みえアカデミックセミナー2023 三重大学公開セミナー「光がつなぐ食と農」の事業報告
「みえアカデミックセミナー」は、三重県総合文化センターを会場に、三重県にあるすべての大学・短期大学・高等専門学校の高等専門機関全15校が有する高度な学びと県民の皆さまをつなぐ一大連携事業として開催されている公開セミナーです。
毎年7月と8月に各校1日程ずつ、選りすぐりの先生にご専門の研究内容を分かりやすくご講演いただいています。
前身となる「みえ6大学公開講座」(1996年スタート)を経て、「みえアカデミックセミナー」としては、今年ついに20年目を迎えました。
これからも三重県内の皆さまに、たくさんの「まなびの種」をお届けしてまいります。
令和5年度の三重大学公開セミナーは、三重大学大学院生物資源学研究科 教授 橋本 篤さんを講師にお迎えしました。

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農業や食品加工の現場では光(電磁波)が重要な役割を果たしています。また、情報化が進み多様化している現代において、その役割は今まで以上に注目されています。食を取り巻く現状を考慮した上で、農業や食品加工の現場において光(電磁波)のどのような利用が期待されているのか、研究例をとおして紹介します。
超高齢化や生活様式の変化など多様化が進んでいる「食」を担うデータ駆動型のスマートフードシステムへの展開に寄与する農産物・食品のマルチバンド光センシング、光センシング情報に基づいた栽培管理技術、および先端的食品加工技術に関する基礎的研究と応用研究をおこなっています。 本講演では、農業や食品加工などの現場では光(電磁波)がどのように利用され、どのような役割を期待されているのか、研究例をとおして紹介します。
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「タイトルの『食』と『農』は結びつきやすいが、なぜ『光』なのかが、今日の講義のポイントです。」との言葉で講演が始まりました。
そして、食をとりまく現状として、多面的な意味での「持続性(サステナビリティ)」や、「持続可能な食料システム(サプライチェーン)」の構築が求められている世界の状況をお話しされました。
さらにICTなどの先端技術を活用した「スマートフードシステム」への取組みも始まっている中で、農業分野についてはトマトの栽培などを例に、食品加工分野においてはコーヒー・酒・フリーズドライ食品などを例に、それぞれ「光」をどう応用していくかを具体的な研究例とともにお話しいただきました。
最後に、常に我々の生活の中にある光を、どうやってフードシステムに導入するかが、今後検討されていくべき課題であると講演を締めくくられました。
参加者の方々も、生活から切り離すことのできない食の分野をめぐる最先端の話題に熱心に聞き入っていました。
- 光と食の関係、色々な応用面がある事を理解しました。
- トマトを生産、販売等していますので楽しいお話でした。
- 光による成分分析、10年以上も前からソムリエロボットを開発されて、驚きと感動の研究のお話ありがとうございました。