みえアカデミックセミナー2023 鈴鹿医療科学大学公開セミナー「健康も医療『セルフ』の時代」の事業報告

開催日
2023年8月9日(水曜日)
開催時間
13時30分から15時00分まで
開催場所
三重県文化会館1階 レセプションルーム
講師
鈴鹿医療科学大学 薬学部 薬学科 准教授 森 尚義さん
参加人数
72名
受講料
無料

「みえアカデミックセミナー」は、三重県総合文化センターを会場に、三重県にあるすべての大学・短期大学・高等専門学校の高等専門機関全15校が有する高度な学びと県民の皆さまをつなぐ一大連携事業として開催されている公開セミナーです。
毎年7月と8月に各校1日程ずつ、選りすぐりの先生にご専門の研究内容を分かりやすくご講演いただいています。
前身となる「みえ6大学公開講座」(1996年スタート)を経て、「みえアカデミックセミナー」としては、今年ついに20年目を迎えました。
これからも三重県内の皆さまに、たくさんの「まなびの種」をお届けしてまいります。


令和5年度の鈴鹿医療科学大学 公開セミナーは、 薬学部 薬学科 准教授 森 尚義さんを講師にお迎えしました。

講師写真
鈴鹿医療科学大学 薬学部 薬学科 准教授 森 尚義さん

**************************【講演概要(チラシ紹介文より)】
デジタル社会の進展に伴い、健康や医療に関する情報を簡単に入手できる時代となりましたが、残念ながらすべてが正しいとは限らないのが実情です。本セミナーでは、くすりの話題を中心に、健康と医療に関する情報を「みなさんご自身で活用する」ためのヒントをご紹介し、賢く生きるための作戦を一緒に考えます。

講師メッセージ(講師一覧紹介文より)
患者さんの治療だけではなく、地域のみなさんの健康の維持と、病気の予防に責任を持てる薬剤師を養成するとともに、法学・社会学・倫理学・経済学などの学際的な立場から、医療従事者と患者さんが抱える社会的課題についての研究を行っています。このご時世、「おまかせコース」だけではなく、しっかりと「セルフサービス」も活用して、自らの身を自らで守ることが重要であると考えています。本セミナーでは、健康と医療に関する情報を「みなさんご自身で活用する」ためのヒントをご紹介します。これからの時代を賢く生きるための作戦をみなさんと一緒に考える、よい機会となることを願っています。

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毎日を健康で快適に過ごすために「セルフメディケーション」が注目されています。
「セルフメディケーション」とは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と世界保健機関(WHO)は定義しています。適度な運動・バランスの良い食事・十分な睡眠により、もとから備わっている自然治癒力を高めること、また、軽い風邪などの体調不良時に市販の薬を飲んで対処することなどを指します。
講師は、急に大病を患ったように見えても、実際はその前段階があるはずであり、「健康」や「半健康(未病)」の時点で予防をすることが大事であること、そしてそのためには自分の通常の健康状態を知っておくことが大切だと話されました。
また、間違った情報に惑わされないことも重要であり、ある薬を使って病気が治ったからといって、本当にその薬が効いたとは限らないこと、「1. 使っ『た』 2.治っ『た』 3.だから効い『た』」という考え方は「3た論法」と呼ばれ、科学的には間違った考え方とされていることを紹介され、安易に自己判断をせず専門家の指導を受けることも大切であると語られました。 

最後に講師は、「セルフメディケーション」とは、医療機関を避けるべきという意味ではないこと、必要に応じて医療機関を受診することの重要性を強調されました。積極的に健康管理を行い、これからの時代を賢く生きて欲しいと語られる講師の言葉に、参加者も真剣に耳を傾けていました。

講演の様子健康という言葉の語源は「健体康心」。体健やか、心康らかな状態を表します。

講演の様子2体を大きく開くポーズでストレッチ。姿勢が気持ちに影響を与えることもあるそうです。

参加者の声

  • セルフメディケーションの重要性を認識しました。セルフメディケーションの事を知り日常の生活の中に取り入れたいと思います。
  • とてもわかり易くて為になりました。健康サポート薬局があると知らなかったので、ぜひ近所の薬局を探してみます。
  • テーマから厳しいお話かと思い受講致しましたが、とても分かりやすく楽しくお話しいただきました。薬学の貴重なお話大変参考になりました。