みえアカデミックセミナー2025 津市立三重短期大学公開セミナー「地域単位の労働協約拡張制度」の事業報告
「みえアカデミックセミナー」は、三重県総合文化センターを会場に、三重県内にある大学・短期大学・高等専門学校の高等教育機関全14校が有する高度な学びと県民の皆さまをつなぐ一大連携事業として開催している公開セミナーです。毎年7月と8月に各校1日程ずつ、選りすぐりの先生にご講演いただいています。

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【講演概要(チラシ紹介文より)】
2021年に茨城県を対象とする「労働協約の拡張適用」が決定され、これは、32年ぶりに地域単位の拡張適用が決定された事例でした。その後も、2023年に東北3県、2024年に福岡市を対象とする拡張適用の決定がなされています。そこで、本講座では、皆さまとともに「地域単位の労働協約拡張制度」について考えます。
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津市立三重短期大学公開セミナーは、法経科 准教授の西川昇吾さんにご登壇いただきました。

労働協約拡張制度とは、労働組合法 第18条に規定されています。労働組合と会社との間の約束(労働協約)について、要件が満たされた場合に、申立てのあった地域ではこの労働条件を公正労働条件とみなして、協約当事者である労使以外の労使にも適用することができる(組合に入っていないが同じ地域で同じ仕事をしている人は、同じ条件で働けるように拡張する)制度です。
講座は、まず平成までの労働協約拡張制度にまつわる事例を振り返り、なぜ30年以上申立てのない期間が生まれてしまったのか、その経緯をお話しされました。そして令和になり、再び労働協約拡張制度が適用され「眠れる獅子が目を覚ました」と評されるほど大きな動きが始まっていることを、特にきっかけとなった茨城県での事例を中心に解説いただきました。
労働協約拡張制度を適用するにあたり、条文の表現があいまいな部分についてさまざまな議論があるそうです。講師は条文を五要素に分け、いま考えられている複数の説をご紹介いただきました。続けて、今後もこの制度を活用していくためには、もっと議論を深めていかなければならないとお話しされました。
「ブックリスト(関連図書)」のご案内
三重県立図書館に所蔵されている講座関連図書のご案内です。
所蔵状況は講座開催日時点のものです。
- 予習してもよくわからなかったのですが、講義を受けてよく理解できました。条文の読み取りは他のものでも考察の余地があるものも多いので、これも一つの引き出しとして解釈を進めていきたいです。
- 難しかったですが、例えを出してもらえたので分かりました。ありがとうございました。
- 難しかったが聞いて良かった。