講座ボランティア企画【第90回 名盤を聴く オットー・クレンペラー 特集 第2弾】の事業報告
【チラシ文】ドイツのプレスラウ(現ポーランド、ヴロツラフ)生まれ。22歳でマーラーの推挙を受け、プラハのドイツ歌劇場の指揮者になり、以後、各地の歌劇場で活躍。ナチスドイツ政権樹立に伴いアメリカ合衆国に亡命。戦後はEMIプロデューサーのウォルター・レッグが設立したフィルハーモニア管弦楽団の首席指揮者として活躍しました。
命や指揮者生命を脅かす怪我や病気に幾度も見舞われながらも、その都度復活を遂げた波瀾万丈の生涯に遺したクレンペラーの名演、名録音を梶館長に紹介していただきます。
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前半はバッハとモーツァルトです。講師によると、クレンペラー指揮の音楽は「あまり小細工せずナチュラルで、木管楽器の音の伸びが生きている。外声(ハーモニーの最も高い音と最も低い音)だけでなく内声(高い音と低い音にはさまれたハーモニーを補う音)もよく聴こえる」という特徴があるとのことでした。
後半はベートーヴェンの『田園』です。この日聴いたのは1970年の演奏ですが、かつて1964年にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏を指揮した『田園』は好評を博し、ベルリン各紙が絶賛、カラヤンも嫉妬したというエピソードが講師より紹介されました。また、現在のオーケストラでは木管楽器は2管ずつですが、ここでは4管ずつ配置され、音の伸びを生かしているそうです。その他、テンポが全体的にゆっくりで第3楽章(「田舎の人々の楽しい集い」)は特に遅いのですが、これは「農民はきっと早く踊れない」というクレンペラーの考えによるとのことでした。
今回のプログラムは講師が数日悩み構成されたそうです。「最近の指揮者、確かに上手だが、個性が薄らいでいるような気もする。このように大きな個性を持つ指揮者がいたこと、皆さんに伝わったらうれしい」と講師が結び、この日の講座は終了しました。
1.J.S.バッハ: ブランデンブルグ協奏曲 第1番 へ長調 BWV1046
第1楽章 アレグロ
第2楽章 アダージョ
第3楽章 アレグロ
第4楽章 メヌエットートリオ1―メヌエットーポラッカーメヌエット
―トリオⅡ―メヌエット
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(1968年 ウィーン楽友協会大ホール)
2.モーツァルト: 交響曲第41番 ハ長調 K.551 ≪ジュピター≫
第1楽章 アレグロ ヴィヴァーチェ
第2楽章 アンダンテ・カンタービレ
第3楽章 アレグレット
第4楽章 モルト・ヴィヴァーチェ
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(1968年 ウィーン楽友協会大ホール)
・・・・・・・ 休憩 ・・・・・・・・
3.ベートーヴェン: 交響曲第6番 へ長調 Op.68 ≪田園≫
第1楽章 田舎に到着した時の愉快な感情
アレグロ・マ・ノン・トロッポ
第2楽章 小川のほとりの情景
アンダンテ・モルト・モッソ
第3楽章 田舎の人々の楽しい集い:アレグロ
第4楽章 雷雨、嵐:アレグロ
第5楽章 牧歌、嵐の後の喜ばしい感謝の気持ち
アレグレット
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
(1970年 ロンドン、ロイヤル・フェスティバル・ホール)
- 毎回解説を聞いての鑑賞に大満足しています。いつもありがとうございます。
- 初めて参加しました。家ではこのように大音響で聞くことができないので音の広がりや 各楽器の音色の動きがよく分かりました。またライブの生演奏にも出かけていきたいと思いました。
- 木管楽器の美しさ、優しさが前面に表現されていると思いました。多人数の合奏が1つに溶け合って曲を作り上げる素晴らしさに感動しました。
- 田園のファンタジーに酔いしれました。 芸術性に感動しました。次回も楽しみにしています。