みえアカデミックセミナー2025オープニング
河江肖剰講演会「エジプトのピラミッド 研究調査の最前線」の事業報告

三重県内の高等教育機関(大学・短期大学・高等専門学校)が有する高度な学びと県民の皆さんとを結ぶ一大連携事業として毎年開催している「みえアカデミックセミナー」。2025年度の開幕を飾るオープニングイベントとして、古代エジプト研究の第一人者である、名古屋大学デジタル人文社会科学研究推進センター教授の河江肖剰さんをお迎えし、ドローンによる3D計測など最新技術を駆使したピラミッド研究とその成果について詳しくお話をうかがいました。
≪講師プロフィール≫ 河江肖剰(かわえゆきのり)さん
名古屋大学デジタル人文社会科学研究推進センター教授。1992年から2008年までカイロ在住。カイロ・アメリカン大学エジプト学科卒業。2012年、名古屋大学で歴史学博士号を取得。

19歳のときにエジプトへ渡り、現地の大学を卒業した後、ピラミッド建造のためにつくられた街「ピラミッドタウン」の発掘に従事されていた河江さん。現在も新たな発見が続くピラミッドタウンや、ギザの三大ピラミッドのひとつ「クフ王のピラミッド」内部にある空間について、ピラミッドの建造に関わる工夫についてなどなど、スクリーンに様々な画像や映像資料を大きく映し出しながら、自身による発掘や最新技術によって得られた調査結果を基に解説していただきました。

時にテレビ番組収録時のエピソードなども交えながら、現地の様子が身近に感じられる臨場感のあるお話に、会場の皆さまも、楽しみながらも集中して耳を傾けていらっしゃいました。
考古学は「ミステリーを解くこと」。もちろんロマンもあるが、古代に生きていた「人間」がなぜ、どうやってこれを作ったのか、測量や発掘などの調査から明らかにしていくのが私たちの仕事。「未来の思想」を持ち込まず、発見されている「現地のもの」を基にアプローチしていくことが大切とのことでした。
現在は年に3か月ほどエジプトに滞在しながら研究活動を進めていらっしゃる河江さん。私たちも尽きない関心とロマンを胸に抱きながら、これからも新たな発見を待ち続けたいと思います。
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質疑応答も行われました 会場からは、ピラミッドやスフィンクスなどについての専門的な質問ばかり。古代エジプトに対する皆さまの関心の高さがうかがえました。
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会場の様子
募集開始から2か月弱で定員となり受付を終了した本講座。皆さま、ご来場ありがとうございました。
「ブックリスト(関連図書)」のご案内
三重県立図書館に所蔵されている講座関連図書のご案内です。
所蔵状況は講座開催日時点のものです。
- すばらしい内容でした。ものすごく深堀りしたお話でびっくりしました。お話も分かりやすく、あっという間に時間がたっていました。
- 濃い内容でよく理解でき、一生懸命聞くことが出来ました。ありがとうございました。
- 自分もピラミッドのことについて、くわしく知りたいと思っていたので、よかったです。
- 詳しくお話が聞けてピラミッドの構造や内部のデータ化、謎の空間の作られ方が映像とともに知ることができて楽しかったです。前よりもっとピラミッドに興味を持ちました!時間があっという間でした。ありがとうございます!!