みえアカデミックセミナー2025 四日市大学公開セミナー「言葉の世界をのぞいてみると…~日中両国語が映し出す世界の違い~」の事業報告

開催日
2025年8月28日(木曜日)
開催時間
13時30分から15時00分まで
開催場所
三重県文化会館1階 レセプションルーム
講師
四日市大学 総合政策学部 特任教授 加納 光さん
参加者数
65名
受講料
無料

「みえアカデミックセミナー」は、三重県総合文化センターを会場に、三重県内にある大学・短期大学・高等専門学校の高等教育機関全14校が有する高度な学びと県民の皆さまをつなぐ一大連携事業として開催している公開セミナーです。毎年7月と8月に各校1日程ずつ、選りすぐりの先生にご講演いただいています。


四日市大学 総合政策学部 特任教授 加納 光さん

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【講演概要(チラシ紹介文より)】
普段、意識することなく使っている日本語の言葉遣いや表現を、外国語との比較を通して眺め直してみると、日本語と外国語とではかなり違うことに気づかされることがあります。
本講では、日本語の特定の言葉遣いや表現を中国語と比較しながら、日本語固有の発想や考え方について、理解を深めていきたいと考えています。
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四日市大学公開セミナーは、総合政策学部特任教授の加納光さんにご登壇いただきました。

講座の様子

講座の前半は、言葉の機能と多様性についてお話しされました。言葉を用いてさまざまな観念に名前を付けると、それらが思考の中に存在するようになります。講師は、色を表す言葉の多様性を例に挙げ、世界は母語の違いによって多様な切り分け方がなされている。異なる言語を話す人同士では、世界の見え方や思考のあり方が異なってくる、と言語活動の解説をされました。

後半は、言葉による認識とその表現の違いについてお話しいただきました。中国語や英語は「神の視点」とされ、自分を含めた状況から身を引き離して上空から客観的に見下ろす視点で表現します。一方日本語は「虫の視点」といい、視点が出来事そのものの中にあり、時間と共に進んでいく表現をする特徴があります。川端康成の「雪国」を例文に、視点の違いを解説されました。

講師は、何気なく使っている言葉だが、母語によってその人の思考方法や生き方に影響を及ぼしているということを見直す機会となれば、とまとめ講座は終了しました。

「ブックリスト(関連図書)」のご案内

三重県立図書館に所蔵されている講座関連図書のご案内です。
所蔵状況は講座開催日時点のものです。

「ブックリスト」ダウンロードリンク(PDF形式、1,322キロバイト)

参加者の声

  • すごく勉強になりました。母語で世界の見え方が変わるとのお話に、おどろいたと同時に納得できました。ありがとうございました。
  • 中国語は英語と同様な視点で構成されていることはあまり知らなかったので興味深かったです。
  • 日本語の深さ、美しさ等、多国語と比べて、また2つの視点から考えてみるのを本日の講義で学び取れました。