みえミュージアムセミナー 伊勢型紙資料館「伊勢型紙の秘密」の事業報告

開催日
2023年9月22日(金曜日)
開催場所
三重県生涯学習センター2階 視聴覚室(三重県総合文化センター内)
開催時間
13時30分から15時00分まで
講師
代田 美里さん(鈴鹿市文化スポーツ部文化財課 学芸員)
参加人数
会場72名 オンライン36名  サテライト会場(川越町)8名
参加費
無料
講師
講師の代田さん

伊勢型紙資料館は、江戸時代末期の建物で白子屈指の型紙問屋であった寺尾斎兵衛家の住宅を修復して、平成9年に開館しました。寺尾家住宅は、型紙関係の商家としてまた町家建築の代表例として、鈴鹿市史跡に指定されており、伊勢型紙資料館では、型紙資料などを収蔵・展示しています。伊勢型紙についての講演会とパネル展示を三重県生涯学習センターで開催しました。

***************************―チラシ文より―
和紙を柿渋で貼り合せた地紙に専用の彫刻刀で様々な文様を彫り抜いて作られる「伊勢型紙」。本来は染色に使う道具ですが,近年は美術的な価値も認められています。そのデザインは、粋でお洒落な江戸の人たちを魅了し,江戸後期には日本中に広がりました。伊勢型紙の歴史と,連続パターンが生み出す無限の文様世界を紐解きます。
***************************

講演は、「伊勢型紙ってどんなもの?」「歴史について」「文様について」と、順番に説明をされました。まずは、「現在、伊勢型紙といえば額装されたインテリアなどに用いられていることが多いのですが、実は伊勢型紙は染色に使うための道具から始まっているのです。」というお話しから始まりました。

前半は、型紙の技法、なぜ白子の地で型紙が作られ、全国的に広がっていったのかという説明を、今に伝わる伝承や、文書から丁寧に解説されました。そして、後半では伊勢型紙の様々な文様についての説明がありました。松竹梅などの縁起の良いものから、身近な素材、洒落っ気、季節感などが取り入れられており、時にはまるで謎解きのような柄もあり、参加者の方々も熱心にスクリーンをご覧になっていました。
現在は、職人の方の数も減りつつあり規模が小さくなってきている産業ではあるけれども、この伝統工芸を未来につなげていきたい、ぜひ皆さんも本物を見に来てください。と締めくくられました。

今回の講座は、遠方の方でもご自宅などで受講いただけるオンライン配信と、川越町にご協力いただき川越町施設でのサテライト会場の設置を行いました。

全体1
講座の様子
パネルパネル展示

参加者の声

  • 長年白子の近くに住み、伊勢型紙を見てきたが、1000年以上に及ぶこの型紙の栄枯盛衰の歴史を初めて知って、とても興味深かった。(会場)
  • 伊勢型紙の歴史だけでなく、文様のかくれた意味の歴史があって楽しく拝聴できました。ありがとうございました。(会場)
  • 型紙模様の中に意味のある柄があるのは知りませんでしたので、来てよかったと思ってます。楽しく興味深く聞くことが出来ました。(会場)
  • オンライン視聴で参加しました。講師の声の聴こえ方、画面の見易さともにオンラインでこそじっくり拝聴出来た内容かと思いました。せっかくコロナ禍でオンラインスキルが進んだので、是非今後もオンライン講座をおねがいします。知的好奇心旺盛な聴衆も高齢化し、移動せずにはっきり聴こえてよく見える講座は、大変ありがたいです。(オンライン)