みえアカデミックセミナー2025 鈴鹿工業高等専門学校公開セミナー「文学のすゝめ ―〈読み〉の可能性―」の事業報告

開催日
2025年8月11日(月曜祝日)
開催時間
13時30分から15時20分まで
開催場所
三重県文化会館1階 レセプションルーム
講師
鈴鹿工業高等専門学校 教養教育科 教授 石谷 春樹さん
参加者数
会場 59名、オンライン 47名
受講料
無料

「みえアカデミックセミナー」は、三重県総合文化センターを会場に、三重県内にある大学・短期大学・高等専門学校の高等教育機関全14校が有する高度な学びと県民の皆さまをつなぐ一大連携事業として開催している公開セミナーです。毎年7月と8月に各校1日程ずつ、選りすぐりの先生にご講演いただいています。


鈴鹿工業高等専門学校 教養教育科 教授 石谷 春樹さん

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【講演概要(チラシ紹介文より)】
みなさんは文学作品をどのように読んでいますか。〈読む〉ということは、話の内容がわかるということだけではありません。文学作品は作者の心情を表現したものであり、心の叫びでもあります。そこで、作品の細部にこだわって読み、作者の心の叫びに耳を傾けるとともに、文学を学ぶ意義について一緒に考えてみましょう。
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鈴鹿工業高等専門学校公開セミナーは、教養教育科 教授の石谷春樹さんにご登壇いただきました。

川端康成「骨拾い」では、ホワイトボードを使って作品の解説をされました。

講師はまず「本を〈読む〉とはどういうことか」という問いを会場に投げかけられました。そして唱歌「蛍の光」を例に挙げ、作者の立場を意識して読むことで、作者の言いたいことが見えてくるのではないかとお話しされました。
そして、新美南吉「ごん狐」や宮沢賢治「注文の多い料理店」等の文学作品を通して、ストーリーを追うだけではなくもう一歩深く読み込むためのヒントをお話しいただきました。

講座終盤には講師の考える文学を学ぶ意義について、「文学的な思考能力の必要性」「人の気持ちを考える練習の必要性」「生きる力を養う(問題解決能力の養成)」「文学は弱い者の味方」「人間が一番おもしろい」の5つにまとめられました。そして、これからも文学について考え、皆さんと語らいたいと締めくくられました。

本講座ではオンラインの同時配信も行い、受講された方からは「表現で世の中は成り立っている。目の前の人に伝えようとする姿勢や思いを共有出来た時の喜びを求めて、私はこれからも努力していきたいと思います。」と熱いメッセージもいただきました。

「ブックリスト(関連図書)」のご案内

三重県立図書館に所蔵されている講座関連図書のご案内です。
所蔵状況は講座開催日時点のものです。

「ブックリスト」ダウンロードリンク(PDF形式、955キロバイト)

参加者の声

  • 本を読む時、表面的なことだけをとらえていることは多いなと反省しました。文学を通して人生をもう一度考えてみたいと思いました。(会場受講)
  • 理系の学校なのに、文学の楽しさを語れる先生がいて高専生はうらやましいです。(会場受講)
  • 昔読んだ文学作品をあらためて深く読むことができ、有意義な時間でした。講師の先生の文学に対する深い思いを肌で触れることができ、感銘を受けました。(オンライン受講)
  • ふだんから読書をしていても、新しい気づきがありました。例として挙げられた作品も、また読んでみようと思います。(オンライン受講)