皇學館大学連携協定事業「江戸時代の旅と巡礼の道-大紀町の名所・旧跡を中心に-」の事業報告
今年度の皇學館大学連携協定事業は、「江戸時代の旅と巡礼の道-大紀町の名所・旧跡を中心に-」と題し、大紀町を中心に伊勢から熊野を目指す人々が通った巡礼の道とその名所・旧跡についてお話しいただきました。

泰平の世となった江戸時代、街道の整備が進んだことで、人々はこぞって旅に出るようになりました。その代表的な旅先が伊勢神宮です。
江戸時代の旅は、道中での名所・旧跡の観光や食事、娯楽など、信仰心だけでなく、道中にあるさまざまな楽しみも織り交ぜられたものであったことが、当時の資料からうかがえると説明されました。
伊勢神宮の参拝を終えた巡礼者たちの中には、「西国三十三所巡礼(観音菩薩をまつる33の霊場を巡拝。那智が1カ所目)」に向かう人もおり、その道中、熊野街道(伊勢路)を通って大紀町を訪れました。
講座では、大紀町域の熊野街道に今も残る名所・旧跡について、歴史資料と講師が自ら撮影した写真で紹介され、まるで実際に街道を歩いているような感覚で学ぶことができました。
大紀町は伊勢を意識する最後の場所(伊勢の出口)であり、同時に熊野を意識する最初の場所(熊野の入り口)でもあります。
そこには地元の人々が大切に守り、受け継いできた歴史や文化が息づいています。「ぜひ大紀町を訪れ、その歴史・文化を感じてほしい」と結び、本日の講座は終了しました。


「ブックリスト(関連図書)」のご案内
三重県立図書館に所蔵されている講座関連図書のご案内です。
所蔵状況は講座開催日時点のものです。
- 江戸時代のお伊勢参りから熊野・大紀町までのお参りとはまさしく巡礼の旅だったのを初めて知りました。たくさんの寺社をおしえていただき、ありがとうございました。
- 現代と違い、旅をする人のための道標が重要なものだったと思われる。あまり知ることのできないものを教えていただき、大変勉強になった。
- 写真付きでの講義で当時のことを知ることができ有意義でした。
- 大紀町域の熊野街道の遺跡を興味深く聞かせていただき、勉強になりました。