講座ボランティア企画 シリーズ文学(2回連続講座)【森鷗外を読む~没後100年の文豪の世界~】の事業報告

開催日
2023年3月5日(日曜日)/12日(日曜日)
開催場所
三重県文化会館小ホール(三重県総合文化センター内)
開催時間
14時00分から16時00分まで
講師
河原徳子さん(日本文学研究家) 生田隆明さん(和太鼓奏者) ※3月12日のみ出演
参加人数
158名(3月5日) 161名(3月12日)
参加費
無料

講座ボランティア企画・シリーズ文学(2回連続講座)、今回は昨年没後100年を迎え、注目を集める森鷗外の生涯と作品にせまりました。

講師 河原徳子さん(日本文学研究家)

「シリーズ文学」は、2003年の「瀬戸内寂聴文学へのいざない」よりスタートし、今回で20回目を迎える当センターの人気講座です。また、また資料の準備や当日の運営・司会なども講座ボランティアの皆さんが大きく携わっています。

第1回は森鷗外の生涯を年譜をひも解きながら振り返り、『舞姫』『普請中』を取り上げました。鷗外は文久2年(1862)、現在の島根県の典医の家に生まれ、幼い頃から聡明で10歳で上京、年齢を偽り12歳で東京医学校予科(のちの東京大学医学部)に進学、軍医になった後、22歳で医学の先進地ドイツへ派遣され、26歳で帰国後、文学活動を始めました。28歳の時の作品『舞姫』には自身のドイツ留学時の恋愛、日本まで追ってきた恋人と悲恋が描かれていると言われますが、講師によると、家父長制度下にある日本文化と、自由と美の西欧文化との断絶の象徴とも読め、<公>の前に<私>を切り捨てた己れの生のありさまが小説化され、その時に、森鷗外という作家が誕生したといえるそうです。

和太鼓奏者 生田隆明さん

第2回は講師による『山椒太夫』『高瀬舟』の朗読と和太鼓奏者・生田隆明さんによる演奏との共演を中心に講座が進みました。講師の声に太鼓の音が加わることで情景が浮かぶようで会場には目を閉じてその世界を味わっている方もいらっしゃいました。前半と後半の間には生田さんによる太鼓の解説や曲の演奏、講座の最後には『山椒大夫』の一節を太鼓の音付きで皆さん一緒に群読するというぜいたくな時間もありました。「実際にお声に出すと『鷗外のリズム』が分かるのではないでしょうか」と講師。群読はこの講座のハイライトなのですが、ここ数年は実施できていませんでした。来場の方からも「リズムを大切にされている先生のご姿勢が感じられとても楽しかったです。」その他、「鷗外の作品に浸れた二日間でした」「太鼓の音がつくと臨場感が出て大変良いと思います」などの感想もいただきました。

「講師の朗読×和太鼓の音」で情景がよりはっきり浮かぶようです
たくさんの方がお越しくださいました
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参加者の声

  • 初めてこの講座に参加しました。大変面白く興味深く…。ずっと続けていただきたい企画です。
  • 朗読が心地よかったです。太鼓とのマッチングも良かったです。
  • 素晴らしい朗読と太鼓演奏でした。朗読を聞きながら目を閉じると情景が頭に浮かびました。