放送大学共催講座 「道中記に描かれた伊勢参宮」

この講座は、放送大学三重学習センターが普段学生向けに行っている高度なセミナーを、学生以外の一般県民の方々にも気軽に受講してもらえる機会として、三重県生涯学習センターとの共催により開催しました。
江戸時代における伊勢参宮は、庶民にとって一生に一度の経験でした。現在とは違い、数日間伊勢に滞在し各地を巡覧する豪華なものでした。そんな伊勢参宮の仕組みや特徴などについて、実際に書かれた道中日記に基づいて詳しく説明していただきました。
当時は「伊勢講」という講を組み、その講に所属する全員が金銭を出し合って順番に参宮することになっており(その代表として参宮する仕組みであった)、行った人は、他のメンバーに旅行を報告する義務がありました。次に行く人のために「行ってはいけない所」、「泊まってはいけない旅館」など旅のノウハウを伝える必要があり、その結果実際に旅した人が記す旅日記(道中日記)が残っていることなどをお話していただきました。
また、実際に残されている道中日記から、参宮街道の様子として、伊勢参宮後の京都・大阪の旅籠屋の客引きや荷物を送ってくれるサービス、古市などの歓楽街の賑わいが記されていたり、参宮客の接待システムとして、「神楽料」という名目で豪勢なご馳走を振舞われたりしたことなど、現在の参宮とは全く異なる様子を詳しく解説していただきました。
☆講座開催情報
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時間 14:00〜16:00
講師
放送大学三重学習センター客員教授
三重大学人文学部教授 塚本 明さん
参加費 無料
参加人数 120名
共催 放送大学三重学習センター
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☆参加者の声
・知らなかった昔の伊勢の繁栄ぶりがよくわかりました。何か三重県民として心が豊かになり江戸時代のこんな旅がしたくなりました。
・今までの伊勢の歴史や御師の知識がより深く掘り下げられたように思います。とても参考になりました。
・塚本先生の講義は毎回歴史の詳細を楽しく聞くことができ、知識の拡大に役立つと共に三重県人として伊勢参宮がどれだけ各地の住民に喜ばれていたのかがよくわかりました。歴史を知ることは将来への発展にとって大切なことだと認識します。
