みえアカデミックセミナー2025 三重県立看護大学公開セミナー「幸福とはなにか」の事業報告
「みえアカデミックセミナー」は、三重県総合文化センターを会場に、三重県内にある大学・短期大学・高等専門学校の高等教育機関全14校が有する高度な学びと県民の皆さまをつなぐ一大連携事業として開催している公開セミナーです。毎年7月と8月に各校1日程ずつ、選りすぐりの先生にご講演いただいています。
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【講演概要(チラシ紹介文より)】
これまで生きてきて「幸福ってなんだろう」と自問自答した経験なぞ一度もないというひとはおそらく皆無である点でこれはきわめてポピュラーな問いであり、よって哲学もこの問いを探究し続けています。本セミナーで紹介する哲学が導いてきたその答えの一端が、皆さんが今後この問題をさらに考えていく際の一助になれば幸いです。
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三重県立看護大学公開セミナーは、看護学部教授の安部彰さんにご登壇いただきました。
「幸福とはなにか」という問いは紀元前の時代のソクラテスをはじめとして、数多くの哲学者により探求されてきました。正解(唯一の答え)にはまだたどり着けていませんが、現代哲学が「有力な答えの候補となりうる」としている3つの幸福観を解説いただきました。
講師は「快楽説」の解説と共に「快楽機械」という思考実験を紹介され、受講者の皆さんに体験いただきました。そして実験の結果、「幸福の構成要素は快楽だけではない(ただし主要な要素の一部ではある)」と「快楽説」への批判をお話しされました。
その後、残り2つの幸福観である「欲求充足説」「客観的リスト説」についてもそれぞれ解説と批判をされ、それぞれの説に一長一短があるとお話しされました。
最後に講師は、その人のコンディションによって3つの説の重要度バランスは変動しており、自分にとって望ましいバランスを追求することが「幸福」にとって重要なのではないかと締めくくられました。
「ブックリスト(関連図書)」のご案内
三重県立図書館に所蔵されている講座関連図書のご案内です。
所蔵状況は講座開催日時点のものです。
- 哲学から考える幸福を学んだのは初めてで勉強になりました。例があったので分かり易かったです。
- 哲学や思考実験の講義に触れられ興味深かったです。自分や周囲の人の「幸福」について考えてみようと思いました。
- 幸福になりたいとずっと望んで生きてきたように思いますが、いったい何が幸福なのかと改めて考えてみると、何だかよくわからないという迷路にはいり込んでしまった心境です。