みえアカデミックセミナー2023 三重県立看護大学公開セミナー「“がん”を知ろう!-正しく理解し、正しく対処しよう-」の事業報告
「みえアカデミックセミナー」は、三重県総合文化センターを会場に、三重県にあるすべての大学・短期大学・高等専門学校の高等専門機関全15校が有する高度な学びと県民の皆さまをつなぐ一大連携事業として開催されている公開セミナーです。
毎年7月と8月に各校1日程ずつ、選りすぐりの先生にご専門の研究内容を分かりやすくご講演いただいています。
前身となる「みえ6大学公開講座」(1996年スタート)を経て、「みえアカデミックセミナー」としては、今年ついに20年目を迎えました。
これからも三重県内の皆さまに、たくさんの「まなびの種」をお届けしてまいります。
令和5年度の三重県立看護大学 公開セミナーは、看護学部 看護学科 成人看護学 教授 大川 明子さんを講師にお迎えしました。

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2人に1人がかかる“がん”。「自分は大丈夫!」なんて言っていられません。その“がん”を正しく知って、正しく対処することは個人・家族にとって大切です。本セミナーでは“がん”に対処する医療関係者の立場、患者・家族の立場、そして医療支援システムの取り組み、“がん”との共生(共に生きる)などを紹介します。
2人に1人が“がん”になる現在、「自分は大丈夫!」なんて言っていられません。“がん”と診断されたら、「死に病」だと誰しもが恐怖におち入り、ショックを受けます。しかし、その“がん”も今では医療の進歩によって早期の発見や治療法の改善により、治癒率の向上が見られますので、“がん”を正しく知って、正しく対処し、“がん”と向き合いましょう。そのためには“がん”を正しく理解することが大切です。本セミナーでは、“がん”に対する正しい知識を紹介し、対処する医療関係者、患者・家族や周囲の人達、そして看護支援システムなどを紹介します。“がん”も慢性疾患の一つととらえ、“ がん” の人もそうでない人も、お互いを尊重して、希望をもって“ がん”と共生(共に生きる)していきましょう。
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患者には自分の病気について知る権利があり、同時に治療方法の選択など「自分らしく生きていくための意思決定」をすることが必要です。自身の価値観を尊重し、より良い人生を送る為に、治療に際しては自分の希望を遠慮なく医師に伝えて欲しいと話されました。
そして医療関係者のサポートを十分に活用し、病気への理解を深めることが大事であるとしたうえで、家族や周囲の人々との関わり方についても触れられました。自分の病気のことを急いで周りの人へ伝える必要はないこと、自分のペースで伝えればいいということを強調されました。
またご家族は、患者を思うあまりに自分の気持ちを抑えてしまうことが少なくありませんが、自身の日常生活も維持していく必要があります。そのため、ご家族は「第二の患者」とも言われます。過度に不安にならずに、医療関係者のサポートを受けることの必要性を改めて伝えられました。
現代では通院しながら治療を続け、仕事や日常生活を続ける方が大勢います。医療機関やがん相談支援センターなどのサポート体制を知り、活用することで自分らしく幸せに生きて欲しいと締めくくられました。
- がんになっても、今と同じように生活できる気持ちがまた強くなりました。うれしいです。
- 病気のことは他人に伝えたくないと思っていたが、協力を得たり支えてもらうためには、適切な伝え方が大切だと感じました。
- がんに限らず、チーム医療や本人・家族を支える周囲の人々との関わりが大切だと学びました。