みえアカデミックセミナー2024 鈴鹿医療科学大学公開セミナー「福祉と農業の連携でWin‐Winの課題解決」の事業報告
「みえアカデミックセミナー」は、三重県総合文化センターを会場に、三重県にあるすべての大学・短期大学・高等専門学校の高等専門機関全15校が有する高度な学びと県民の皆さまをつなぐ一大連携事業として開催されている公開セミナーです。
毎年7月と8月に各校1日程ずつ、選りすぐりの先生にご専門の研究内容を分かりやすくご講演いただいています。
前身となる「みえ6大学公開講座」(1996年スタート)を経て、「みえアカデミックセミナー」としては、昨年20年目を迎えました。これからも三重県内の皆さまに、たくさんの「まなびの種」をお届けしてまいります。
令和6年度の第12回は、鈴鹿医療科学大学 医療福祉学科 准教授の合田 盛人さんを講師にお迎えしました。
**************************【講演概要(チラシ紹介文より)】
農福連携は、福祉の分野で障がい者の働く場所が無いなどの問題と農業分野で高齢化と人手不足や耕作放棄地の増加などの問題を、農業と福祉が連携することで相互の課題解決を図る取組です。本講座では、現在注目されている農福連携の概要、農福連携と地域共生社会と自然栽培、本学キャンパス農園の活動についてお話しいたします。
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「農福連携」とは、文字通り農業と福祉の連携を指します。三重県は全国の中でも早い段階から農福連携の取り組みを進めてきた先進県だそうです。講座の前半は、農業と福祉それぞれが抱える問題について現状を洗い出し、農福連携に関する施策について解説いただきました。
全国調査の結果から農福連携には、受け入れた障がい者が貴重な人材となった、5年前と比較して年間売上が増加した、といった良い効果が報告されています。一方で、障がい者の賃金は国が定める最低賃金には届いておらず、福祉サイドの課題とされています。また農業サイドも技術指導や販路確保の支援などに問題があります。
講座の後半では、講師が大学構内で行っているキャンパス農園(SUMS自然農園)をはじめ、全国で行われているさまざまな形態の農福連携事例をご紹介いただきました。
農福連携は障がい者や高齢者等のすべての人々が地域で暮らし、生きがいを共に創り、高め合うことができる地域共生社会の実現に資する取り組みとして注目されているそうです。
終演後には本講座から学んだことを持ち帰り、実践してみたいと意欲に満ちた様子の受講者が質問に訪れていました。
- 農福連携は周りの理解と協力がとても大切だと思いました。理解の目を持って指導したり、共に働いたりする人材をいかに確保していくかが今後の課題と思っています。
- 農福連携について興味があったのでお話が聞けて良かったです。三重県が先進的な取り組みをしていること初めて知りました。いろいろな面で良い方向に進んでいくといいなと思います。
- 奈良の支援学校から参加させていただきました。とても良いお話で、なんとか子どもたちに活用できないか考えたいと思います。