みえアカデミックセミナー2023 四日市大学公開セミナー「ウクライナ・フィルター -情念と情報の国際関係-」の事業報告
「みえアカデミックセミナー」は、三重県総合文化センターを会場に、三重県にあるすべての大学・短期大学・高等専門学校の高等専門機関全15校が有する高度な学びと県民の皆さまをつなぐ一大連携事業として開催されている公開セミナーです。
毎年7月と8月に各校1日程ずつ、選りすぐりの先生にご専門の研究内容を分かりやすくご講演いただいています。
前身となる「みえ6大学公開講座」(1996年スタート)を経て、「みえアカデミックセミナー」としては、今年ついに20年目を迎えました。
これからも三重県内の皆さまに、たくさんの「まなびの種」をお届けしてまいります。
令和5年度の四日市大学公開セミナーは、総合政策学部 総合政策学科 教授 富田 与さんを講師にお迎えしました。
**************************【講演概要(チラシ紹介文より)】
2022年2月にロシアによるウクライナでの「特別軍事作戦」が始まってからの国際情勢は、ウクライナと結び付けられて語られることが増えた。そこで語られる様々な情念や参照される情報には、「ウクライナ・フィルター」とでも呼ぶべき選別や加工のプロセスを透過してきたものが目立つ。この「ウクライナ・フィルター」は、国際関係をどのように変え始めているのだろうか。
初めて大学の教壇に立ったのはロシアのニジニイノブゴロド言語大学で、その教室にはウクライナなど旧ソ諸国からの留学生が多く軍関係者もいました。継続中のウクライナ紛争では彼ら彼女らの祖国同士がぶつかりあっています。
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講師の富田さんはまず、プーチン大統領の4つの演説を紹介し、日本では報道されることの少ないロシア側の見方を解説した上で、国際情勢について客観的な立場で解説されました。
そして情報の伝え方や伝わり方によって、ものの見え方が変わっていくことを「フィルター」という言葉で表し、日本で報道される情報にはウクライナ側の視点に立った「ウクライナ・フィルター」がかかっていることが多いと指摘されました。
また、最近の食糧やエネルギー資源の価格高騰に関しては、日本ではロシアのウクライナ侵攻が主な要因であるかのように思われることが多いですが、実際には以前から個別の要因があることも具体的なデータをもとに説明されました。
視点を変えることにより見えてくるものが変わってくるということに改めて気付かされる講演となりました。
- 物の見方、見る角度がいかに大切か、大変大事な講義を勉強させて戴きました。
- 多方面からの視点の重要性について改めて感じました。
- 時期を得た講話でありウクライナ侵攻について、よく理解できました。非常によい講話でした。本当にありがとうございました。
- ロシアが正しいということではなく、「ロシアの見方」を知るべきだという先生の考えはすばらしいと思います。