第1回 「計画の趣旨」と「基本的な視点」について

1.はじめに

 2000年(平成12年)に「三重県男女共同参画推進条例」が制定されてから10年が経ちます。
 この10年間、三重県では、男女共同参画社会の実現に向けさまざまな施策に取り組んできたところです。
 条例制定後、2002年には「三重県男女共同参画基本計画」を策定、2007年にはその計画を一部改訂し、総合的かつ計画的に施策の推進に取り組んできました。
 しかし、その後、雇用情勢の悪化や少子高齢化の一層の進展など、社会経済情勢にめまぐるしい変化が見られます。また、全国、三重県の意識調査を見ても男女が平等であると感じる人の割合は増えつつあるものの、その増え方は緩やかであり、未だ男女の性別による差別や固定的役割分担意識、それらに基づく制度、慣行などが根強く存在しています。(参考データ:図1)

参考データ

(図1)「男は仕事」「女は家庭」という考え方について(三重県「男女共同参画に関する県民意識と生活基礎調査(平成21年)」および内閣府「男女共同参画社会に関する世論調査(平成21年)」による)
こうした状況から、社会経済情勢の変化に対応しつつ多様な主体との連携・協働により男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、着実に男女共同参画社会の実現をはかるため、その指針となる計画として、2011年(平成23年)3月、「第2次三重県男女共同参画基本計画」を策定しました。

2.計画策定にあたって

 この計画を策定するにあたっては、2010年(平成22年)12月、国において策定された「第3次男女共同参画基本計画」(その経緯・内容については、先の「参画ゼミ」にて鹿嶋先生より講義があったところです)の内容、また、三重県が実施している「男女共同参画に関する県民意識調査」の結果なども考慮し策定したところです。

 また、「三重県男女共同参画基本計画」の計画期間が2011年3月までであることから、その後の2011年4月から10年間、男女共同参画を推進するにあたっての指針となる計画として策定したものですが、今後の社会経済情勢の変化により必要に応じて見直しを行うこととしています。

3.「第2次三重県男女共同参画基本計画」の基本的な視点

第2次三重県男女共同参画基本計画」の策定にあたり、その「基本的な視点」について、以下の項目を挙げています。

  • 「私たちがめざす社会」
     すべての人々の人権が保障され、一人ひとりが、性別にかかわらず、自立した個人として、その能力と個性を十分に発揮することができる社会
    それぞれに多様な生き方が認められる社会

男女が対等な立場で、社会のあらゆる分野に共に参画し、責任を分かち合う

 「男女共同参画社会」

  • 「社会制度・システムの普及促進」
     社会環境の整備を推進するとともに、雇用や社会保障などのさまざまな制度・システムの普及を行う。
  • 「総合行政としての取組」
     県のあらゆる分野における政策・方針の決定や実施にあたり、男女共同参画の視点を反映させるよう努めるとともに、男女共同参画社会の実現に向け、関係部門の連携により、総合的に取組を行う。
  • 県民、事業者、市町等との協働
     県民やNPO、各種団体、事業者、教育・研究機関、市町等の主体的な活動を尊重しながら、必要な支援を行うとともに、これら多様な主体と連携して男女共同参画社会の実現に向けて取り組む。

以上の4項目を「基本的な視点」ととらえ、基本計画の着実な推進に取り組んでいくこととしています。