講座ボランティア企画【第93回 名盤を聴く レオニード・コーガン特集】の事業報告
[チラシ文]旧ソ連(現ウクライナ)のドニプロペトロウシク生まれ。1934年モスクワ音楽院に入学、たちまちのうちに非凡な才能をあらわした。1951年エリザベート王妃国際音楽コンクールに優勝し、世界的に活躍するかたわらモスクワ音楽院で教鞭を執り後進の指導にあたった。”魔神と契約した天才”と称された超絶的なテクニックと鋭い感覚をもった名手コーガンの遺した名演を梶館長に紹介していただきます。
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この日の講座は、「レオニード・コーガンを実際にご覧になったことある方?」と講師による呼びかけから始まりました。なんと!生でコーガンの演奏をお聴きになった方が会場にいらっしゃいました。
プログラムの前半はヘンデルとルクレールを鑑賞。聴く前には講師より「作曲家の意図を尊重する意味でも、曲の一部分だけではなく、全楽章をお聴きになってほしいと思いながら選曲している」と強調されました。ルクレールで第2ヴァイオリンを弾くのは妻のエリザベータ・ギレリス=コーガンで、ピアリストのエミール・ギレリスの妹でもあり、実力と人気のあるヴァイオリニストだったと言います。
続いては名曲ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ。ピアノを弾くのはエミール・ギレリスです。講師からは「演奏者にとってもどちらも難しいが、すばらしいのでヴァイオリン・ピアノ両方に耳を傾けてほしい」と解説がありました。
ラストを飾るのはチャイコフスキー。第3楽章での圧倒的な迫力の超絶テクニックに酔いしれました。参加の方からは「濃厚な演奏に感動した」「はじめて知ったが素晴らしいヴァイオリニストだと思った」などの感想をいただきました。
1.ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ ホ長調 HWV.373
第1楽章 アダージョ
第2楽章 アレグロ
第3楽章 ラルゴ
第4楽章 アレグロ
(ピアノ) アンドレイ・ムイトニク
(1962年3月)
2.ルクレール:2つのヴァイオリンのためのソナタ ハ長調 Op.3-3
第1楽章 アダージョ ― ヴィヴァーチェ
第2楽章 アダージョ
第3楽章 アレグロ
(第2ヴァイオリン) エリザベータ・ギレリス=コーガン
(1963年11月)
3.ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調 Op.47
「クロイツェル」
第1楽章 アダージョ・ソステヌート
第2楽章 アンダンテ・コン・ヴァリアツィオーネ
第3楽章 プレスト
(ピアノ) エミール・ギレリス
(1964年3月)
――――――― 休 憩 ――――――
4.チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
第1楽章 アレグロ・モデラート
第2楽章 カンツォネッタ(アンダンテ)
第3楽章 アレグロ・ヴィヴァチェッシモ
指揮:コンスタンティン・シルヴェストリ
パリ音楽院管弦楽団
(1959年11月)
- 「名盤を聴く」は初めての受講です。素晴らしい音響と映像、館長のお話を拝聴して貴重な音源に出会った感動をおぼえました。次回も楽しみです。
- 素晴らしいプログラムと解説で古き良き時代を旅する気持ちでした。
- コーガン氏は今日まで知りませんでしたが、本当に素晴らしい技術を持ったバイオリニストであると認識しました。彼の名演奏が本日脳裏に刻み込まれました。
- 毎回演奏家の人生とともに聴くこの時間は 一幅の物語をたどっているようで感動します。 ありがとうございました。
- キレのある音色が素敵でした。 クロイツェルではピアノの音色もとても良くて聴き応えのあるプログラムでした。