みえアカデミックセミナー2022
高田短期大学公開セミナー
「仏教保育・仏教教育の魅力」の事業報告

開催日
2022年7月14日(木曜日)
開催場所
三重県文化会館1階 レセプションルーム
開催時間
13時30分から15時15分まで
講師
高田短期大学 子ども学科 特任講師 松山 智道 さん
参加人数
51名
受講料
無料

「みえアカデミックセミナー」は三重県内の大学・短大・高専・放送大学を含めた高等教育機関との連携で生まれた公開セミナーです。
毎年7月から8月(令和4年度は7月14日から8月27日まで)にかけて、三重県総合文化センターを会場に、各校1日程ずつ、選りすぐりの先生にご専門の研究内容を分かりやすく講演いただいています。
前身となる「みえ6大学公開講座」(1996年スタート)から既に20年を過ぎ、「みえアカデミックセミナー」としては、19年目を迎えました。
今後も、県内の皆さんにたくさんの「まなびの種」をお届けしてまいります。
※令和4年度は2セミナーの中止により13セミナーを開催しました。


令和4年度の高田短期大学公開セミナーは、高田短期大学 子ども学科 特任講師 松山 智道さんを講師にお迎えしました。

高田短期大学 子ども学科 特任講師 松山 智道さん

**************************【講演概要(ホームページ・チラシ紹介文より)】
仏教とは、仏となられたお釈迦さまの教えであり、私もその教えを学び、私が仏になるように育てられていく教えです。仏とは、ブッダ(仏陀)のことで、真実に目覚めた者のことです。古歌に「おさなごの 次第次第に知恵づきて 仏に遠くなるぞ悲しき」とありますが、人間の「知恵」と仏の「智慧」、その中身を考えてみます。
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講演の様子(2022年7月14日)

はじめに、「仏教」とは「仏」になるための「教え」であるとされ、そのため教育が深くかかわっていると語られました。そして、古歌「おさなごの...」を引用され、「人間」は「形だけ人の姿をした者」と「本当の人間となった者」に分けられ、「本当の人間になった者」が仏であるとおっしゃられ、仏の智慧(ちえ)とは「本当の人間になった者の知恵」であると説明していただきました。

講演の様子2(2022年7月14日)

続いて、「宗教的情操教育」について「仏に近づくこと」が仏教では大切であると説明していただき、対比的または二元的に物事を考えるのではなく一元的に考えることや、「反省と感謝」が宗教的情操教育では大切で、「もったいない」、「有難い」、「お陰さま」といった宗教的感性を幼児期に身につけることが大切だと語られました。

「悟り」と聞くと何か摩訶不思議な訳の分からないものと思う人もいるかもしれないけれど、人間の道理(法則)であると解説していただきました。また、お釈迦様の因縁の教えとは「おかげさまの教え」と言い換えても良いかもしれないとおっしゃられ、仏教の授業で教科書としても使われる本から引用され、「内因」と「外縁」についてなどを説明していただきました。そして、仏教では自分の思いを通そうとすることを「煩悩」と言い、仏教教育とは人間の正しい方法を学んでいけるということだと、その大切さについて語られました。

講演の様子3(2022年7月14日)

セミナーの後半では、仏教を学んだ方の言葉や古歌、四コマ漫画を取り上げながら仏教の学び方について紹介していただきました。その中で、「立ち止まる」・「いたわり」・「反省と感謝」・「関わり」の大切さについて語られました。

そして、当たり前のことが有難いと思えることが「仏教の要点」であるとおっしゃられ、子どもは大人が当たり前に感じるようになってしまったことに日々驚く素直な感覚を持っているのに大人になると忘れてしまうと語られました。
最後にワーズワースの「子どもこそ大人の父」という子どもこそ大人に大事なことを教えてくれる先生であるとの言葉を紹介され、仏教保育とは子どもとともに仏教の中身を大人も共に学んでいく、また、大人が子どもから学ぶことでもあるのだと締めくくられ、この日のセミナーは終了しました。

参加者の声

  • 身近な話しから講演をして頂きありがとうございました。まだまだ人間として成長していかなければと思いました。
  • 反省と感謝今一度自身を見直したいと思いました。
  • たくさんの素晴らしい言葉に出会うことができました。ありがとうございました。
  • おかげさまなど気づきの重要性など、とても大切なことを学びました。
  • 仏教的な話しでなく人として人格が大事な話しで感動しました。