三重のまなび2010・まなびぃすとセミナー「斎宮跡出土の硯 〜硯が語る斎宮〜」

斎宮跡は、三重県多気郡明和町に所在し、斎宮は「いつきのみや」とも呼ばれ、斎王の宮殿と斎宮寮という役所があった所です。
斎宮跡からは、これまでに163点の陶硯(とうけん)(陶器でできた硯)が出土しており、これ以外にも転用硯(てんようけん)(土器類を硯としたもの)や石硯(せきけん)があり、一つの遺跡としては全国有数の硯の出土数となっています。
この斎宮跡の発掘調査を担当されている講師による「硯」についての講義がありました。まず、硯の基礎知識として中国から伝わった硯の歴史と硯の種類などの説明、日本での硯の変遷や、書物や絵巻などに記された硯の様子などについて説明をしていただいたきました。そのあと、斎宮跡で発掘された、脚部が馬のひづめに似た形をした蹄脚硯(ていきゃくけん)や、鳥形硯(とりがたけん)、全国でも9例しか出ていない羊形硯(ようけいけん)などの出土品からは、一定以上の階層の教養のある人が斎宮にもいたと推測できると説明されました。また斎宮跡陶硯出土分布図からは、硯とその他の遺物との関係をあわせると、その区画の性格や機能を考える上で貴重なデータになるということなどを、多くの図表を使って解説していただきました。
☆講座開催情報
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
時間 13:30〜15:00
共催 斎宮歴史博物館
講師 斎宮歴史博物館
調査研究課 技師 角正 芳浩さん
参加人数 40名
参加費 無料
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
☆参加者の声
・硯の歴史、日本での時代背景について、非常に興味を持ってきかせていただきました。有難うございました。
・三重を知る良い内容でした。
・斎宮歴史博物館でも実際に見ていたので、興味深く聞かせていただきました。ありがとうございます。
