みえアカデミックセミナー2024 四日市大学公開セミナー「能登半島地震の経験から学ぶ三重の地域防災」の事業報告
「みえアカデミックセミナー」は、三重県総合文化センターを会場に、三重県にあるすべての大学・短期大学・高等専門学校の高等専門機関全15校が有する高度な学びと県民の皆さまをつなぐ一大連携事業として開催されている公開セミナーです。
毎年7月と8月に各校1日程ずつ、選りすぐりの先生にご専門の研究内容を分かりやすくご講演いただいています。
前身となる「みえ6大学公開講座」(1996年スタート)を経て、「みえアカデミックセミナー」としては、昨年20年目を迎えました。これからも三重県内の皆さまに、たくさんの「まなびの種」をお届けしてまいります。
令和6年度の第3回目は、四日市大学 副学長 環境情報学部環境情報学科の鬼頭 浩文さんを講師にお迎えしました。
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2024年正月に発生した能登半島地震。半島の先にある輪島市や珠洲市の住民は、道路網も上下水道もズタズタになり、極限状態の数日間を過ごしました。本セミナーでは、行政・社協などと連携して実施している輪島市でのさまざまな災害支援ボランティアや現地視察の経験から、三重の地域防災について考えます。
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講師の鬼頭先生は、2011年に四日市大学の学生・教職員が中心となる「四日市東日本大震災支援の会」を立ち上げました。活動は東北に限らず、全国各地で災害が発生すると支援に出向いているそうです。講座の前半では、これまでどんな支援活動をしてきたのか、安全に活動するためにどんな準備をしたのか、被災者(被災地)の自立支援の視点について等お話しいただきました。
後半は、2024年1月に起きた能登半島地震の被災地支援の経験から学ぶべきこととして4つのポイント(1:住宅の耐震化の重要性、2:支援物資はすぐに届かないこと、3:衛生環境が劣悪になること、4:自主避難所が多数発生すること)を解説されました。災害時は避難途中で怪我をしているケースも多いこと、食事やトイレの備えの重要性、在宅避難など自主避難所を作るときは指定避難所に登録することで支援物資が受け取れることなど、受講者のみなさんはメモを取りながら聞いていました。
最後に、南北に長い三重県周辺で大災害が起きた時、南に行くにつれ支援が届きにくいのではないかと考えられているそうで、県内で助け合うような仕組みができると良いのではないかと締めくくられました。
- 実に身近に考えさせられる問題が多くありました。”いつ起こるかわからないが、いつでも起こりうる”という地震。くり返して家族とも話し合っていきたいと感じました。
- 11さいでも分かりやすく地しんの話が聞けてよかった。
- ていねいに身近な問題としてわかるような説明をしてもらえて、とても勉強になりました。四日市大学の学生さんの活動は、これまでにも知る機会があり、頭の下がる思いです。三重県は日本最大の半島と聞いたことがありますが、支援が届かない可能性は大きいなと感じました。