みえアカデミックセミナー2023 鳥羽商船高等専門学校公開セミナー「スウェーデンの女性医師が直面するジェンダー問題」の事業報告
「みえアカデミックセミナー」は、三重県総合文化センターを会場に、三重県にあるすべての大学・短期大学・高等専門学校の高等専門機関全15校が有する高度な学びと県民の皆さまをつなぐ一大連携事業として開催されている公開セミナーです。
毎年7月と8月に各校1日程ずつ、選りすぐりの先生にご専門の研究内容を分かりやすくご講演いただいています。
前身となる「みえ6大学公開講座」(1996年スタート)を経て、「みえアカデミックセミナー」としては、今年ついに20年目を迎えました。
これからも三重県内の皆さまに、たくさんの「まなびの種」をお届けしてまいります。
令和5年度の鳥羽商船高等専門学校 公開セミナーは、一般教育科 准教授 深見 佳代さんを講師にお迎えしました。

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スウェーデンは男女格差が小さい国として知られており、男女医師率はほぼ同率です。一方で診療科の古典的男女分離(外科系は男性が多いなど)は続いており、性差別的文化の根強さが背景にあると指摘されています。講義ではスウェーデンの女子医学部生が外科系を避けるに至る流れについて解説し、日本への示唆を提示します。
【講師からのメッセージ(講師一覧紹介文より)】
今回はスウェーデンの女性医師が直面するジェンダー問題についてお話させていただきますが、性差別の問題は時代や国を超えて共有されやすいです。日本の女性外科医の前でも講演をする機会が多いですが「モヤモヤしていた気持ちを全部言語化してくれた」という感想を多くもらいます。医師でなくても、また女性でなくても、現代の労働現場がかかえる息苦しさについて共に理解できる機会になるでしょう。
今回はスウェーデンの女性医師が直面するジェンダー問題についてお話させていただきますが、性差別の問題は時代や国を超えて共有されやすいです。日本の女性外科医の前でも講演をする機会が多いですが「モヤモヤしていた気持ちを全部言語化してくれた」という感想を多くもらいます。医師でなくても、また女性でなくても、現代の労働現場がかかえる息苦しさについて共に理解できる機会になるでしょう。
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スウェーデンにおける医師のジェンダー問題、特に外科系の女性医師が少ない現状の背景にある性差別的文化の根強さについて紹介していただきました。
日常的に積み重なる微妙な不快感、些細な経験の繰り返し(マイクロアグレッション)が女性の自信やキャリア思考を阻害する可能性があることを指摘し、日本でも2018年に医学部における女性受験者差別問題が明らかになったことなどを踏まえて、性差別文化そのものの解消や、労働環境の改善、上司や周囲の人間への指導、教育の必要性を強調されました。
国や職業、そして性別に関係なく、全ての社会に共通する可能性のあるテーマに、受講者は真剣に聞き入っていました。
- 例として医療界の事で講演されましたが、社会全体ですね、勉強になりました。
- マイクロアグレッションということが影響大きいことと感じました。自分も気をつけたいです。
- ジェンダーについてスウェーデンだけでなく日本の受験者差別問題等日本の現状についてふれて頂いたのはよかったと思います。スウェーデンの職場文化のプロセスよく理解出来ました。参考になりました。