みえミュージアムセミナー2025 松阪市文化財センター「国の宝になった埴輪たち・・・」の事業報告
平成12年4月、国指定史跡の宝塚1号墳から、全国で初めて船上に様々な立ち飾りの付く船形埴輪が発見されました。その後も「水のまつり」を表現するとされる囲形埴輪など、次々と貴重な埴輪類の発見がありました。これらの貴重な埴輪を、松阪市文化財センター「はにわ館」では常設展「宝塚古墳の謎」で公開しています。今回は令和6年に国宝になったこれらの埴輪や古墳に関する講座とパネル展示を三重県生涯学習センターで開催しました。
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(チラシ文)
令和6年8月に国宝になった船形埴輪(ふねがたはにわ)や囲形埴輪(かこいがたはにわ)・家形埴輪(いえがたはにわ)といった三重県宝塚一号墳出土埴輪や、これらの埴輪が出土した国指定史跡宝塚古墳の魅力についてご紹介します。
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宝塚古墳は、松阪市宝塚町・光町にある1号墳と2号墳からなる古墳で、5世紀初めに築造された全長111mの伊勢平野最大の前方後円墳であり、平成10年から17年にかけて発掘調査が行われたそうです。古墳の北側には、古墳本体と土橋で繋がっている「造り出し」と呼ばれる珍しい祈りの場所がみつかり、当時設置されたままの状態でさまざまな埴輪も見つかっています。中でも他に類例のない姿の船形埴輪は、さまざまな古墳時代の情報を満載した貴重なものであり、囲形埴輪や家形埴輪については、水に関わる祭祀施設を具体的に表現しているそうです。講師の村田さんは、令和6年に国宝に指定された理由として、出土した埴輪は、造形性、写実性に優れ、遺存状態が良く学術的価値を有していることがあげられると説明されました。さらに、宝塚古墳発掘調査の様子や宝塚古墳が作られた時代の近畿地方のヤマト王権との関係性、それぞれの埴輪の構造などを、画像を示しながら丁寧にご説明されました。セミナーを受講されたお客様からは、「ぜひ現地に行ってみたい」という声をたくさんいただきました。
セミナーの様子
「ブックリスト(関連図書)」のご案内
三重県立図書館に所蔵されている講座関連図書のご案内です。
所蔵状況は講座開催日時点のものです。
- 国宝に指定された船形だけではなく、8点の埴輪、さらに宝塚古墳の重要性をわかりやすく説明していただいたので、興味が深まりました。ぜひ全体を見学したいと思います。(会場)
- 宝塚古墳行ってみたいです。はにわ文化がわかりやすく、当時の時代に思いをはせました。ありがとうございました。(会場)
- オンラインで聴講させていただきました。 不勉強で知りませんでしたが、国宝になるような埴輪が松阪で出土したのですね。中でも、船形埴輪は、精緻な作りで保存状態も良いように見受けました。長さが140cmあるとか、是非現物を見てみたいと思いました。家形埴輪もなかなか興味深い一品だと思います。現地と埴輪特別展に伺いたいと思います。ありがとうございました。(オンライン)
- オンラインで受講させていただきました、大変良くわかる講義をありがとうございました。(オンライン)

