皇學館大学連携協定事業「斎宮貝合を読む」の事業報告
今年度の皇學館大学連携協定事業は、「斎宮貝合を読む」と題し、斎宮貝合の様子を伝える日記やそこに書かれた和歌の表現についてお話しいただきました。
「斎宮貝合」とは、長久元年(1040年)に、斎宮良子内親王の主催で行われた貝合です。「貝合」ときくと、現代の私たちがイメージするのは神経衰弱のような遊び(「貝覆い(かいおおい)」)ですが、この「貝合」は左右に分かれ「めづらしき」貝を出し合い、優劣を競う遊びであると説明されました。
「斎宮貝合日記」には、貝合開催までの事情や当日の斎王や女房たちの様子、貝が飾られた州浜(すはま:州や浜をかたどった飾り台)についてなど、貝合の様子が詳しく描かれ、「藤方」や「二見浦」などの斎宮周辺の地名や貝の名前が詠みこまれた和歌が添えられています。
講座では、貝合の様子や和歌に含まれた貝や地名に基づく珍しい表現・言葉遊びを解説していただき、当時の人々の楽しそうな姿やそこから読み解ける斎宮の文化についてお話しいただきました。
- 斎宮貝合のことを初めて知りました。斎王の周りにいた知的集団のようなものの存在を感じました。
- 大変面白く拝聴しました。斎宮の暮らしが垣間見えました。州浜を取りあげられていて、伊勢海辺地方の魅力がありました。