人・まち・セミナー「人と動物の共生-動物たちの幸せを守るために-」の事業報告
令和5年度の人・まち・セミナーは、「人と動物の共生-動物たちの幸せを守るために-」と題して、タケガワふれあい動物園の竹川直樹園長に内容をお話しいただきました。
三重県松阪市にある「タケガワふれあい動物園」。
ここには、ヤギやリクガメ、アヒルにミニブタなど、竹川さんに引き取られた動物たちがたくさん住んでいます。園内には一部を除いて柵がなく、動物たちと直にふれあうことができ、いのちのぬくもりを感じることができる動物園です。
人間と動物との共生を考える事例のひとつとして、アライグマの話を紹介していただきました。
アライグマは本来、野性的過ぎて人間が飼育するには向いていない動物です。
ペットブームによって北米からたくさんのアライグマが輸入された結果、飼育放棄され野生化し、田畑を荒らす「害獣」に認定されてしまいました。今では飼育することは禁じられ、害獣として殺処分されています。
「動物との共生」は、動物と動物が好きな人のためだけのものではありません。
例えばTNR(野良猫を捕獲し、不妊手術を行い、元の場所へ戻す)活動。
地域の野良猫が減ることで鳴き声やゴミが荒らされなくなり、動物による害も少なくなります。
動物が嫌いな人が快適に過ごすためにも、動物との共生は重要なことだともお話されました。
講座の最後には、飼えなくなった動物の生涯預かりも行うペットホテルの取組を紹介し、動物を飼うならば最期まで責任をもってしっかり飼ってほしいと結び、本日の講座は終了しました。
タケガワふれあい動物園の紹介
タケガワふれあい動物園は行き場のない動物を保護したことをきっかけに2019年に小さな動物園としてスタートしました。
開園後も今に至るまでやむを得ない事情で飼えなくなったペットを引き取ったりとたくさんの動物たちに囲まれる園に成長しました。
ほとんどの動物にケージは無く、敷地内でのびのび過ごす動物たちとふれあえる入園料無料の施設です。
運営費は本業(隣接のタケガワ塗装)からの持ち出しと募金や応援サイトの売り上げで維持しています。
「1頭でも多くの命を救いたい」
「家で飼うことが難しい子どもたちにもふれあってほしい」
「命の温もりを感じてもらいたい」
そんな想いで運営しています。
- ペットを飼う時の責任・覚悟が必要なことがとてもよくわかりました。ペットが終生人間と共生していけるといいなと思いました。(会場受講)
- 動物が大好きで何度か動物園にうかがう中でこの講演を知りました。まだまだ動物の役に立てるような力はありませんが、いつか園長のように深い愛で動物を救える、愛せる人になりたいと思いました。また遊びに行きます!!(会場受講)
- 大変に有意義なお話をありがとうございました。園長の動物への愛情と、ご苦労がよく伝わりました。動物を飼う時には、「自身の寿命も考える必要がある」というお言葉に、命を預かるということの責任の重さを考えさせられました。貴重なお話をありがとうございました。(オンライン受講)