外から私たちの組織の専門性が高く評価されています。専門性を高めることが、質の高い事業の企画・実施の源泉と理解しており、今後も実践的な資質や能力を蓄積し続け、さらに質の高い専門集団を目指していきます。また、これからの三重の文化を支える担い手を育てる取り組みとして、子どものころから本物の文化にふれ親しみ、理解を深めてもらう機会が重要であると認識しています。これまで多様な鑑賞・体験・参画の機会を提供してきました。三重県文化振興計画の基本方針の趣旨をふまえて、これからも将来の文化の担い手を創出できるよう、音楽や演劇分野などの実演芸術に関する質の高い事業を展開することにより、10年後、20年後の三重を担う人材の育成に貢献していきます。

4. 公益性と収益性を両立した継続的・安定的な財政運営

 県立の中核的な文化施設としての役割や、公益財団法人としての使命から、公益性の高い取組を継続していくことは必要不可欠と考えています。同時に、顧客満足度の高い、高品質なサービスを継続して提供していくためには、安定的な財政基盤が必要であり、経営的な観点は必須です。このため、現指定管理期間においても公益性と収益性のバランスを確保しつつ、安定的な財政基盤の構築に努めてきました。引き続き、公益性の高い事業を実施する上においても常に経営的な観点を持つこと、公益性の高い事業と収益が見込まれる事業のバランスを図ること、自己収入の拡充に取り組むこと、委託業務の内容や執行方法の見直し等により経費の節減に努めることなどを実践することにより、多彩な事業を展開しつつ安定的な財政運営を行っていきます。

5. 誰もが利用しやすい施設づくりと利用者の公平性の確保

 県立の文化施設として、そして、公益の増進を担う公益財団法人として、誰もが利用しやすい施設づくりを目指しています。これまで、ユニバーサルデザインによるまちづくりの観点から、施設のバリアフリー化や和式トイレの洋式化等の施設改修に取り組むとともに、託児サービス、良質で低料金の事業や、社会的に不利な立場にある方々の支援にも取り組んできました。
 引き続き「誰もが利用しやすい」観点からの事業や、受動喫煙防止への対応などにも取り組むとともに、文化の多様な機能が注目される中、社会包摂の観点をもった事業にも注力していきます。また、多額の税金を原資に運営されている公的施設であることから、公正で公平な運営となるよう整備した規程や規則等に基づき運営します。施設利用、チケット販売等の各種サービス面や、各種契約締結をはじめとした運営面全般においても信頼を得られるよう、利用者の公平性の確保に努めていきます。

6. 各施設の相互連携強化と文化活動の拠点としての機能の強化

 私たちは、三重県総合文化センター、三重県立図書館、三重県総合博物館、三重県立美術館が集積する 文化活動の拠点として、県民の皆様が学び、体験し、交流する場となるよう、これまでの取組により各施設の 魅力を高める連携を実践してきました。これからは三重県文化振興計画の基本施策で示されている「県立文化施設間の相互連携の強化」をふまえて、各施設の情報発信における相互連携や事業連携をさらに充実させることで、各施設の周遊性を高めていく取組を進めていきます。各施設が発揮する独自性と相互連携による相乗効果により、文化活動の拠点としての機能の強化を行っていきます。