かるみーといっしょ♬シリーズ
「数学×折り紙×アート ー曲線で折る折り紙ー」の事業報告
子どもと大人が世代を超えて同じものを学べる講座、かるみーといっしょ♬「数学×折り紙×アート ー曲線で折る折り紙ー」を開催しました。
講師は、国立大学法人 筑波大学システム情報系 教授 三谷 純さん。コンピュータを用いた立体折り紙の設計も行っている三谷さんは、折り紙をモチーフとしたラグビーワールドカップ2019日本大会でのプレイヤー・オブ・ザ・マッチ トロフィーのデザインにも協力した経験をお持ちです。
はじめに、三谷さんは自己紹介をされた後、コンピュータで作ることのできる折り紙の形と実際に紙で折れる形との違いや、どのように曲線折り紙を作っていくのかについて教えていただきました。
また、有名ブランドの洋服やバッグに折り紙の技術が活かされていることや、映画『シン・ゴジラ(2016)』の中でも重要な役割を果たした折り紙のデザインにも携ったことがあるなど、折り紙の研究が身近な分野でどのように活用されているかについてお話をいただきました。
江戸時代には遊びとして「折り紙」が発展したとおっしゃられ、折り方の解説本も既にあったことや、「折り鶴」と三重県との意外な関係についても解説していただきました。「おりがみ」という言葉は世界共通であると教えていただいた上で、世界でも折り紙によく似た技術は古くからあったことから「折り紙」が日本独自の技術と考えるのは誤解であるとお話しいただきました。
そして、現代のまるでフィギュアのように立体的な折り紙作品やアートのような作品などご紹介いただきました。
折り紙の「折りたたむ」と「展開する」という行為について、扇子を例に分かりやすく教えていただきました。折り紙の様々な折り方が建築分野でも生かされていること、「ミウラ折り」という日本の折り紙の技術が宇宙開発の分野でも重要な役割を果たしていることを教えていただきました。
展開図の世界共通の見方を解説していただき、「局所平坦折り条件」という「山の数と谷の数の差は2」、「1つおきの数の和は180度」という折り紙を折る上で重要な2つの定義を教えていただきました。その定義をもとに「この折り方は実際に折ることが出来るか?」といくつかの問題を講師が出し、会場の皆さんは一生懸命に考えていました。
後半では、講師が用意した型紙を使って2種類の曲線折り紙に挑戦するワークショップを実施しました。講師が実際に折りながら注意点や折り方のコツなど丁寧に説明し、子どもも大人も楽しそうに体験していました。見て・聞いて・学んで・体験してと「折り紙」の奥深さを存分に知ることができた講座となりました。
- 折り紙に「記憶力が良い紙」と「記憶力が良くない紙」があると初めて知りました。初めは「えぇ~曲線で折れるはずないよ~」と思っていたけど、曲線で折った作品も実際にあって驚きました。しかも自分でやったとなると達成感が半端ないし難しいけれど楽しく折れたのでまた曲線で折るということをしたいです。歴史が好きなので折り紙の歴史を学びつつ歴史を深めていこうと思いました。家でも曲線で折ってみたいです。(子ども)
- 折り紙でこんなに曲線が折れるということに驚いた。また機会があったらやりたい。(子ども)
- 折り紙で曲線を折れるのは初めて知りました。(子ども)
- 折り紙は遊ぶ系だと思っていたけどこんなに奥深くまであったとは知らなくてびっくりしました。(子ども)
- 折り紙の歴史について興味を持った。(子ども)
- 折り紙の奥深さを学ぶ機会になりました。社会の中にこれほど折り紙の技術が使われていることを再認識することができました。平面が立体になる楽しさや不思議を体感することができました。(大人)
- 娘が折り紙が大好きなので参加したのですが、お話がとても面白かったです。「しわくちゃを折り紙で作る」というところが面白いです。折り紙が色んなところで活かされており、これからの可能性も感じました。(大人)
- 折り紙は奥が深いですね。単純な折り方のようなのに素敵な形になり難しいという…面白かったです。(大人)
- 折り紙の歴史まで教えてもらえると思いませんでした。現代との対比面白かったです。実際に折ることもできて五感で楽しめました。(大人)