みえアカデミックセミナー2025 四日市看護医療大学公開セミナー「嗅覚の異常が認知症につながる可能性」の事業報告

開催日
2025年8月21日(木曜日)
開催時間
13時30分から15時00分まで
開催場所
三重県文化会館1階 レセプションルーム
講師
四日市看護医療大学 看護医療学部臨床検査学科 教授 森 啓至さん
参加者数
67名
受講料
無料

「みえアカデミックセミナー」は、三重県総合文化センターを会場に、三重県内にある大学・短期大学・高等専門学校の高等教育機関全14校が有する高度な学びと県民の皆さまをつなぐ一大連携事業として開催している公開セミナーです。毎年7月と8月に各校1日程ずつ、選りすぐりの先生にご講演いただいています。


四日市看護医療大学 看護医療学部臨床検査学科 教授 森 啓至さん

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【講演概要(チラシ紹介文より)】
発熱、痛みといった病気の初期症状や、視力や聴力の低下など老化によるものまで、身体は様々なサインを発しています。一見すると老化と思っていたことが、思いがけない病気のサインかもしれません。普段気が付きにくい嗅覚(匂いを感じる力)障害が認知症などの神経変性疾患につながっている可能性について紹介します。
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四日市看護医療大学公開セミナーは、看護医療学部臨床検査学科教授の森啓至さんにご登壇いただきました。

講座の様子

講座は、まず匂いを感じる仕組み(嗅覚)についてのお話しがあった後、講師の研究の紹介から関連して、嗅覚障害と炎症と神経変性疾患の関係について解説されました。
脳の海馬と嗅球は新しい神経細胞が供給され続ける点で仕組みが似ているそうです。新しい細胞は炎症に弱く、パーキンソン病やアルツハイマー型認知症などの神経変性疾患も細胞の炎症が原因と考えられていることから、同様に嗅球でも炎症が生じている可能性があります。

そして、実際に嗅覚障害は神経変性疾患の初期症状として現れている場合が多いものの、自覚がないことが多いと指摘されました。そのため、今後疾患のスクリーニングとして嗅覚検査を取り入れ、早い段階で神経変性疾患の可能性を指摘できるようになれば、より効果的なタイミングで適切な治療につなぐことができるのではないかとお話しされました。

嗅覚検査体験の様子

終演後、ロビーでは嗅覚検査体験を行いました。受講された皆さんは、講師の「匂いに敏感になってください」という言葉を思い返しながら、楽しそうに香りのサンプルを鼻に近づけていました。


「ブックリスト(関連図書)」のご案内

三重県立図書館に所蔵されている講座関連図書のご案内です。
所蔵状況は講座開催日時点のものです。

「ブックリスト」ダウンロードリンク(PDF形式、1,322キロバイト)

参加者の声

  • 認知症予防に嗅覚を鍛える等、嗅覚とのつながりを初めて知りました。これからの生活に役立てていきたいです。
  • 嗅覚検査の重要性を知り有効だった。日頃から気を付けてにおいをかいでみようと思う。
  • 本日の講義でニオイに対する(感じる)特徴や仕組み等興味深く聴きました。学びが多かったです。ありがとうございました。