第2回 誰もが平等な社会 ジェンダー平等を目指して

1.日本の男女格差の現状と諸外国と比べた日本の現実

 男女格差を測る指標の一つとして、世界経済フォーラムから発表されているジェンダーギャップ・レポートがあります。これはジェンダーギャップ(男女格差)の大きさを国別に順位づけしたもので毎年発表されています。このレポートでは「経済活動への参加と機会」「教育の到達度」「健康と生存率」「政治への参加と権限」の4分野14項目で男女平等の度合いを指数化して順位を決めています。2018年のジェンダーギャップ・レポートは2018年12月18日に発表され、日本は149カ国中110位でした。2017年は144カ国中114位と過去最低の記録であったのに対し順位が向上されました。しかし、G7で最下位であるなど、先進国の中でも男女平等が進んでいないと言えます。

表1

分野別に見ると、「経済活動への参加と機会」と「政治への参加と権限」の順位が低いことが分かります。

表2

2.女性以外の方がジェンダー平等に向けてできる具体的な取組とは

 女性以外の方でもジェンダー平等に向けてできる取組の一つとして、UN WomenによるHeForSheに賛同し、署名していただくことが挙げられます。HeForSheとは、前回もご紹介しましたが、UN Womenによる、ジェンダー平等のための連帯運動です。2014年にHeForSheを発表する際エマ・ワトソンUN Women親善大使は、「男女差別を終わらせるためには全ての人が関わらなければならない。ジェンダー平等はあなた方(男性)の問題でもある」と訴えました。
 ジェンダー平等に向けて、全ての人がご自身の問題だと認識し、ジェンダー平等について考えていただくことが必要です。

3. UN Womenのジェンダー平等に向けた今後の取組とは

 UN Womenは2030年までにジェンダー平等と全ての女性や女児のエンパワーメントを実現し、公的、私的生活のあらゆる領域で差別と不平等をなくし、女性のエンパワーメントを確保することを目的とした北京宣言および北京行動綱領(第4回世界女性会議(1995年)に採択)を実施するため、UN Womenの戦略的活動指針や目標、アプローチを表した戦略プラン(Strategic Plan)に則り活動を行っています。現在の戦略プランは2018年から2021年までのプランで、下記の5つの重点課題があります。

1) ジェンダー平等と全ての女性や女児のエンパワーメントのための世界的な規範やポリシー、基準の強化・実行

 UN Womenは国連総会や国際連合経済社会理事会、安全保障理事会において国連加盟国が国連女性の地位委員会(CSW)をはじめとするジェンダー平等を取り上げることを支援します。

2) 女性のリーダーシップの向上と参画の増加

 ジェンダー平等と女性のエンパワーメントに政治参画は欠かせません。UN Womenは女性の政治参画とリーダーシップの向上、ジェンダーに関して中立である政策と予算、司法制度へのアクセスを推進します。

3) 女性の経済的エンパワーメントの推進

 女性の経済的エンパワーメントのため、量的・質的な有給雇用、公共サービス、女性が担う無給労働、経済資産(土地など)へのアクセス、女性が起業家となる際の文化的・社会的障害そして社会保障を重視します。

4) 女性に対する暴力の撤廃

 女性と女児に対する暴力を止める最善の方法は暴力を防止することです。ネガティブな社会規範を変化させることによりプライベートと公共なスペースにおける暴力を予防し、既存の暴力の被害者・サバイバーへのサービスを強化します。

5) 平和と安全保障のあらゆる局面における女性の関与

 UN Womenはパートナーと女性と女児が平和、安全、防災そして人道支援の局面において参画し、リーダーシップを発揮したり、恩恵を受けられる環境づくりを進めていきます。

UN Womenは、ジェンダー平等を持続可能な開発目標(SDGs)の基本と位置づけ、より包括的な世界を目指して活動していきます。

【参考情報】

World Economic Forum「The Global Gender Gap Report 2018」(英語)へのリンク(外部リンク)外部リンク

HeForShe(英語)へのリンク(外部リンク)外部リンク

HeForShe 紹介(日本語)へのリンク(外部リンク)外部リンク

北京宣言および北京行動綱領(Beijing Declaration and Platform for Action, Beijing +5 Political Declaration and Outcome)(英語)へのリンク(外部リンク)外部リンク