みえミュージアムセミナー斎宮歴史博物館「海の祈り-海と神社と人々の想い-」の事業報告

開催日
2023年10月20日(金曜日)
開催場所
三重県生涯学習センター2階 視聴覚室(三重県総合文化センター内)
開催時間
13時30分から14時40分まで
講師
船越 重伸さん(斎宮歴史博物館 学芸員)
参加人数
会場68名 オンライン31名  サテライト会場(志摩市)4名
参加費
無料
講師
講師の船越さん

史跡斎宮跡の一角に建つ斎宮歴史博物館では、2023年10月7日から11月26日に特別展「海の祈りー海浜の神社と伊勢神宮ー」が開催されています。特別展をより楽しむための講演会とパネル展示を三重県生涯学習センターで開催しました。

***************************―チラシ文より―
古来、人やモノの交流、移動は、陸路のみならず海路によっても行われていました。中でも、海路による交流や移動は、私たちの想像を超える困難を伴うものであったことから、古くから人々は、航海の無事や安全などを神々に祈る祭祀を行ってきました。また、神々に捧げられる神饌には、山の幸のほか、海の幸も供えられており、こうした平安な世への祈りと感謝を示す祭祀は、現在でも連綿と行われています。このような人々が織りなすさまざまな活動の成就や平安な世を願う想い、感謝の気持ちをどのようにして神々に伝えていたのかを「海」と「神社」という視点から捉えてみよう思います。
***************************

世界遺産となった「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群は、日本列島と朝鮮半島の中間地点にあり、航海の安全と交流の成就を祈る祭祀の場であり、古代祭祀の変遷を示す遺跡が手つかずで現代に受け継がれており、海と人々の祈りをあらわす貴重な場所であると説明されました。
そして、海と山に囲まれた三重県にも海に関連した神社仏閣や祭礼が多く残っています。伊勢湾の入り口に位置する神島にある八代神社では、古墳時代から室町時代の銅鏡などの神宝が発掘されています。さらに鳥羽市にある青峰山正福寺は海上守護の霊峰であり漁業関係者が納めた奉納絵馬が100点以上あるそうです。海への祈りとして「セーマンドーマン」の魔除けの印や、漁船などの船のお守り「フナダマ」の紹介などもありました。斎王の海や川への祈りとして、禊(みそぎ)があります。斎王群行では、京から斎宮までの道中に6カ所の川で禊を行ったそうです。
今回の展示では、明治時代初めまで行われていた伊勢神宮の贄海神事についての古文書の展示があり、贄海神事の由来や明治3年に贄海神事が行われなくなった証拠となる文書なども公開されているそうです。
今回の講座は、オンライン配信も行われ、志摩市ではサテライト会場も開設され、より多くの方にお届けできました。

全体
講座の様子
展示
パネル展示

参加者の声

  • 海に囲まれた国日本ならではの、海にかかわる様々の神事があり、三重県(伊勢の国)ならではの神事は、とても貴重な財産だと思いました。ぜひ博物館で本物に出会いたいです。(会場)
  • オンライン講座 で参加でした。聞けないと思っていましたが、アーカイブに助けられました。内容は、地元のみそぎのことでしたが、なかなかないようなお話でした。ありがとうございました。(オンライン)
  • 伊勢で祓川を通っていたが、今回意味がよく分かった。(サテライト会場)