三重のまなび2025 楽楽文楽塾 -文楽のツボ-の事業報告
古典芸能を楽しく学ぶ「楽楽(らくらく)シリーズ」は、今年で22年目を迎えました。講師は元NHKアナウンサーで古典芸能解説者の葛西聖司さん。ゲストには文楽太夫の豊竹呂勢太夫さんと文楽三味線の鶴澤燕二郎さんをお迎えして、文楽を楽しむツボを教えていただきました。
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【広報文】
日本を代表する伝統芸能「人形浄瑠璃文楽」その舞台では、太夫・三味線・人形が一体となって、情感豊かに人間ドラマを繰り広げます。太夫は物語の情景や人物の心情を「語り」で観客に伝えます。三味線弾きも、演奏によって、場面の情景や雰囲気、登場人物の感情の動きまでも表現し、観客に作品内容を伝えるうえで重要な役割を果たします。今回はゲストに太夫の豊竹呂勢太夫さんと三味線の鶴澤燕二郎さんをお迎えし、古典芸能解説でおなじみの葛西聖司さんとともに文楽の魅力を語っていただきます。
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第一部では、葛西さん、呂勢太夫さん、燕二郎さんによる鼎談が行われました。まずは、文楽は他の伝統芸能のような世襲制ではないため、一般の家庭に育ったお二人が、なぜ文楽の世界に入ったのかというエピソードや、研修時代や師匠についてからの修行時代の苦労話など、葛西さんの司会でテンポよくお話が進みました。後半ではスクリーンに画像を映しながら、現在のさまざまな活動の紹介がありました。今年話題となった新作の三谷文楽「人形ぎらい」についてのお話では、出演された呂勢太夫さんから、「文楽の演目は古典作品が多いので、作者に登場人物の心情を聞くことができないが、「人形ぎらい」では、作者の三谷さんが総合演出もされたので、楽しかった」というお話もありました。
第二部では、11月22日に開催される文楽三重公演の演目「新版歌祭文」「義経千本桜」「曾根崎心中」のサワリの部分を、葛西さんの解説を交えながら演奏していただきました。舞台を観るための人形の動きや舞台演出の細かい「ツボ」の解説があり、葛西さんは、三重公演でぜひ生の舞台で確かめてくださいとしめくくられました。講演会の途中では呂勢太夫さんや燕二郎さんの趣味の話も飛び出すなど、始終和やかな雰囲気の中で文楽を学ぶ機会となりました。
「ブックリスト(関連図書)」のご案内
三重県立図書館に所蔵されている講座関連図書をのご案内です。
所蔵状況は講座開催日時点のものです。
- お二人のすばらしいところを引き出してみえる司会葛西さんの話術(日本の芸能に精通されている)に魅せられました。お三人のすばらしい人間性に感服させていただきました。
- 初めての参加です。古典芸能に興味が出てきたのも最近ですが、初心者にもわかりやすくなじみやすい講座で楽しかったです。これからも続けてほしい。
- 呂勢太夫さん、燕二郎さんのトークが素敵でした。文楽の舞台は見ていても、知らないことだらけでした。

