講座ボランティア企画 第89回名盤を聴くレナータ・テバルディ特集 第2弾の事業報告
今年度の最後を飾るのは、クラシック界の重鎮に讃えられ、あのマリア・カラスと人気を二分したイタリアのオペラ歌手、レナート・テバルディ、2009年以来の第二弾として、名演を講師の解説と共にお届けしました。
【チラシ文】多くの名歌手を輩出した〈美声の産地〉として名高いペーザロに生まれ、第二次大戦後のイタリアオペラ界に一時代を画したソプラノ歌手。ミラノ・スカラ座の黄金期に活躍し、マリア・カラスと人気を二分し、人々を魅了しました。彼女のデビューに尽力した作曲家ザンドナイは「五十年に一度の声、いやもっと稀なもの」、巨匠トスカニーニは、「天使の声」と美声を称え、世界的な名声を得ました。
テバルディの豊麗な声と美しい歌いぶりを講師 梶館長に紹介していただきます。
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なじみのある「お父様にお願い」(歌劇『ジャンニ・スキッキ』より)からこの日の講座は始まりました。
講師によると、テバルディの全盛期は50年代から60年代とのことでこの日のプログラムもすべてこの時期のものです。
プログラムの中盤では、プッチーニの歌劇『トスカ』の中の代表曲「歌に生き恋に生き」について、テバルディとカラスの聴き比べを行いました。講師からは「どちらがいい、悪いではなく、違いを感じていただけたら」と解説があり、同じ曲でありながらも前者と後者では雰囲気が大きく違い、表現方法も異なることが伝わってきました。
引退後の1981年、パリ・スカラ座で収録されたインタビューでは、自身のキャリアを振り返り、「拍手は努力と犠牲への最高のごほうび」だと語り、結婚観や噂されたマリア・カラスとの不仲説についてもエピソードを交えながら率直に語っていました。
アンケートでは「今まで大きくオペラに興味はなかったが、今回で印象が変わった」や「レナート・テバルディの声は永遠」「カラスは『役者』であることがわかった」などの感想をいただきました。
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レナータ・テバルディ(「歌に生き恋に生き」)
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マリア・カラス(「歌に生き恋に生き」)
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「名盤を聴く」一覧を振り返る講師
【プログラム】
1.プッチーニ:歌劇『ジャンニ・スキッキ』より ~お父様にお願い~
(指揮) エルネスト・バルビーニ
CBCフェスティバル・オーケストラ
(1956年)
2.インタビュー (ミラノ・スカラ座にて)
(1981/1982年)
3.ヴェルディ:歌劇『アイーダ』より ~勝ちて帰れ~
(指揮) ヘルベルト・フォン・カラヤン
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(1959年)
4.プッチーニ:歌劇『トスカ』第2幕より ~カヴァラドッシとの2重唱~
5. 同上 ~歌に生き恋に生き~
(カヴァラドッシ) ジャンニ・ポッジ
(指揮) アルトゥーロ・バジーレ/NHK交響楽団
(1961年 東京文化会館)
6. 同上 ~歌に生き恋に生き~
(トスカ) マリア・カラス
(指揮) ジョルジュ・セバスチャン/パリ・オペラ座管弦楽団
(1958年)
――――――― 休 憩 ――――――
7.マスカーニ:歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』より
~ママの知るとおり~
8.ポンキエルリ:歌劇「ジョコンダ」第4幕 より ~自殺~
9.プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」第2幕より
~ある晴れた日に~
~蝶々さんの死(かわいい坊や)~
(指揮)ドナルド・ヴォールヒース / ベル・テレフォン・アワー オーケストラ (1967年)
10.プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」第1幕 フィナーレ
(ロドルフォ) ユッシ・ビョルリング
(指揮) マックス・ルドルフ/ ショウケース・シンフォニー・オーケストラ
(1956年)
- 「天使の声」と言われたのが納得しました。
- 歌劇をあまり聞くことがなかったので レナータ ・テバルディの名前は 初めて耳にしました。とても美しく迫力のある声で素晴らしかったです 。
- 本当に素敵な歌声で 表現者として素晴らしい人だと思いました。テバルディとカラスの 聴き比べ、 ここでしか味わえない企画で良かったです。
- 3年ほど「 名盤を聴く」を欠席いたしましたが このような広いホールで聞かせていただきありがとうございました。 2年後ぐらいで100回を迎えますね 。まずはその時を楽しみにしております。