まなびぃすとセミナー【くらべる東西 くらべる日本~じゃあ、三重は?~】の事業報告

開催日
2022年9月4日(日曜日)
開催場所
男女共同参画センター 多目的ホール(三重県総合文化センター内) 
開催時間
13時30分 から 15時10分まで 
講師
おかべ たかし さん(ライター・著述家・編集者) 山出 高士さん(フリーカメラマン)
参加人数
179人
参加費
無料

 子どもから大人まで人気の本『目でみる』『くらべる』シリーズのおかべたかしさん(文)、山出高士さん(写真)をお迎えし、東なのか西なのか、思えばおもうほど、調べればしらべるほどわからなくなる三重の魅力を皆さんと一緒に考えてみました。

「東」と思えば「赤」、「西」と思えば「青」の紙を掲げます。

数々のシリーズを共に製作する講師のお二人の息の合ったトークでこの日の講座は進められました。

自己紹介の後、『くらべる東西』の中から講師の山出さん撮影の写真を用いながら15の「東の〇〇」「西の〇〇」をくらべながら、東と思えば「赤」、西と思えば「青」の紙を掲げ、「じゃあ、三重は?」の答えを会場全員で探します。いなり寿司、銭湯、おでん、ちらし寿司、ねぎ、タクシー、桜餅、ひなあられ、スコップ、落語家、定食、みたらし団子、「肉といえば牛?豚?」「たぬきといえば天かす?そば?」「肉まんにからしをつける?つけない?」について講師による解説を聴きながら皆さん答えを考えてくださいました。

「東」か「西」か決着→箱が積み上げられます。いなりは「東」が多く、「赤」。

例えば、「落語家」について。「東」の落語家は座布団のみ。「西」の落語家は見台(膝隠し)を使い、扇子や小道具で音を出しながら噺を進めます。これは東の落語はお座敷に呼ばれて行うのに対し、西の落語は縁日(野外)で行うため、注意を引くのに必要だったからだそうです。この近くの大きな寄席である大須演芸場(名古屋)に講師が確認したところ、東西どちらの落語家にも対応できるよう見台を常備しているとのことでした。講師、職員の圧倒的「西」が優勢になるとの予想に反し、15の「くらべる東西」は最終的に東8-西6、引き分け1となりました。また、講座申込受付の際に実施したアンケートの結果も一部紹介されました。「明日、明後日の次の日(今日から3日後)は何という?」の質問に「ささって」の回答はなんと40%以上。「まだ方言が生きている」という発見があったようです。(15の「くらべる東西」、アンケート結果はページ下部で紹介します)

 講師・山出さん(玉城町出身)のお話の中で「こうやって東西の紙を掲げながら、三重の人はきっと『どっちでもいい』と思い、楽しんでいる」とありました。参加の方からも「わざわざ東も西もこだわることもないと思う」「三重の曖昧さがわかり、どっちでもいいよーという空気を感じる」など、三重に対する愛情が感じられる感想もいただきました。

講師:おかべたかしさん(京都出身、東京在住)
講師:山出高士さん(玉城町出身、東京在住)
15のうち、唯一の引き分け「スコップ」(写真は西のスコップ)

「本の王国」さんによる書籍販売も行われました。

15の「くらべる東西」の結果はこちら

講師、おかべたかしさんのブログ「おかべたかしの編集記」に写真入りで紹介されています。

講座申込の際に行ったアンケート結果

問1 三重県は〇〇地方だと思う。

        東海…128 近畿…18 関西…5 中部…11 その他…2
    [その他]
          ・伊賀は関西、北勢は東海、その他は中部  ・伊賀は関西

「東海」が圧倒的。民放放送局の区分が影響か。伊賀が関西とされるのも同じ理由でしょうか。

問2 うちのお雑煮は…

   丸餅…33 角餅…115 たがね(丸餅)…0 たがね(角餅)…4 その他…6
      [その他]
   ・丸餅も角餅もたがね角餅もあります ・食べない ・転勤族なので分かりません
   ・角餅+たがね角餅 ・丸餅+角餅
   
   すまし汁…96 みそ汁(赤)…10 みそ汁(白)…15 小豆0 その他…11
       [その他]
       ・食べない・濃い口しょうゆのだし汁(北海道出身)・みそ汁(あわせ) ・田舎味噌のみそ汁・鶏ガラ
   ・すまし汁+みそ汁(赤)

   もちは焼く…29 そのまま煮る…71 その他…3
    [その他]
    ・もちは別に煮る

三重のスタンダードは「角餅」「すまし汁」「もちはそのまま煮る」となりそうです。

問3 「あした」「あさって」次の日(今日から3日後)は何という?

   しあさって…88 やのあさって…1 やなあさって…0 ささって…68 その他…3
    [その他]
          ・曜日で伝える ・しあさって+ささって
    ・昔は「ささって」だったが、進学で三重を離れてからは「しあさって」

三重の代表的な方言「ささって」はまだまだ健在のようです。

アンケート回答に協力くださった皆様、誠にありがとうございました。

   

 
   

参加者の声

  • ここまで盛り上がるテンポの良いトークは初めてです。参加型で楽しかったです。他のテーマでも第2弾して頂けたら嬉しいです。最高です。
  • 会場全員で参加できる東か西を決めるというのがありとても楽しく参加でき豆知識もありで勉強にもなり良かったです。
  • とっても楽しかったです!お二人の掛け合いが面白くてもっともっと聞きたかったです。三重県の曖昧さもよく分かり、どっちでもいいよーという空気も感じ、笑いが絶えませんでした。ありがとうございました。
  • 楽しい対談だった。自分たちの住んでいるところが東西両方の影響を受けているのは興味深い。
  • お二人の本はとても好きです。学校の図書館にも入れています。おでんはどちらでもないなー。