行こう、図書館(3回)「図書館探検隊員」になってみた。


三重県立図書館で行われているさまざまなイベントの中で、子どもから大人まで年齢を問わず人気を誇るのが「図書館探検隊」。最大100万冊の蔵書を収容できる地下書庫に入ることのできるめったにないチャンスを逃すまいと、今回もたくさんの応募があり、満員御礼で早々と応募を締め切る人気ぶり。この日は8月の暑い土曜日の午後。集合時間が近づくと、続々と探検隊のメンバーが集まってきた。探検中は飲食禁止なので、出発前にしっかり水分補給をして、レッツゴー!
文:取材ボランティア 海住さつき隊員(Mnews vol.124/2018年12月)

    まさに本の滑り台や!

    今回は図書館ボランティアが案内してくれるそうだ。まずは、「図書返却ポスト」の裏側へ。図書館が閉まっている時には、ポストに本を入れて返却しているけれど、その裏側はどうなっているのだろう?探検隊は鍵のかかった小さな部屋へ。狭いスペースなので、5人ずつ順番に中へ入る。なるほどと思ったのは、本が傷つかないよう、フロアにマットを敷くなどの工夫がされていたこと。休館日には、何百冊もの本が返却ポストに入れられるそうで、それを分類して、元あった場所に戻す作業は、図書館の職員だけでなく、ボランティアもされているそうだ。書棚に本がきちんと並べられているのを当たり前のように感じていたけれど、全部、人の手で整理されていることを知り、館内で閲覧した後、読み終わった本は元あった場所に戻そうと改めて思った。

    次は、いよいよ地下書庫へ。地下書庫には86万冊(2018年時点)の蔵書のうち、約69万冊が所蔵されている。ドアを開けると、中はひんやり。本のために、書庫の温度は常に22度に設定されているそうで、猛暑で疲れた体にはありがたい。中に入ると右も左も書棚が並んでいる。地下書庫は2層に分かれており、床は通気性をよくするためスノコ状に隙間があいているので、ハイヒール禁止!

    この下にはたくさんの蔵書が…!

    ところで、この広い地下書庫はどこにあるの?答えは「知識の広場」の下。「知識の広場」の大きさが即ち書庫の面積だそうだ。今まで、そんなこと全然知らずに知識の広場を横切っていたけれど、これからは「この下には69万冊の本があるんだなあ」と思いながら歩けるので、秘密を知っているようで何だか嬉しい。

    和装本は平積みが基本

    また 地下書庫には、江戸時代に作られた古い和装本なども収蔵されており、厳重な二重扉の奥に保管されている。それらの本を虫などから守るためにさまざまな工夫がされていた。定期的に燻蒸したり、厳重な扉の内側にはさらに鉄製の網戸をつけたりして、虫や、虫の卵が付くのを防いでいる。昔の本は、糸でとじられただけでふにゃふにゃしており、書棚に立てると本に負担がかかるので、横に寝かせた状態で保管。

    新聞や雑誌は時代を映す鏡

    昔の新聞や雑誌の書棚の前を通ると、おじいちゃんの家の書斎と同じ匂いがして、まるで昭和の時代にタイムスリップしたみたい。今回の図書館探検隊で出会ったのは、夏休みに図書館にこもり、時間がたつのを忘れて本を読みふけっていた小学生の頃の自分だった。

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