みえアカデミックセミナー2026 鳥羽商船高等専門学校公開セミナー「映画『福田村事件』から読み解く歴史の光と影〜「加害」と「被害」はどう描かれたか〜」の事業報告

開催日
2026年8月6日(木曜日)
開催時間
13時30分から15時00分まで
開催場所
三重県文化会館1階 レセプションルーム
講師
鳥羽商船高等専門学校 一般教育科 准教授 島 大吾さん
参加者数
会場 55名 オンデマンド 43名
受講料
無料

「みえアカデミックセミナー」は、三重県総合文化センターを会場に、三重県内にある大学・短期大学・高等専門学校の高等教育機関全14校が有する高度な学びと県民の皆さまをつなぐ一大連携事業として開催している公開セミナーです。毎年7月と8月に各校1日程ずつ、選りすぐりの先生にご講演いただいています。


鳥羽商船高等専門学校 一般教育科 准教授 島 大吾さん

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【講演概要(チラシ紹介文より)】
2023年に公開され話題を呼んだ映画『福田村事件』。本講座では、この映画が歴史的な「加害」と「被害」をどう描こうとしたのか、その裏側にあった製作過程の葛藤に焦点を当てて読み解きます。史実とフィクションの狭間で生じた表現の揺らぎを通じて、私たちが過去の負の歴史とどう向き合うべきかを共に考えます。
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鳥羽商船高等専門学校公開セミナーは、一般教育科 准教授 島 大吾さんにご登壇いただきました。

講座の様子

本講座では、映画『福田村事件』を題材に、関東大震災後の朝鮮人虐殺をはじめとする歴史的事件を、映画など創作作品で描く際の課題について、特に史実とフィクションの関係や、「加害者」と「被害者」の描写、また歴史的事実を伝える制作者の責任について焦点をあててお話いただきました。
講師はまず、脚本家と監督の制作方針の違いを取り上げ、歴史的加害責任を描く姿勢について検討されました。
単純な善悪の二項対立を避け、人間が加害に至る過程を描こうとする試みには意義もある一方、その表現が史実や被害者の尊厳を十分に反映できているのかという課題についても指摘がありました。
また、映画内で事件の被害者である行商人たちを描いた場面について、実際には正規の鑑札を持って商売をしていた人々が、映画では詐欺的な行為をする人物として描かれているといった脚色があり、こうした脚色が、被害者やその遺族、地域の人々に与える影響についてもお話しされました。

講座の様子②

映画は、歴史的事件を広く社会に伝える力を持つ一方、観客が作品の内容をそのまま史実として受け止める可能性もあります。史実に基づく作品に創作を加えること自体は避けられないにしても、歴史的事件の当事者や遺族が現在も存在するうえで、その表現には一層の慎重さと配慮が求められるとのことでした。
講師は最後に、福田村と同じく虐殺をテーマにした映画や漫画として『金子文子と朴烈(パクヨル)』『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』漫画『ようきなやつらより「追燈」』という3作品をご紹介いただき、これらの作品もご覧いただき、史実を背景にしてフィクションを交えていくやり方として、こういう切り口もあるんだと考えていただければ、とお話を締めくくられました。

「ブックリスト(関連図書)」のご案内

三重県立図書館に所蔵されている講座関連図書のご案内です。
所蔵状況は講座開催日時点のものです。

「ブックリスト」ダウンロードリンク(PDF形式、875キロバイト)

参加者の声

  • 史実に基づく映画のフィクション性を明らかにしてくれて、深く考えさせられた。素晴らしい講座だった。映画福田村事件は衝撃でしかなかったので、見てよかったのだが、いろいろ?なところもあったので、今日の話でかなり解決した。
  • 映画を単純に楽しむ…史実をどう描いていくか、先生の熱弁に圧倒されました。全く知らなかった!!!