講座ボランティア企画【第88回名盤を聴く ウインナーモデル管楽器開発物語】の事業報告
【チラシ掲載文】日本人初の西ドイツ金管楽器制作マイスターの称号を取得された講師 梶吉宏さんは、ヤマハ株式会社、株式会社音楽之友社を経て、三重県文化会館館長に就任されました。
シリーズ「名盤を聴く」では、20世紀に遺されたクラシック音楽の名盤を紹介していただき、毎回好評を得ています。今回は「ウィーン・フィルを助けた男」とも評され、国内外の音楽界で幅広く活躍されてこられたご自身の貴重なお話を初めて語っていただき、開発された楽器を使ったウィーン・フィルの名盤も紹介いただきます。
講座の前半では、1960年代後半、西ドイツへ留学時代のウインナーモデル管楽器開発までの過程、完成した楽器のテスト方法を写真などを用い講師より解説がありました。若き日の講師の姿に会場から声が上がる場面もありました。西ドイツ時代、工具箱を持ってコンサート会場に赴いては楽器を無料で修理することで、楽団員や一流指揮者たちの信頼を得ていったそうです。 そして、歌劇『アイーダ』第2幕第2場『凱旋行進曲』(79年5月)で、カラヤンも満足し、謝意を述べたその音色を確かめました。
後半は、開発されたウインナーモデルがオーケストラの楽器の多くを占めた、ブラームスの『交響曲第2番二長調 』を鑑賞。その後、講師に対する質疑応答が行われました。「いちばんつらかったことは何ですか?」の問いに「つらいと思ったことは一度もない。」と即答され、「好きなことをずっと続けて来られた。人にも恵まれた」と続けられました。長い間、音にこだわり、その道を歩き続けた講師に万雷の拍手が送られ、この日の講座は終了しました。
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若き日のご自身を見つめる講師 -
質疑応答の様子 -
展示に足を止める方々
- 今まで 館長の梶さんについて あまり知らなく、でもとても知りたく思っておりました。 講座を聞いて納得しました。 ワンコインコンサートでは これまで何回も楽しませていただき、 その人脈の広さに驚いています。 これからも 総合文化センターを通して豊かな日々を過ごしていけたらこんなに嬉しいことはありません。
- 申し分のないセミナーでした。 館長のこれまでの歩み 思いなどを伺えてとても良かった 。是非こうした企画も時折していただけると嬉しい。ありがとうございました。
- 何回か 「名盤を聴く」に参加しましたが 今回の企画が最高です。
- 難しい ウィーンフィルの管楽器開発への信念 、情熱に心揺さぶられました 。演奏 音色の素晴らしさがいつもより心に響きました。
- クラシック初心者の私ですが梶さんのおかげで「ワンコイン」や「名盤を聴く」などとても楽しく豊かな時間を過ごさせていただいています。日本の、いえ、世界の梶さん、これからもお体に留意されて音楽の素晴らしさを多くの人に伝えてほしいです。